2025.11.7

「恵比寿映像祭2026」が開催。今年のテーマは「あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」

東京・恵比寿の東京都写真美術館で、映像文化とアートの現在を横断的に紹介する国際フェスティバル「恵比寿映像祭2026」が開催される。会期は2026年2月6日〜23日。

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 東京・恵比寿の東京都写真美術館で、映像文化とアートの現在を横断的に紹介する国際フェスティバル「恵比寿映像祭2026」が開催される。会期は2026年2月6日〜23日。

 恵比寿映像祭は2009年の第1回開催以来、年に一度、恵比寿の地で展示、上映、ライヴ・パフォーマンス、トーク・セッションなどを複合的に行ってきた映像とアートの国際フェスティバルだ。映像分野における創造活動の活性化と、映像表現やメディアの発展を育み、継承する場となることを目指してきました。近年では、地域とのつながりや国際的なネットワークを強化し充実と発展をはかっている。

東京都写真美術館

 今回のテーマは「あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」だ。メインキュレーターは邱于瑄(チィウ・ユーシュェン)。「日花」(ジッホエ/Jīt-hue)と「聲音」(シアーイン/Siann-im)を組み合わせた台湾語「日花聲音」は、ひとつとして同じものがないさまざまな声音が響く空間に、木々の間から洩れた光が差し込む様子を現したという。この言葉を起点に、光と声が重なり合う「ポリフォニック」な共感の場を構想する。東京都写真美術館をメイン会場に、写真、映像、サウンド、パフォーマンスなど多様な表現が展開され、コミッション・プロジェクト特別賞受賞作家個展や東京都コレクションの特別公開、地域連携プログラムも実施。多様な文化が響き合う体験を届ける。

 出品作家は張恩滿(チャン・エンマン)、エキソニモ、FAMEME、ゴツプロ!、原直久、スーザン・ヒラー、侯怡亭(ホー・イーティン)、チョン・ソジョン、小森はるか、キュンチョメ、冥丁、アンジェリカ・メシティ、さわひらき、Tomoko Sauvage、鶴巻育子、田中未知/高松次郎ほか。

 メイン展示プログラムは東京都写真美術館全フロアを使い、写真、映像、サウンド、パフォーマンスなど多様なメディアを横断し、人類学的な視点から「声」「環境」「記憶」「誤読」をテーマに展開。地下1階では「移動」を起点にしたサウンドスケープが広がり、2階展示室では、言語や社会のルールを再考しながら「ズレ」や「誤解」から生まれる表現の可能性を探る。

 東京都写真美術館3階では、東京都写真美術館の継続事業として2023年に始動した「コミッション・プロジェクト」を紹介。日本を拠点に活動するアーティストを選出し、新たな映像作品を成果として発表するとともに、第2回コミッション・プロジェクト特別賞受賞作家・小森はるかによる特別展示を実施する。

 恵比寿ガーデンプレイスセンター広場と恵比寿スカイウォークでは、デジタルとアナログの境界を横断する実験的プロジェクトを展開。インターネット・アートの先駆者エキソニモと、個人と集団のアイデンティティに着目したFAMEME が、都市空間に映像表現をインストール。屋外でしか体験できない「偶発的な出会い」を生み出す作品群が、訪れる人に提示される。

 東京都写真美術館の1階ホールでは、劇映画から実験映像まで、恵比寿映像祭のために編まれた特別上映プログラムを連日開催。日本初公開作品を含む国内外の多様な映像をセレクションし、上映後には監督やゲストとのトーク・セッションも実施。海外機関との連携による貴重なアーカイブ作品の特集上映も予定している。

 国内外のキュレーター、研究者、アーティストらを迎え、コミッション・プロジェクトやアーカイブ、言語と文化の交差について議論するシンポジウムとトーク・セッションも開催。

 東京都写真美術館をはじめ、東京都現代美術館、東京都庭園美術館、東京都江戸東京博物館が管理する収蔵品のなかから、総合テーマ「あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」に沿って作品をセレクトし、映像・写真・資料を展示する。