3連休に見たい展覧会ベスト18。運慶からゴッホ、「あいち2025」まで
今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

もうすぐ閉幕
「ピクチャレスク陶芸 アートを楽しむやきもの ―『民藝』から現代まで」(パナソニック汐留美術館)

パナソニック汐留美術館で「ピクチャレスク陶芸 アートを楽しむやきもの ―『民藝』から現代まで」が9月15日まで開催されている。レポート記事はこちら。
近現代の陶芸をテーマとした企画展を継続して開催してきた同館。本展は、陶芸と絵画的表現の交差に焦点をあて、アートとしての魅力を探るものだ。様々な陶芸作品の色やかたち、モチーフから、ときにジャンルを横断して創作に挑む作者の思考や芸術観を紡ぎ出すことを試みる。
個人作家による創作陶芸の礎を築いたとされる富本憲吉やバーナード・リーチ、民藝運動を推進したことでも知られる河井寬次郎や濱田庄司に始まり、伝統的な技術を革新した陶芸家、前衛陶芸の旗手、茶陶の名手、イギリスやデンマークの作家、1960年代から80年代生まれのアーティストまで、約50名の作家が並ぶ。総計約120作品による新たな共演を堪能してほしい。
会期:2025年7月12日~9月15日
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(8月1日、8月29日、9月12日、9月13日は〜20:00) ※入館は閉館30分前まで。土日祝は日時指定予約制
料金:一般 1200円 / 65歳以上 1100円 / 大学・高校生 700円 / 中学生以下、障がい者手帳をご提示の方および付添者1名まで 無料
「高畑勲展─日本のアニメーションを作った男。」(麻布台ヒルズギャラリー)

東京・麻布台にある麻布台ヒルズギャラリーで、「高畑勲展─日本のアニメーションを作った男。」が9月15日まで行われている。レポート記事はこちら。
2025年は高畑勲(1935〜2018)の生誕90年であり、高畑が大きな影響を受けた太平洋戦争終戦から80年が経過する年であることから、本展の今夏の開催が決定した。
本展の目玉のひとつとなるのが、新たに発見された『火垂るの墓』重巡洋艦摩耶のシーンのレイアウト。これは、「エヴァンゲリオン」シリーズで知られる監督・プロデューサーの庵野秀明がかつて『火垂るの墓』に原画スタッフとして参加していた際に描いたものである。本展では、それをもとにして描かれたハーモニーセル(絵画のようなタッチで描きこまれたセルのこと)とともに初公開されている。
会期:2025年6月27日〜9月15日
会場:麻布台ヒルズギャラリー
住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階
開館時間:10:00〜20:00(6月27日〜7月18日の火・日〜17:00) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 2000円 / 専門・大学・高校生 1700円 / 4歳〜中学生 1400円
「小湊鉄道開業100周年記念展 古往今来・発車オーライ!」(市原湖畔美術館)

千葉・市原市の市原湖畔美術館で、市原市を象徴する鉄道・小湊鉄道の開業100周年を記念した展覧会、小湊鉄道開業100周年記念展「古往今来・発車オーライ!」が9月15日まで開催されている。
小湊鉄道は、1925年、沿線住民1000人が株主となって開業した、千葉県市原市五井駅から内陸部の上総中野駅までの39.1キロメートルを縦断するローカル鉄道だ。沿線には高滝湖、チバニアン、養老渓谷等の観光スポットもあり、2025年に開業100周年を迎える。いっぽうで過疎化に伴い、経営的な困難に直面しており、芸術祭「いちはらアート×ミックス」でも同鉄道の活性化を目指したプロジェクトが展開されてきた。
本展は小湊鉄道の歴史や魅力をアートによって照らし出し、発信するもの。会場では中﨑透、青山悟、クワクボリョウタ、中野裕介/パラモデル、かこさとしの5組の作家が作品を展示している。
会期:2025年4月26日〜9月15日
会場:市原湖畔美術館
住所:市原市不入75-1
開館時間:10:00 〜17:00(土・祝前日 9:30 〜 19:00、日・祝日 9:30〜18:00)
休館日:月(祝日の場合は翌平日)
料金:一般 1000円 / 大学・高校生 800円 / 中学生以下無料
「ジャネット・カーディフ 40声のモテット」(金沢21世紀美術館)

金沢にある21世紀美術館で、同館コレクション作家ジャネット・カーディフによる作品《40声のモテット》が9月15日に閉幕する。レポート記事はこちら。
この作品は、16世紀イングランドの作曲家トマス・タリスの「40声のモテット」(Spem in Alium)をもとにしており、40台のスピーカーから再生される聖歌隊の40人の声が、空間を彫刻のように構築するサウンドインスタレーションだ。楕円形に配置されたスピーカー1台ごとに個々の声が響き、重層的に音が重なりあうことで、まるでその場に40人の合唱が生まれるかのような臨場感を生み出すものとなる。
会期:2025年5月24日〜9月15日
会場:21世紀美術館
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800
開館時間:10:00〜18:00(金土〜20:00)
料金:無料
「モネ 睡蓮のとき」(豊田市美術館)

マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet
国立西洋美術館と京都市京セラ美術館で開催された「モネ-睡蓮のとき」が、愛知にある豊田市美術館で巡回開催されている。会期は9月15日まで。
本展は、印象派を代表する画家、クロード・モネ晩年の制作に焦点をあてたもの。会場には世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含むおよそ50点が来日する。日本国内に所蔵される作品も加え、モネの晩年の創作の頂点に立つ「睡蓮」シリーズが一堂に会する、日本でも最大規模の展示となっている。
会期:2025年6月21日~9月15日
会場:豊田市美術館
住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1
開館時間:10:00~17:30 ※入館は閉館の30分前まで
料金:大人 2300円 / 大学生 1400円 / 高校生以下 無料
「記憶と物 ―モニュメント・ミュージアム・アーカイブ―」(広島市現代美術館)

広島にある広島市現代美術館で、特別展「被爆80周年記念 記憶と物 ―モニュメント・ミュージアム・アーカイブ―」が9月15日まで開催されている。レポート記事はこちら。
本展は、戦争や原爆の記憶と美術表現との関係をテーマとし、戦中の銅像やそのつくり手、戦後に再建された像の例から、それらが関係した記憶の形成、忘却、再構成について思考を巡らせるもの。また、モニュメント、ミュージアム、アーカイヴといった記憶形成にかかわる物や活動に関心を持ち、主題として取り扱うアーティストによる近年の試みや、「ヒロシマ」をテーマとした同館のコレクションもあわせて展示されている。
会期:2025年6月21日~ 9月15日
会場:広島市現代美術館 B展示室
住所:広島県広島市南区比治山公園1-1
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生・65歳以上800円 / 中学生以下 無料
今週開幕
「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」(東京国立博物館)

東京国立博物館 本館特別5室にて、特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」が開幕した。レポート記事はこちら。
興福寺北円堂は、奈良時代の高官・藤原不比等の一周忌追善供養のため、元明・元正天皇の発願によって721年に建立されたと伝わる。平城京の造営を推進した不比等の霊を慰める場として、都を一望できる伽藍西北隅の一等地に建てられた。その後、幾度もの戦火や災害によって焼失し、現在の建物は鎌倉時代の1210年頃に再建されたもので、現存する興福寺堂宇のなかでは最古の建築である。建築様式は奈良時代の特徴を伝える和様建築の傑作であり、日本に現存する八角円堂のなかでももっとも優美と賞賛されている。
本展では、北円堂の本尊である弥勒如来坐像と、両脇に控える無著・世親菩薩立像、さらに北円堂に安置されていた可能性の高い四天王像の計7軀の国宝仏を、ひとつの空間に集結。とくに弥勒如来坐像の寺外公開は約60年ぶりであり、修理後としては初の公開となる。
会期:2025年9月9日~11月30日
会場:東京国立博物館 本館特別5室
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:9月29日、10月6日、10月14日、10月20日、10月27日、11月4日、11月10日、11月17日、11月25日
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京都美術館)

東京都美術館で「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」が9月12日に開幕する。
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜90)の画業を支え、その大部分の作品を保管していた弟テオ。テオの死後、その妻ヨーは膨大なコレクションを管理し、義兄の作品を世に出すことに人生を捧げる。テオとヨーの息子フィンセント・ウィレムは、コレクションを散逸させないためにフィンセント・ファン・ゴッホ財団を設立し、美術館の開館に尽力した。
本展は、ファン・ゴッホ家が受け継いできたファミリー・コレクションに焦点を当てた展覧会。ファン・ゴッホ美術館の作品を中心に、ゴッホの作品30点以上に加え、日本初公開となるゴッホの貴重な手紙4通なども展示されるという。現在のファン・ゴッホ美術館の活動も紹介しながら、本展を通じて、家族の受け継いできた画家の作品と夢をさらに後世へ伝えることを試みる。
会期:2025年9月12日〜12月21日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9:30〜17:30(金~20:00) ※入室は閉室30分前まで
休館日:月(ただし、9月15日、9月22日、10月13日、11月3日、11月24日は開室)、9月16日、10月14日、11月4日、11月25日
料金:一般 2300円 / 大学生・専門学校生 1300円 / 65歳以上 1600円 / 18歳以下、高校生以下 無料
※土日祝、12月16日以降は日時指定予約制
「幕末土佐の天才絵師 絵金」(サントリー美術館)

東京・六本木のサントリー美術館で、幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風を残した絵金(1812〜76)の作品を取り上げる展覧会「幕末土佐の天才絵師 絵金」が9月10日から開催されている。
土佐の絵師・金蔵(通称:絵金)は高知城下・新市町(現・はりまや町)の髪結いの子として生まれた。幼少時より画才のあった金蔵は、同じ町内の南画家や土佐藩御用絵師に絵を学び、18歳のとき、土佐藩主の息女・徳姫の駕籠かきの名目で江戸にのぼる。駿河台狩野派の土佐藩御用絵師・前村洞和(まえむらとうわ)の下で3年間修業し、帰郷後は土佐藩家老の御用絵師となるも、その後、理由は定かでないが城下を追放され、中年以降いつどこで制作していたのか不明となっている。しかし、墓碑銘によると、金蔵から絵の手ほどきを受けた者は数百人にものぼるようだ。明治9年(1876)に亡くなった後も、歌舞伎や浄瑠璃のストーリーを極彩色で絵画化した「芝居絵屏風」や「絵馬提灯」は数多く現存しており、現在でも地元の高知では「絵金さん」の愛称で長年親しまれているのだという。
1966年に雑誌『太陽』で特集されたことを契機に、小説・舞台・映画の題材として取り上げられたものの、普段はその多くが神社や自治会などに分蔵されている。本展は、絵金による作品をまとめて鑑賞できる貴重な機会となっている。
会期:2025年9月10日〜11月3日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
電話番号:03-3479-8600
開館時間:10:00〜18:00(金および11月1日、2日は〜20:00、9月26日、27日は六本木アートナイトのため〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:火(ただし、9月23日、10月28日は開館)
料金:一般1800円 / 大学生1200円 / 高校生1000円 / 中学生以下無料
「Detour Tokyo」(21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3)

21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3で、モレスキン財団(Moleskine Foundation)主催による展覧会「Detour Tokyo」が始まった。
「Detour」は、同財団が所蔵する1600冊を超えるノートブックアートのなかから、その土地の文脈にあわせて厳選された作品を展示する巡回展。 展示されるノートブックは、世界的に著名なアーティスト、建築家、映画監督、デザイナー、ミュージシャン、作家に加え、世界各地の学生や文化団体、若手クリエイターから寄贈されたものであり、多様な視点と表現がひとつの空間に集結している。
これまでにロンドン、上海、パリ、ニューヨーク、ミラノを巡り、今回は2025大阪・関西万博と21_21 DESIGN SIGHTに上陸。キュレーターに長谷川祐子とSKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)を迎え、ジャンルを超えた多数の日本人アーティストが参加するものとなる。
会期:2025年9月10日〜23日
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
電話番号:03-3475-2121
開館時間:10:00〜19:00
休館日:火
料金:無料
「ルーシー・リー展 ー東西をつなぐ優美のうつわー」(国立工芸館)

石川・金沢にある国立工芸館で、20世紀を代表するイギリスの陶芸家、ルーシー・リー(1902〜1995)の10年ぶりの大回顧展が始まった。レポート記事はこちら。
ルーシー・リーは、オーストリア・ウィーン生まれの陶芸家。ウィーン工業美術学校で轆轤(ろくろ)に出会い魅了され、陶芸の道へ進む。作家としての地位を確立しながらも、1938年に亡命を余儀なくされたのち、作陶の場をイギリス・ロンドンへ移した。日本では、89年の草月会館での展覧会で紹介されてから人気を博し、以降ファッション誌やライフスタイル誌でも定期的に取り上げられている。
10年ぶりの大回顧展となる本展は、国立工芸館に寄託された井内コレクションの作品が中心となり紹介。ルーシーが出会った人、もの、場所、そして時代背景を交えながら、その作品を全4章で紐解く構成となっている。
会期:2025年9月9日〜11月24日
会場:国立工芸館
住所: 石川県金沢市出羽町3-2
電話番号:080-5541-8600
開館時間:9:30〜17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、9月15日、10月13日、11月3日、24日は開館)、9月16日、10月14日、11月4日
料金:一般 1200円 / 大学生 800円 / 高校生 500円 / 中学生以下・障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)無料
「諏訪敦|きみはうつくしい」(WHAT MUSEUM)

寺田倉庫が運営する「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」で、画家・諏訪敦にとって約3年ぶりとなる大規模個展「諏訪敦|きみはうつくしい」が9月11日にスタートした。
本展は、約80点を展示することで諏訪の現在に至るまでの制作活動の変遷を多角的に紹介するもの。うち約30点は、本展のために制作した静物画をはじめとする初公開作品だ。展示構成はキュレーターの宮本武典が担当する。
会期:2025年9月11日~2026年3月1日
会場:WHAT MUSEUM
住所:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号
開館時間:11:00~18:00 ※最終入館は17:00
休館日:月(ただし、2026年1月5日は開館し、祝日の場合は翌日休館)、年末年始(2025年12月29日~26年1月3日)
料金:一般 1500円 / 大学・専門学校生 800円 / 高校生以下無料
「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」(CREATIVE MUSEUM TOKYO)

CREATIVE MUSEUM TOKYOで「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」が9月13日から開催される。
本展は、浦上コレクションの『北斎漫画』全15編をはじめ、多彩な読本の挿絵、『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』、自らを「画狂人」と称した晩年の傑作『富嶽百景』全3編・102図、さらには初公開となる幻の肉筆画16図など、総数300点超の作品を紹介。「集中線」「ギャグ描写」「アニメ原画」など、現代のマンガやアニメにも通じる表現に着目した新しい展示演出で、200年前の「北斎のしわざ」を展覧する。
会期:2025年9月13日~11月30日
会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO
住所:東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 6階
開館時間:10:00~18:00(金土・祝前日は〜20:00)※最終入場は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般・大学・専門学生 2300円 / 高校生・中学生 1800円 / 小学生 1200円
「国際芸術祭『あいち2025』灰と薔薇のあいまに」(愛知県内各所)

国際芸術祭「あいち 2025」が9月13日〜11月30日の79日間で開催される。
同芸術祭では、昨年の『ArtReview』によるアート界の影響力ランキング「Power 100」で1位に選出されたフール・アル・カシミが芸術監督を務め、「灰と薔薇のあいまに」というテーマのもと、世界中から集められたアーティストたちが、私たちが生きる環境について、様々な視点で物語を表現する予定となっている。主な会場となるのは、愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなかなど。
また、会期中には「ポップ・アップ!」という巡回展示が県内の4つの市町で開催され、参加アーティストのうち15組程度が作品を展示する。入場は無料で、豊田市(豊田市民芸館)、設楽町(旧設楽町立田峯小学校)、大府市(大府市歴史民俗資料館、大府市役所)、豊川市(豊川市桜ケ丘ミュージアム)の各会場で開催される。
会期:2025年9月13日〜11月30日
会場:愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市内各所
「GO FOR KOGEI 2025」(富山県富山市、石川県金沢市)

工芸をテーマに現代美術の領域拡大を目指すフェア「GO FOR KOGEI 2025」が、9月13日から金沢市と富山市で開催される。
「GO FOR KOGEI」は、ものづくりが古くから受け継がれる北陸から、ジャンルにとらわれない新たな工芸の見方を発信するプロジェクトだ。2020年より毎年開催されており、5年目となる今年のテーマは「工芸的なるもの」。作家や職人が素材・技法と向き合う態度から生まれる様々な実践を通して、それらがつくり出す多様な暮らしの姿を提案するものとなる。
また、会期中には、地域の歴史・風土を体現する町並みや社寺を会場にした展覧会やイベントのほか、工芸を巡る今日的な課題と可能性について議論を深めるシンポジウムなどが展開される予定だ。
会期:2025年9月13日〜10月19日
会場:富山県富山市(岩瀬エリア)、石川県金沢市(東山エリア)
開館時間:10:00〜16:30 ※最終入場は16:00
休場日:水
料金:一般 2500円 / 学生 2000円 / 高校生以下無料
特別展示・調査報告「再考《少女と白鳥》 贋作を持つ美術館で贋作について考える」(高知県立美術館)

贋作と認定された高知県立美術館所蔵のドイツ人画家、ハインリヒ・カンペンドンクによる油彩画《少女と白鳥》。同作を、収蔵の経緯や科学分析の内容とともに紹介し、作品の真贋を再考する特別展示・調査報告「再考《少女と白鳥》 贋作を持つ美術館で贋作について考える」が9月13日から開催される。
2024年、同館が所蔵する《少女と白鳥》に贋作疑惑が浮上。その後、同館は京都大学准教授・田口かおりと協力して科学分析調査を行い、来歴や証拠資料などを含めて総合的に検討した結果、今年3月に贋作だと判断した。
同展では、田口を監修に迎え、贋作を公開しながら、購入・収蔵の経緯や実施した科学分析の内容もあわせて紹介することで、様々な角度から作品の真贋について「再考」する機会をつくり出すことを試みるという。
会期:[第1期]2025年9月13日~25日、[第2期]10月4日~19日
会場:高知県立美術館 展示室 A
住所:高知県高知市高須353-2
電話番号:088-866-8000
開館時間:9:00〜17:00 (ただし10月4日は〜19:00) ※入場は閉場の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 400円 / 大学生 280円 / 高校生以下・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳及び被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)、高知県及び高知市の長寿手帳所持者は無料
「Tokyo Gendai 2025」(パシフィコ横浜)

第3回目となる国際アートフェア「Tokyo Gendai」が、9月12日から14日までの3日間、パシフィコ横浜にて開催されている。
Tokyo Gendaiは、現代美術を軸に、日本国内外の著名ギャラリーやアーティスト、アート関係者が一堂に会する国際的なアートフェアであり、日本と世界を結ぶアートマーケットのハブとして注目を集めてきた。
今年は、計65のギャラリーが参加を予定しており、展示は「Galleries」「Hana ‘Flower’」「Eda ‘Branch’」という3つの主要セクターに分かれる。国際的に高く評価される作家から新進気鋭のアーティストまで、コンテンポラリーアートの多様な潮流を紹介する構成となっている。
会期:2025年9月12日〜14日
会場:横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1
「TENNOZ ART WEEK 2025」(寺田倉庫G3-6Fおよび周辺施設)

寺田倉庫G3-6Fおよび周辺施設で、「TENNOZ ART WEEK 2025」が9月11日~15日に開催される。
TENNOZ ART WEEKは、アートシティ天王洲に国際水準のアートコンテンツを誘致し、国内外のアート関係者が集う場を創出することで、日本と海外のアートシーンをつなぎ、国際文化観光の活性化を目指すイベント。3回目の開催となる今回は、ナイル・ケティングによる倉庫空間に着想を得たパフォーマティヴ・インスタレーション、諏訪敦の約3年ぶりとなる大規模個展、複数ギャラリーによるグループ展、伝統画材を使ったワークショップなど、多彩なプログラムを寺田倉庫の全6施設で展開する。ジャンルや世代を超えた作品を通じて、現代アートの「いま」を広く紹介する。
会期:2025年9月11日~15日
会場:寺田倉庫G3-6Fおよび周辺施設
住所:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号