「ピクチャレスク陶芸 アートを楽しむやきもの ―『民藝』から現代まで」(パナソニック汐留美術館)開幕レポート
パナソニック汐留美術館で「ピクチャレスク陶芸 アートを楽しむやきもの ―『民藝』から現代まで」が始まった。

近現代の陶芸をテーマとした企画展を継続して開催してきたパナソニック汐留美術館。同館で、「ピクチャレスク陶芸 アートを楽しむやきもの ―『民藝』から現代まで」が始まった。担当学芸員は川北裕子。

同展は、陶芸と絵画的表現の交差に焦点をあて、アートとしての魅力を探ろうとするもの。タイトルにある「ピクチャレスク」とは、「絵画的な」「絵画のように美しい」といった意味を表す美術用語。18世紀イギリスでは庭園や景観の美を示す言葉として用いられ、建築や造形の分野において、新時代の美意識を導いた概念ともされている。今回の展示では、絵付けされた陶器にとどまらず、平面と立体がダイナミックに融合した形態や、メディアを越境して表現を更新していくような造形のあり方にも注目する。
本展では、各々の作品の色や形、モチーフから、時にジャンルを横断して創作に挑む作者の思考や芸術観を紡ぎ出すことを試みる。会場には随所に絵画がシンボリックに展示され、絵画も三次元的な物質であることを示し、新しい共演の形を示す。
展示は「絵画と交差する陶芸」「陶に描くこと」「色彩のめざめ」「マチエールのちから」「かたちの模索」「うつわの表象」「モチーフを探す」「往還する平面と立体」「焼成と形象」で構成。1960年代から80年代生まれのアーティスト約50名による約120作品が並ぶ。