2025.11.14

今週末に見たい展覧会ベスト20。「養老天命反転中!」から「Art Collaboration Kyoto」まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

養老天命反転地記念館・養老天命反転地オフィスにて、evala《perennial》
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もうすぐ閉幕

「エルヴィン・ヴルム 人のかたち」(十和田市現代美術館

展示風景より、《学校》(2024/25)

 青森県にある十和田市現代美術館で「エルヴィン・ヴルム 人のかたち」が開催されている。会期は11月16日まで。レポートはこちら

 エルヴィン・ヴルムは1954年ブルック・アン・デア・ムーア(オーストリア)生まれで、現在はウィーンとリンベルクを拠点に活動している。ヴルムは、石膏や金属といった素材だけでなく、写真や衣服、絵画といった多様な素材を用いて、彫刻の概念を徹底的に拡張し、その固定化された概念を拡張してきた。

 本展では、彫刻のもっとも原初的なモチーフである人の身体を起点に、時間、量塊と表面、具象と抽象を巡るヴルムの作品が紹介されている。2024年の最新作である大型インスタレーション《学校》や、「皮膚」シリーズ、「平らな彫刻」シリーズなど、近年の作品が日本で初公開される貴重な機会になっている。

会期:2025年4月12日〜11月16日
会場:十和田市現代美術館
住所:青森県十和田市西二番町10-9
電話番号:0176-20-1127
開館時間:9:00〜17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌日)
料金:一般 1800 円(常設展含む) / 高校生以下無料

「BIWAKOビエンナーレ2025 "流転〜FLUX"」

展示風景より、江頭誠の作品 撮影=平垣内悠人

 滋賀県近江八幡旧市街地、長命寺、沖島で「BIWAKOビエンナーレ2025 "流転〜FLUX"」が開催されている。会期は11月16日まで。レポートはこちら

 BIWAKOビエンナーレは、琵琶湖を中心に広がる滋賀県、主に近江八幡旧市街地を舞台に、国内外のアーティストが展示を行うアートイベントだ。11回目となる今年は、約70組のアーティストが参加している。

 今回のテーマは「流転〜FLUX」。「この世の全ての事象は、つねに変化し続けている」といった生成変化の流れを、アートを通じて感じることで、宇宙へと思いを馳せながら自己との対話を試みる機会をつくり出す。

会期:2025年9月20日〜11月16日
会場:滋賀県近江八幡市(旧市街地、沖島、長命寺) 
開場時間:10:00〜17:00 ※入場は閉場時間の30分前まで 
閉場日:水(ただし11月12日は開場)
鑑賞パスポート料金:一般 3500円 / 学生 2500円 / 近江八幡市民 3000円 / 中学生以下・障害者は無料(※沖島エリア、長命寺エリアはパスポートは不要)

「おさんぽ展 空也上人から谷口ジローまで」(滋賀県立美術館

谷口ジロー 『歩くひと』第3話「町に出かける」原画 1990 一般財団法人パピエ蔵 ©PAPIER/Jiro Taniguchi

 滋賀県立美術館で「おさんぽ展 空也上人から谷口ジローまで」が開催されている。会期は11月16日まで。レポートはこちら

 本展では、日本における「散歩」や「歩くこと」の表現に焦点を当て、宗教的実践から都市文化、そして現代漫画まで、美術のなかに描かれた歩行の表現を、全7章を通じて一望する企画である。

 本展は第79回国民スポーツ大会および第24回全国障害者スポーツ大会が滋賀県で開催されることを記念して構想されたもの。重要文化財2件を含む74点の作品を通して、その文化的・歴史的な広がりが紹介されている。

会期:[前期]2025年9月20日~10月19日、[後期]2025年10月21日~11月16日
会場:滋賀県立美術館
住所:滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1
電話番号:077-543-2111
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(祝日の場合は開館、翌火曜休館)
料金:一般 1200円 / 高校・大学生 800円 / 小学・中学生 600円 / 身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳をお持ちの方とその介助者無料

「宋元仏画―蒼海(うみ)を越えたほとけたち」(京都国立博物館

 京都国立博物館で、特別展「宋元仏画―蒼海(うみ)を越えたほとけたち」が開催されている。会期は11月16日まで。

 平安時代後期から鎌倉時代にかけて、日本は中国から多数の仏教文物を持ち帰っており、宋元仏画はそのなかでも特筆すべき請来品のひとつとされる。これらの仏画は、きわめて高い水準の絵画技法と精神性を備え、寺院での礼拝や絵師たちの手本としてもちいられながら、日本の文化のなかに深く根付いてきた。

 本展は、日本国内に所蔵される貴重な宋元仏画を一堂に集め、制作地である中国の時代的・地域的文脈を踏まえつつ、その特色を多角的に紹介するもの。また宋元仏画を紐解きながらその魅力に迫るとともに、この絵画群を伝えてきた日本文化の国際性や包容力、多様性をあらためて見直す機会となっている。

会期:[前期]2025年9月20日~10月19日、[後期]2025年10月21日~11月16日
会場:京都国立博物館
住所:京都府京都市東山区茶屋町527
電話:075-525-2473
開館時間:9:30~17:00(金土~20:00)
休館日:月
料金:一般 2000円 / 大学生 1200円 / 高校生 700円 / 中学生以下 無料

薬師川千晴:ノックノック、境界の扉をノックする。」(京都市京セラ美術館

knock 2021 画像提供:薬師川千晴 撮影:⽚⼭達貴 「Soft Territory かかわりのあわい」 (滋賀県⽴美術館、2021)展⽰⾵景

 京都市京セラ美術館で「ザ・トライアングル 薬師川千晴:ノックノック、境界の扉をノックする。」が開催されている。会期は11月16日まで。

 「ザ・トライアングル」は、同館のリニューアルオープンに際して新設された展示スペース。京都ゆかりの作家を中心に新進作家を育み、同館の来場者が現代美術に触れる場となることを目的としている。

 そんなスペースで開催される本展の出展作家である薬師川千晴は、1989年滋賀県⽣まれ。「対」という関係性を主題に独⾃の抽象絵画を制作している。近年⼿がけている「knock」シリーズでは、画⾯の向こう側の⽬に⾒えない相⼿に向かって合図を送るかのように、絵具をつけた⾃⾝の⼿で画⾯をノックすることで絵画を制作している。本展では、この「knock」シリーズを中⼼に新作が展示されている。

会期:2025年9月9日~11月16日
会場:京都市京セラ美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話番号:075-771-4334
開館時間:10:00~18:00
休館日:月(祝日の場合は開館)
料金:無料

アルウラ・アーティスト・イン・レジデンス展「ノスタルジアの未来」(寺田倉庫G3)

Sarah Brahim There will be soft rain 2025年

 東京・天王洲にある寺田倉庫G3-6Fで、サウジアラビアの古代都市・アルウラでの滞在制作(レジデンス)プログラムに参加した21名の作家による展覧会「ノスタルジアの未来」が開催されている。会期は11月16日まで。

 本展は、アーツアルウラ(Arts AlUla)とフランス・アルウラ開発庁(AFALULA)が主催するもの。この2つの団体により、2021年に設立されたのが、「アルウラ・アーティスト・イン・レジデンス・プログラム」である。本プログラムは、地域のアーティストだけでなく国際色豊かなアーティストが、創作の探求と実験を行うためのプラットフォームとして、新たに開設されたアルジャディダ地区のアーティスト宿泊施設に滞在し制作を行うもの。

 本展には、そんな「アルウラ・アーティスト・イン・レジデンス・プログラム」に参加する、世界各地10ヶ国から集った21名の作家が参加している。絵画、彫刻、インスタレーション、写真、映像など35点の作品で構成され、そのうち7点は本展のために制作された新作となっている。

会期:2025年11月5日〜16日
会場:寺田倉庫G3-6F
住所:東京都品川区東品川2-6-10
開館時間:11:00〜20:00
料金:入場無料

 「養老天命反転中!Living Body Museum in Yoro」(養老天命反転地)

養老天命反転地記念館・養老天命反転地オフィスにて、evala《perennial》

 岐阜県養老郡にある養老天命反転地の開園30周年を記念したイベント「養老天命反転中!Living Body Museum in Yoro」が開催されている。会期は11月17日まで。レポートはこちら

 荒川修作とマドリン・ギンズによって構想・設計されたこの施設は、「死なないための場」をテーマに、既存の制度や価値観にとらわれず、人間の身体が持つ無限の可能性を探る空間として誕生した。

 本イベントでは、国際的に活躍するアーティストの特別展示のほか、ダンス・音楽・美術の特別公演が実施されている。なお、15日、16日には「IAMAS ワークショップ『バランスからだ⾃転⾞』」が開催される。

会期:2025年10月25日〜11月17日
会場:養老天命反転地(養老公園)
住所:岐阜県養老郡養老町高林1298-2
開館時間:9:00〜17:00 ※入場は16:30まで
休館日:火
料金:⼀般 850円 / ⾼校⽣ 550円 / ⼩・中学⽣ 350円

今週開幕

ボスコ・ソディ個展「火」(MtK Contemporary Art

ボスコ・ソディ Untitled, 2025 ©️ Bosco Sodi 撮影=表恒匡 協力=SCAI THE BATHHOUSE

 京都にあるMtK Contemporary Artで、ボスコ・ソディの個展「火」が開幕した。会期は12月13日まで。

 ボスコ・ソディは1970年メキシコシティ生まれ。現在、ニューヨーク、バルセロナ、ベルリン、メキシコシティにて活動している。近年の主な展覧会に、「Wet Snow」SACアートスペース・ベルテロ(ブカレスト、2025)、「Que veux-tu, Brique?」グラン=オルニュ現代美術センター(ベルギー、2025)、「Andares」カハス・カナリアス財団(スペイン、2025)、「La Rendición de la Materia」ソノラ美術館(メキシコ、2025)、「黙: Speaking in Silence」両足院(京都、2024)、HEM美術館(順徳、2024)、「Rock and Roll: Bosco Sodi」カーザ・ダス・ローザス館(サオ・パウロ、2024)がある。

 本展では、生命の本質である火のエネルギーをテーマにした作品が展示されている。

会期:2025年11月12日~12月13日
会場:MtK Contemporary Art
住所:京都府京都市左京区岡崎南御所町20-1
電話番号:075-754-8677
開館時間:10:00~18:00(12日は16:00~)
休館日:日
料金:無料

「クサカ シオ と ジョナス ウッド」(両足院)

Shio Kusaka Jomon 70 2025 Photo: Marten Elder courtesy of the artist and David Kordansky Gallery

 京都にある両足院で「クサカ シオ と ジョナス ウッド」が開幕した。会期は12月10日まで。

 本展は、ロサンゼルスを拠点とするデイヴィッド・コルダンスキー・ギャラリーとの共同企画によるもので、クサカ・シオの陶芸作品などとジョナス・ウッドの絵画が紹介される。

 クサカは、古来の陶芸に内在する理念を現代的な造形として展開し、彫刻的なアプローチで作品を制作。本展では、縄文時代や古墳時代の陶芸から着想を得た新作を通して、近年のテーマをさらに深化させている。ウッドは平面的に色を配置しつつ、絵具の質感を精緻に操ることで立体感と奥行きを生み出している。

 本展では、ウッドがクサカの器を描いた絵画、クサカが寺院の内部空間をモチーフにした器など、互いの表現が相互に呼応しながら、制作と鑑賞の場を包み込むような有機的なアートのあり方を提示している。

会期:2025年11月13日~12月10日
会場:両足院
住所:京都府京都市東山区大和大路通四条下る四丁目小松町591
開館時間:13:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:会期中無休
料金:一般 1000円 / 高校生以下 500円

「WAVE WEAVE ― 音と織物の融合」(HOSOO GALLERY

 京都にあるHOSOO GALLERYで「WAVE WEAVE ― 音と織物の融合」が開幕した。会期は2026年3月8日まで。

 カールステン・ニコライは、1965年旧東ドイツ生まれのアーティストで、坂本龍一との共演でも知られる電子音楽家・アルヴァ・ノト(Alva Noto)としても活動。旧東ドイツの織物産業都市に生まれ育ち、1000点以上の紋意匠図を所有するなど、織物に関する造詣も深い。

 本展は、ニコライの視覚・聴覚表現と、HOSOOが受け継いできた西陣織の伝統技術との融合によって実現したふたつの新作から構成される。伝統とテクノロジーが交錯する表現を通じて、新たな知覚体験ができる機会となるだろう。

会期:2025年11月13日~2026年3月8日
会場:HOSOO GALLERY
住所:京都府京都市中京区柿本町412 2F
電話番号:075-221-8888
開館時間:10:30~18:00(入場は閉館の15分前まで)
休館日:祝、年末年始
料金:無料

「藝大取手コレクション展 2025」

高村光太郎 獅子吼 1902年 東京藝術大学蔵

 東京藝術大学大学美術館 取手館で、取手収蔵棟竣工記念・取手館開館30周年記念「藝大取手コレクション展 2025」が開幕した。会期は11月30日まで。

 東京藝術大学大学美術館取手館は、2024年に開館30周年を迎えた。さらに同年、学生作品を収蔵する新たな拠点として取手収蔵棟が竣工。取手館および取手収蔵棟には、明治期から現代に至るまでの本学学生による作品を中心に、約13000件におよぶ収蔵品が保管されている。

 本展では、「自画像:1925→2025」「卒業・修了制作:学びの集大成」「過去に学ぶ:未来へ繋ぐ教育資料」の3つのセクションを通して、収蔵品の魅力とその背景にある藝大の教育と創作の歴史が紹介される。

会期:2025年11月13日~11月30日
会場:東京藝術大学大学美術館 取手館
住所:茨城県取手市小文間5000
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:11月17日、18日、25日
料金:無料

「Art Collaboration Kyoto」

Art Collaboration Kyoto

 国立京都国際会館で今年も「Art Collaboration Kyoto」が開幕した。会期は11月16日まで。

 Art Collaboration Kyoto(ACK)は、「コラボレーション」をコンセプトに京都で開催される現代美術のアートフェア。5回目の開催となる2025年は、19の国・地域(28都市)から72ギャラリーが出展し、世界屈指の老舗から新進気鋭のギャラリーまでが一堂に会する。

 ACKは、ギャラリーの出展形態に特徴があり、日本国内のギャラリーと海外ギャラリーがひとつのブースを共有して展示を行う「ギャラリーコラボレーション」と、京都にゆかりのあるアーティストや作品を紹介する「キョウトミーティング」のふたつのセクションで構成される。

会期:2025年11月14日~11月16日
会場:国立京都国際会館 ほか
住所:京都府京都市左京区宝ヶ池
開館時間:12:00~19:00(11月16日は11:00~17:00)(入場は閉館の1時間前まで)
料金:一般 3000円 / 大学生・高校生 1000円

30周年記念展「ALL OF EVANGELION」(東京シティビュー)

エントランスイメージ ©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA製作委員会 ©カラー

 六本木にある東京シティビューで、30周年記念展「ALL OF EVANGELION」が開幕した。会期は2026年1月12日まで。

 1995年に放送が開始されたテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』。その後、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズを経て2021年に『シン・エヴァンゲリオン劇場版』として完結し、30年間にわたり幅広い世代の支持を得てきた。本展では、テレビシリーズから新劇場版シリーズまでの膨大な制作資料や原画が一堂に展示され、作品世界の変遷とその制作の裏側が多角的に紹介される。

 本展は「設定」「音」「原画・レイアウト」「完結編」という4章を通じて、変化し続けた制作手法や、作品を支えてきたクリエイターたちの息遣いを資料から読み取ることができる機会となるだろう。

会期:2025年11月14日~2026年1月12日
会場:東京シティビュー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~22:00(入館は閉館1時間前まで)
休館日:会期中無休
料金:一般 2400円 / 高校・大学生 1700円 / 4歳~中学生 1100円 / 65歳以上 2100円

「Perfume COSTUME MUSEUM FINAL EDITION」(そごう美術館

 横浜にあるそごう美術館で「Perfume COSTUME MUSEUM FINAL EDITION」が開催される。会期は11月15日~2026年1月12日。

 本展は、テクノポップユニット・Perfumeのメジャーデビュー以降の衣装に注目する大規模衣装展である。『Perfume COSTUME BOOK 2005-2020』(文化出版局)の刊行を起点とし、2023年より全国を巡回してきた。本展はそのグランドフィナーレとして開催され、「FINAL EDITION」としての特別仕様に構成される。

 会場では、これまで別々に展示されていたミュージックビデオ用とツアー用の衣装が、初めて年代順に同じ空間で紹介される。各時期における衣装デザインの特徴や表現の変遷を通して、Perfumeの活動の軌跡をたどることができるだろう。

会期:2025年11月15日~2026年1月12日
会場:そごう美術館
住所:神奈川県横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店6階
電話番号:045-465-5515(そごう美術館直通)
開館時間:10:00~20:00※11月28日、11月29日、12月5日、12月6日は〜17:00(入場は各閉館の30分前まで) (※12月31日、1月1日は休業・時短営業の可能性あり)
休館日:不定休
料金:一般 1600円 / 大学・高校生 1400円 / 中学生以下 無料

「ドナルド・キーン展 Seeds in the Heart」(世田谷文学館

 世田谷文学館で「世田谷文学館 開館30周年記念 ドナルド・キーン展 Seeds in the Heart」が開催される。会期は11月15日~2026年3月8日。

 ドナルド・キーンは、アメリカ・ニューヨーク生まれの日本文学研究者・文芸評論家。本展では、世田谷文学館の開館30周年を記念し、キーンの研究人生と日本文学への深い愛情が紹介される。

 また、キーンの生涯と功績を通して、キーンが「黄金時代」と呼んだ時代の日本文学の豊かさを再考する機会を提供し、日本文学を世界に広めたその活動を振り返ることで、現代における日本文化の意義と継承のあり方を見つめ直す展覧会となっている。

会期:2025年11月15日~2026年3月8日
会場:世田谷文学館
住所:東京都世田谷区南烏山1-10-10
電話番号:03-5374-9111
開館時間:10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月(祝休日の場合は開館し翌平日休館)、年末年始(12月29日〜1月3日)、館内整備期間
料金:一般 1000円 / 65歳以上・大学・高校生 600円 / 小・中学生 300円

「CURATION⇄FAIR Kyoto」

 京都の大本山 妙顕寺で「CURATION⇄FAIR Kyoto」が開催される。会期は11月15日〜18日。

 本展は、歴史ある建築空間に作品を展示することで、作品の文脈や美的価値への理解をうながし、新たなコレクションのかたちを提案するアートフェア。古美術から現代工芸、近代洋画から現代美術まで幅広いジャンルの作品が一堂に会する。

 会場構成は「工芸」と「近代洋画」のふたつのテーマを軸に展開。工芸においては、日本の古美術における素材・技術・精神性を継承した現代工芸作品を紹介し、「本当に価値ある工芸作品」とは何かという問いを提起する。近代洋画では、明治期以降の日本洋画を再評価し、日本におけるモダニズムの系譜に新たな視点を投げかける。また、名勝・渉成園をサテライト会場とし、現代工芸作品を中心とした展覧会も併催されるため、そちらも要注目だ。

会期:2025年11月15日~11月18日
会場:大本山 妙顕寺
住所:京都府京都市上京区妙顕寺前町514
開館時間:11:00~19:00(11月15日は17:00〜、11月18日は〜18:00)(入場は閉館の30分前まで)
料金:無料

「没後10年 江見絹子」(神奈川県立近代美術館 葉山

江見絹子 作品5 1962 神奈川県立近代美術館蔵 第31回ヴェネチア・ビエンナーレ出品作品

 神奈川県立近代美術館 葉山で、コレクション展「没後10年 江見絹子 —1962年のヴェネチア・ビエンナーレ出品作品を中心に—」が開催される。会期は11月15日~2026年2月23日。

 江見絹子は、日本人女性として初めてヴェネチア・ビエンナーレ(1962)に出品した画家である。50年代後半、日本でアンフォルメルが旋風を巻き起こすなかで、江見は半抽象から幾何学的抽象へと移行し、さらに60年代にはその形態を解消して「熱い抽象」へと展開した。高度経済成長期の空気を映すように、多様な変遷を遂げた作風が特徴である。

 本展では、江見がヴェネチア・ビエンナーレに出品した全作品が公開される。これらは画家のアトリエにまとまって残され、2003年度に美術館に寄贈されたものだ。また、《空の輪臺》《FUDARAKU》《幻想と秩序》など、代表作が15年ぶりに展覧される。江見の没後10年を機に、その活動の軌跡と創作の到達点を振り返る機会となるだろう。

会期:2025年11月15日~2026年2月23日
会場:神奈川県立近代美術館 葉山
住所:神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
電話番号:046-875-2800
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月、12月29日〜1月3日(11月24日、1月12日、2月23日は開館)
料金:一般 250円 / 20歳未満・学生 150円 / 65歳以上、高校生 100円 / 中学生以下、障害者手帳等・ミライロIDをご提示の方および介助者原則1名 無料

「企画展 藤田嗣治×ファッション」(秋田県立美術館

渡仏した藤田嗣治が妻へ送ったモード雑誌 公益財団法人平野政吉美術財団蔵

 秋田県立美術館で「企画展 藤田嗣治 × ファッション」が開催される。会期は11月15日~2026年1月18日。

 藤田嗣治は、布の質感や色、模様に強い関心を持ち、若い頃から晩年に至るまで多様な布を収集し、それらを自身の作品のなかに描き出してきた。また、ミシンや手縫いで自ら衣服を仕立て、それを身に着けた姿を写真に残すなど、衣服そのものにも深い関心を寄せていた。

 本展では、藤田が描いた作品などを通して、布や衣服、衣装に対する画家の眼差しが紹介される。

会期:2025年11月15日~2026年1月18日
会場:秋田県立美術館
住所:秋田県秋田市中通1-4-2
電話番号:018-853-8686
開館時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)※開館時間を延長する場合あり
料金:一般 310円 / 学生 210円 / シニア(70歳以上)280円 / 高校生以下 無料

「オランダ×千葉 撮る、物語る」(千葉県立美術館

「オランダ×千葉 撮る、物語る」チラシ

 千葉県立美術館で「オランダ×千葉 撮る、物語るーサラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」が開催される。会期は11月15日~2026年1月18日。

 本展は、オランダ出身の若手写真家サラ・ファン・ライとダヴィット・ファン・デル・レーウの作品を日本で初めて紹介する展覧会である。会場では、彼らがニューヨークで制作した「Metropolitan Melancholia」および「Still Life」シリーズを中心に約80点が展示される。

 あわせて、千葉にまつわる写真の歴史にも注目し、写真家・小説家として千葉を拠点に活動する清水裕貴のアプローチを通して、千葉ゆかりの古写真や美術館所蔵の絵画コレクションも紹介される。

会期:2025年11月15日~2026年1月18日
会場:千葉県立美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央港1-10-1
電話番号:043-242-8311
開館時間:9:00~16:30(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月(ただし11月24日・1月12日は開館)、11月25日、12月28日〜1月4日、1月13日
料金:一般 1000円 / 高校・大学生 500円 / 中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方と介護者1名 無料

たかくらかずき展 キャラクターはことば」(ハイパーミュージアム飯能)

 埼玉県飯能市にある現代美術館「ハイパーミュージアム飯能」で、アーティスト・たかくらかずき(1987〜)の個展「キャラクターはことば」が開催される。会期は11月16日~2026年3月1日。

 たかくらは、ビデオゲームやピクセルアート、VR、NFT、AIなどのデジタル表現を使用し、仏教などの東洋思想に価値追求する現代美術のルール書き換え、デジタルデータの新たな価値追求をテーマに作品を制作している。

 同館における第3弾の展覧会となる本展では、会場の内や外に、オニやカッパ、十二支、仏教神道、妖怪変化など、たかくらが生み出すキャラクターの数々が集結し、ストーリーを持つコンテンポラリーアート作品として登場。会場にはPCが設置され、ゲームという形式で実際にプレイして遊ぶことができるものとなる。

会期:2025年11月16日~2026年3月1日
会場:ハイパーミュージアム飯能
住所:埼玉県飯能市宮沢327-6 
開館時間:10:00~17:00 ※最終入館は閉館の30分前
休館日:会期中無休
料金:一般 1200円 / 4〜18歳 700円