
地域レビュー(東京):山﨑香穂評「細野さんと晴臣くん」展、「すずえり」展
ウェブ版「美術手帖」にて新たに始動した、地域レビューシリーズ。本記事は、山﨑香穂(東京都写真美術館学芸員)が今年4月から6月にかけて東京で開催された展覧会のなかから、「細野さんと晴臣くん」展と「すずえり」展を取り上げる。各展覧会より、アイデンティティの形成と女性としての生き方について考察する。
ウェブ版「美術手帖」にて新たに始動した、地域レビューシリーズ。本記事は、山﨑香穂(東京都写真美術館学芸員)が今年4月から6月にかけて東京で開催された展覧会のなかから、「細野さんと晴臣くん」展と「すずえり」展を取り上げる。各展覧会より、アイデンティティの形成と女性としての生き方について考察する。
ウェブ版「美術手帖」にて新たに始動した地域レビューのシリーズ。本記事は、原田美緒(東京都現代美術館学芸員)が今年4月から6月にかけて東京で開催された展覧会のなかから、小林エリカと平山匠による2つの展覧会を取り上げる。芸術は、いかにして語られざるものに光を当てるのか──その問いを軸に、鋭いまなざしが注がれる。
原爆の図 丸木美術館で開催中の「望月桂 自由を扶くひと」展(〜7月6日)。1919年、日本でもっとも早いアンデパンダン展のひとつとされる黒耀会を結成した望月桂の幅広い活動を紹介するこの展覧会を、アーティスト・中島晴矢がレビューする。
1911年、平塚らいてうは「元始女性は太陽であった」と高らかに書き記した。2025年、その言葉の意味がいま、再び問われている。KOTARO NUKAGA Threeで開催中の「『元始女性は太陽だった』のか?」展(〜6月14日)では、異なる世代・視点を持つ3人のアーティストが、戦争と母性、制度と記憶、そして未来の身体をめぐって問いを投げかける。本稿で評論家・キュレーターとしてフェミニズム展を牽引してきた笠原美智子(長野県立美術館館長)は、展覧会の構成をたどりながら、現代日本におけるフェミニズムの現在地と、その可能性を考察する。
Yumiko Chiba Associatesで開催された「北川一成、山本尚志、日野公彦│文字と余白 仮称」展を美術評論家・清水穣がレビューする。グラフィックデザイナーの北川一成と、前衛書家の山本尚志・日野公彦らの作品を組み合わせ、書の芸術性にフォーカスした本展を通じて、「文字の力」とは何かを再考する。
東京・四ツ谷にあるMikke Gallery・Studio・Windowで開催された「浮茶:利休とバーのむこう」を美術批評家・椹木野衣が評する。「浮茶」とは何か。そして、アートディレクター・緑川雄太郎によって設えられたこの空間での「浮茶」体験とはどのようなものだったのか。緑川とともに茶室で過ごした時間を振り返りながら、椹木が考察する。
東京国立近代美術館で6月15日まで開催中の「ヒルマ・アフ・クリント展」。そこでは代表シリーズ「神殿のための絵画」を中心に、ひとつの世界観や宗教的なテーマが体系的に描かれている。いっぽうで、ひとりの画家が描いたとは思えないほど、シリーズごとの表現様式の多様性が際立っている。この二面性をどのように考えればよいのか。美術批評家・中島水緒がレビューする。
東京ステーションギャラリーで開催された、造形作家・宮脇綾子による個展「生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」(2025年1月25日~3月16日)を、アーティスト・碓井ゆいがレビューする。創作アプリケの表現手法を用いて制作されてきた宮脇の作品の特徴、そしてその活動を通じて見えてくる「手芸」と「美術」、ジェンダー的構図はどのようなものか。
HAPSが東京国立近代美術館主任研究員・成相肇をゲストキュレーターに招聘して開催した展覧会「キュレーションを公平フェアに拡張する vol.3 (こどもの)絵が70年残ることについて」。障害者支援施設「落穂寮」と「みずのき」に残る絵をもとに、「障害」という属性に遡る「こども」という時間軸から、評価と属性についての判断に一石を投じることを試みた本展を、BUGのキュレーター・檜山真有がレビューする。
1990年代初期の先駆的なアートスペース「レントゲン藝術研究所」とその周辺をインタビューや様々なアーカイヴ調査で掘り下げる展覧会「レントゲン藝術研究所とその周縁−1990年代前半の東京における現代美術−」が、昨年12月に東京藝術大学学生会館で開催された。レントゲン藝術研究所の影響や1990年代の東京の現代アートシーンについて、社会学者/現代美術の批評家であるエイドリアン・ファベルが論じるエッセイをお届けする。
コダマシーン(金澤韻+増井辰一郎)が企画し、昨年12月に京都で開催された「春望 Gazing at Spring」展は、2022年上海のロックダウンを端緒に私的な経験を公開の場で開示する展覧会だ。自然や社会との関わりを見つめる5人のアーティストを紹介し、私的なものがどのように普遍的なメッセージへと昇華するかを探る本展を、京都国立近代美術館の特定研究員・渡辺亜由美がレビューする。
映像インスタレーションを中心に社会の諸相を、現実と虚構をないまぜにするように描写することで知られる中国出身のアーティスト・陶輝(タオ・フイ)。その個展「In the Land Beyond Living」が、2月2日まで香港の大館コンテンポラリーで開催された。残酷な現実にいかに抗うことができるのか、The 5th Floor ディレクターの岩田智哉がレビューする。
大阪中之島美術館で開催された「Space In-Between:吉川静子とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン」(担当学芸員:平井直子)。公私ともにパートナーでありながら、それぞれが独立したアーティスト / デザイナーでもあった二人の関係性やその距離感、そして日本で生まれ、遠く離れたスイスの地でアーティストとしての道を切り拓いていった吉川静子のキャリア形成に焦点を当てながら、グラフィックデザイナーの長嶋りかこが同展の意義について論じる。
昨年、京都国立近代美術館で開催された「LOVE ファッション─私を着がえるとき」展を清水穣がレビューする。アートや映画とは異なり、自身で購入して着るという経験をしなければ始まらないファッション領域における研究は、現在どのような状況と言えるのか。マルセル・デュシャンの墓碑銘を引用することから展開させ、展覧会についても批評する。
愛知県豊田市の豊田大橋の下にある公園を会場とした音楽祭「橋の下世界音楽祭 SOUL BEAT ASIA 2024」を美術批評家・椹木野衣が評する。ファインアートが大半を占める既存の「芸術祭」とは対照的とも言えるこの橋の下の音楽祭。いったいどのようなイベントで、どのような仕組みで開催されているのだろうか。2024年度の出演アーティストを含めて紹介する。
小山市立車屋美術館で開催された「できごとども 五月女哲平、五月女政巳、五月女政平」展は、五月女家3代にわたる画家の作品を中心に構成された展覧会だ。絵画とキャプションが交差するなかで、地域の歴史や風景、人々の暮らしを静かに浮かび上がらせる本展は、言葉では語り尽くせない郷土の姿を映し出す。その魅力をThe 5th Floor ディレクターの岩田智哉が紐解く。
公共空間や路上を舞台としたアートプロジェクトを展開するアートチーム、SIDE CORE。かれらの東京では初となる大きな個展が東京・外苑前のワタリウム美術館で開催された。SIDE COREがテーマにする、都市、グラフィティ、ストリートアート、現代アートとその関係を見直しながら、『パンクの系譜学』の著者・川上幸之介が本展の意義に迫る。
世界が注目するブラック・アーティスト、シアスター・ゲイツの日本初個展「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」が、9月1日まで東京の森美術館で開催された。陶芸、建築、音楽で日本文化と黒人文化の新しいハイブリッドを描き出したゲイツの実践について、美術史を専門とする関貴尚が考察する。
大阪中之島美術館で開催された「没後30年 木下佳通代」展を清水穣が評する。木下佳通代の制作スタイルの変遷やその再評価、そして同展から見えてくる現代美術シーンの今後の在り方との関連も考察していく。
新潟県の画廊「新潟絵屋」で開催された「みよし」展を美術批評家・椹木野衣が評する。60年代よりオーストリアのウィーンを拠点に活動したみよしと、画商・随筆家であった洲之内徹の出会いにフォーカスしながら、その作品群を読み解いていく。
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