EXHIBITIONS
特集展示
夢の江戸へ―美人画と歴史ロマン
町田市立国際版画美術館で、特集展示「夢の江戸へ―美人画と歴史ロマン」が開催されている。
浮世絵は江戸時代初期に誕生して以来、浮世すなわち当世を題材とし、遊郭の花魁や芝居町の歌舞伎役者といった当代のスターたちを描き続けた。明治時代になると、政府による極端な欧化政策に対する反動として、江戸時代を懐古する風潮が生まれた。世間の感情を敏感に察知し、その需要に応じてきた浮世絵のなかにも、過ぎ去った時代を題材とする作品があらわれ始める。
本展では、月岡芳年(1839〜92)と水野年方(1866〜1908)による美人画を紹介。明治時代に活躍したこのふたりの浮世絵師は、師弟の関係で結ばれながら多くの共通する画題に取り組み、江戸時代の女性像もそのひとつであった。しかしながら彼らが描いた江戸は、必ずしも正確な歴史理解にもとづくものではない。そこに表されたのは江戸時代を理想化した姿であり、史実にしばられない「夢の江戸」とも言える世界である。
芳年と年方の没後、浮世絵は急速にその姿を消していった。本展を通じて、浮世絵最後の傑作を堪能してほしい。
なお、前後期で展示替えが行われる。
浮世絵は江戸時代初期に誕生して以来、浮世すなわち当世を題材とし、遊郭の花魁や芝居町の歌舞伎役者といった当代のスターたちを描き続けた。明治時代になると、政府による極端な欧化政策に対する反動として、江戸時代を懐古する風潮が生まれた。世間の感情を敏感に察知し、その需要に応じてきた浮世絵のなかにも、過ぎ去った時代を題材とする作品があらわれ始める。
本展では、月岡芳年(1839〜92)と水野年方(1866〜1908)による美人画を紹介。明治時代に活躍したこのふたりの浮世絵師は、師弟の関係で結ばれながら多くの共通する画題に取り組み、江戸時代の女性像もそのひとつであった。しかしながら彼らが描いた江戸は、必ずしも正確な歴史理解にもとづくものではない。そこに表されたのは江戸時代を理想化した姿であり、史実にしばられない「夢の江戸」とも言える世界である。
芳年と年方の没後、浮世絵は急速にその姿を消していった。本展を通じて、浮世絵最後の傑作を堪能してほしい。
なお、前後期で展示替えが行われる。
