2025.7.18

三連休に見たい展覧会ベスト21。岡﨑乾二郎の個展から東博の「江戸☆大奥」、大阪中之島美術館のルイ・ヴィトンまで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

ルイ・ヴィトン「ビジョナリー・ジャーニー」展示風景より 撮影=編集部
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もうすぐ閉幕

奈良原一高「消滅した時間」(タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム

奈良原一高 「消滅した時間」より「二つのごみ罐、ニューメキシコ」 1972 / 1973
ゼラチン・シルバー・プリント 33.3 × 49.4 cm ©Narahara Ikko Archives

 タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルムで、奈良原一高による個展「消滅した時間」が7月19日まで開催中だ。

 本展では、1970年から74年にかけて滞在したアメリカを独自の巨視的な眼差しでとらえ、帰国後の1975年に写真集として結実した同名のシリーズより15点のヴィンテージプリントが展示されている。

会期:2025年6月12日〜7月19日
会場:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム
住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル2階
電話番号:03-6432-9212 
開館時間:12:00〜19:00
休館日:日月祝 
料金:無料

「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」(東京都現代美術館

展示風景より 撮影=編集部

 岡﨑乾二郎による東京初の大規模個展「而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」が、東京都現代美術館で7月21日まで開催されている。

 タイトルにある「而今而後」とは孔子の論語からとられたもの。「いまから後、その先も」という意味だ。岡﨑は2021年、脳梗塞で倒れ、リハビリを経験した。その後遺症で右半身が麻痺しているが、これは造形作家としての大きな「転回」にもなったという。「而今而後」と名打たれた本展は、この「転回」前の作品を広く見通しつつ、「転回」後である2022年以降に制作された新作を展覧するものだ。会場レポートはこちら

会期:2025年4月29日~7月21日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00 ※展示室入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、7月21日は開館)
観覧料:一般 2000円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 1400円 / 中高生 800円 / 小学生以下 無料

「鰭崎英朋」(太田記念美術館

展示風景より、手前は柳川春葉『誓』後編の口絵(1917)

 明治後期から昭和にかけて活躍し、「最後の浮世絵師」と称される絵師・鰭崎英朋(ひれざき・えいほう、1880~1968)。東京・神宮前の太田記念美術館で開催中のその個展が7月21日に閉幕する。

 英朋は1897年(17歳)に浮世絵師・月岡芳年の門人である右田年英に入門。1902年(22歳)に尾崎紅葉の推薦により、春陽堂の編集局に入社。春陽堂から刊行された文芸雑誌の挿絵や口絵、あるいは小説の単行本の口絵を手がけ、泉鏡花や柳川春葉たちの物語の世界を華やかに彩った。

 浮世絵版画が大衆の暮らしとともにあった最後の時代に英朋はどのような活躍をしたのか。本展は前後期(全点展示替え)計187点の作品によって、この「知られざる絵師」にスポットを当てるものとなっている。会場レポートはこちら

会期:[前期]2025年5月31日~6月25日、[後期]6月28日~7月21日
会場:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:30~17:30 ※入館は閉館の30分前まで 
料金:一般 1200円 / 大学・高校生 800円 / 中学生(15歳)以下 無料

「黒の芸術 グーテンベルクとドイツ出版印刷文化」(印刷博物館)

メインヴィジュアル

 印刷博物館で「黒の芸術 グーテンベルクとドイツ出版印刷文化」が7月21日まで開催されている。

 本展では、今日産業の領域で過去のものとみなされている活版印刷術と活字書体が国の文化形成に大きく影響を与えてきた様子を、その技術を生み、誇りとして現代に継承するドイツを通じて振り返るとともに、グーテンベルクの功績にせまるものとなっている。

会期:2025年4月26日〜7月21日
会場:印刷博物館
住所:東京都文京区水道1-3-3 トッパン小石川ビル
電話番号:03-5840-2300 
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで 
休館日:月 
料金:一般 1000円 / 学生 500円 / 高校生 300円 / 中学生以下、70歳以上、障がい者手帳等をお持ちの方および付添の方 無料

アートワーカー(企画者)向けプログラム「CRAWL」選出企画「サテライト・コール・シアター」(BUG

メインヴィジュアル

 東京・八重洲のアートセンターBUGで「サテライト・コール・シアター」が開催されている。

 サテライト・コール・シアターは、都市に仮設された擬似的な劇場を指し、そこにあるコールセンターの舞台セットでは、「家でのケア」に関する物語が上演されている。「家」でのケアに従事する「ホーム・ケアリスト」(*1)たちは、約3ヶ月間「ナラティブパートナー」(*2)との対話を重ね、自身のケアの物語を執筆してきた。

 会期中、会場であるコールセンターには、ホーム・ケアリストそれぞれの「家」から電話がかかり、様々なモノローグが交差する「サテライト・コール・シアター」が立ち現れる。ケアという行為に不確実性が満ちているように、電話がいつかかってくるかはわからない。電話が鳴ったら、コールセンターの臨時職員としてホーム・ケアリストの「物語」や「見えない痛み」の声=台詞に耳を傾けてみてほしい。

*1──本企画では「家」でのケアに従事している人々を意味する「ホーム・ケアリスト」という新たな言葉を提案。家でのケアには、それぞれの家の独自のルールと専門性がある。社会ではなかなか垣間見ることができない、家でのケアのスペシャリストとして、全国から個々の物語を紡ぐ。
*2──ホーム・ケアリストたちのテキスト執筆過程に「傾聴」と「対話」を通して寄り添う「伴走者」を指す。様々な現場で「他者を想像する」プロフェッショナルの人々が、ホーム・ケアリストたちの自発的な創作をサポートする。

会期:2025年7月4日〜21日
会場:BUG
住所:東京都千代田区丸の内1-9-2  グラントウキョウサウスタワー1階 
開館時間:11:00〜19:00 
休館日:火 
料金:無料

「ウサギノネドコの世界」(国立新美術館内 SFT GALLERY)

ウサギノネドコ

 国立新美術館のスーベニアフロムトーキョーで開催中の「ウサギノネドコの世界」み7月21日までの会期となっている。

 クリエイティブディレクター・吉村紘一が代表をつとめる株式会社ウサギノネドコ。オリジナルプロダクトとして「Sola cube」「Sola tile」「プリズム」などがある。本拠地の京都では、自然物を中心に個性的な商品が揃う「ミセ」、1日1組限定の「ヤド」、オリジナルの鉱物スイーツが楽しめる「カフェ」を運営。京都に続く2号店の東京店では「自然の造形美を伝える」をコンセプトとし、オリジナルプロダクツのほか、京都店とは異なる品揃えを展開している。

 本展では、ウサギノネドコが20年にわたって手がけてきたプロダクトを一堂に集め、展示・販売している。ウサギノネドコならではの視点と手法で引き立てられた植物、鉱物、動物などの自然物の魅力を堪能してほしい。

会期:2025年5月21日〜7月21日
会場:国立新美術館内 SFT GALLERY
住所:東京都港区六本木7-22-2 B1階
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00〜18:00(企画展開催中のみ金土〜20:00) 
休館日:火
料金:無料

「NEW Days」(Art Center NEW)

施設外観

 6月1日、みなとみらい線新高島駅地下一階に、新たな芸術複合施設「Art Center NEW」がオープン。同施設では、現代アートの展覧会をはじめ、アートフェスティバル、オルタナティブスペースが集まるプラットフォーム、アートスクールやワークショップなど、芸術や文化に関する様々な取り組みが展開されていくという。

 7月20日まで開催中のオープン記念展覧会「NEW Days」は、若手からベテランまで幅広い年代のアーティスト8名による展示となっている。展示タイトルにある「NEW Days」をそれぞれが解釈し、多様な表現方法によって制作された作品が会場には展示されている。レポートはこちら

会期:2025年6月1日~7月20日
会場:Art Center NEW
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい 5-1 新高島駅地下 1階
開館時間:12:00~20:00
休館日:水木
料金:一般1000円 / 大学生800円 / 高校生以下無料

「安藤忠雄展|青春」(VS.)

インスタレーション「水の教会」展示風景より

 独学で建築を学び、1969年より建築設計活動をスタートさせた建築家・安藤忠雄(1941〜)。その個展「安藤忠雄展|青春」が、“文化装置”「VS.(ヴイエス)」で7月21日まで開催されている。

 安藤が現在も拠点とする大阪で開催される本展のテーマは「青春を生きる」。2017年に東京・国立新美術館で30万人を動員した「安藤忠雄展|挑戦」に続く大規模個展であり、安藤の壮大な挑戦の軌跡から、現在、そして未来へのビジョンまでを集約し、そのプロジェクトの全貌を総覧することができるものとなっている。会場レポートはこちら

会期:2025年3月20日〜7月21日
会場:VS.(グラングリーン大阪内) 
開館時間:10:00〜18:00(金土祝前日〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は開館)
料金: 一般 1800円 / 大学生 1500円 / 高校生 1000円

「弓指寛治 4年2組」(銀座 蔦屋書店 FOAM CONTEMPORARY

「こおりおに」 840×594×30mm 撮影=DUSTBUNNY

 銀座 蔦屋書店内のFOAM CONTEMPORARYで開催中の弓指寛治による「4年2組」展が7月23日に閉幕する。

 本展では、東京アートポイント計画「多摩の未来の地勢図」の一環として実施されている、学校連携プログラム「アーティストが学校にやってきた」を通じて、弓指が実際に昭島市立光華小学校4年2組のクラスメイトとして通学しながら制作した新作群が発表される。

会期:2025年6月28日~7月23日
会場:銀座 蔦屋書店 FOAM CONTEMPORARY
住所:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F 
開館時間:11:00〜19:00(ただし最終日は〜18:00)
休館日:月
料金:入場無料

今週開幕

ルイ・ヴィトン「ビジョナリー・ジャーニー」展(大阪中之島美術館

展示風景より

 大阪中之島美術館で「ビジョナリー・ジャーニー」展が開幕した。

 ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が麹町に特設会場を設け、大規模展覧会「Volez, Voguez, Voyagez – Louis Vuitton(空へ、海へ、彼方へ──旅するルイ・ヴィトン)」展を開催したのが2016年。以降、日本では「LOUIS VUITTON &」(2021)、「SEE LV」(2022)といった展覧会を開催してきた。

 今回の展覧会は、これまでのルイ・ヴィトン展を遥かに超える大規模なものだ。会場では、日本という文化的背景を通して再解釈されたルイ・ヴィトンの歴史と創造性を紹介しており、会場デザインは建築家でOMAパートナーの重松象平、キュレーションは美術史家・キュレーターのフロランス・ミュラーが担当。メゾンが長年にわたり所蔵してきたアーカイヴから厳選された歴史的アイテムや資料、貴重なオブジェなど、総数1000点を超える展示品が11のセクションに並んでいる。会場レポートはこちら

会期:2025年7月15日〜9月17日
会場:大阪中之島美術館 5階展示室
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
電話番号:06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)
開館時間:10:00〜17:00(金土祝前〜19:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(7月21日、8月11日、9月15日は開館)、7月22日
料金:一般 2000円 / 大学・専門学校生 1500円 / 高校生以下無料(要事前申込)※日時指定制

「大正イマジュリィの世界 デザインとイラストレーションの青春 1900s-1930s」展(SOMPO美術館

展示風景より

 明治末期から昭和初期にかけての日本は、印刷技術の飛躍的な進歩とともに、グラフィックデザインやイラストレーションの分野において豊かな視覚文化を育んだ時代である。その魅力を多角的に紐解く意欲的な展覧会「大正イマジュリィの世界 デザインとイラストレーションの青春 1900s―1930s」が、東京・新宿のSOMPO美術館で開幕した。会期は8月31日まで。

 本展は、2010年に渋谷区立松濤美術館で開催された展覧会を起点とし、全国を巡回してきたシリーズの最新形となる。監修を務めたのは、書物と刷物をこよなく愛し、文学・美術・音楽を横断する近代の表現世界を探究し続けた故・山田俊幸。担当学芸員は、SOMPO美術館 上席学芸員の中島啓子が務める。会場レポートはこちら

会期:2025年7月12日〜8月31日
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00〜18:00(金〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、7月21日、8月11日は開館)、7月22日、8月12日
料金:一般1500円 / 25歳以下 1100円 / 小中高生・障がい者手帳をお持ちの方は無料

「三島由紀夫生誕100年=昭和100年 『豊饒の海』 永劫回帰に横たわる虚無展」(GYRE GALLERY

展示風景より

 三島由紀夫の生誕100年、そして昭和100年という節目を迎える2025年。その記念企画として、表参道のGYRE GALLERYで「三島由紀夫生誕100年=昭和100年 『豊饒の海』 永劫回帰に横たわる虚無展」開幕した。会期は9月25日まで。

 本展は、三島由紀夫の遺作である小説四部作『豊饒の海』を中心テーマとし、戦後日本美術における空虚と再生を多角的に見つめ直す試みである。企画を手がけたのは、スクールデレック芸術社会学研究所所長の飯田高誉。参加アーティストには、中西夏之杉本博司アニッシュ・カプーア、池田謙、森万里子、平野啓一郎、友沢こたおが名を連ねている。会場レポートはこちら

会期:2025年7月15日~9月25日
会場:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3階
電話番号:0570-05-6990(ナビダイヤル、11:00〜18:00)
開館時間:11:00~20:00
休館日:8月18日
料金:無料

草間彌生「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」(エスパス ルイ・ヴィトン大阪)

エスパス ルイ・ヴィトン大阪での展示風景より、草間彌生《無限の鏡の間― ファルスの原野(またはフロアーショー)》(1965/2013) Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris Photo credits: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

 大阪・関西万博が開催中の同地で、エスパス ルイ・ヴィトン大阪による草間彌生の展覧会「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」がスタートした。

 本展は、東京、ミュンヘン、ヴェネチア、北京、ソウル、大阪の6都市に設けられた「エスパス ルイ・ヴィトン」で展開される国際的なプロジェクト「Hors-les-murs(壁を越えて)」の一環として開催されるもので、同プロジェクトで日本人が紹介されるのはこれが初となる。会場レポートはこちら

会期:2025年7月16日〜2026年1月12日
会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
住所:大阪市中央区心斎橋筋 2-8-16 ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋 5F
電話番号:0120-00-1854
開館時間:12:00〜20:00
休館日:ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準ずる
料金:無料

「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」(森アーツセンターギャラリー

展示風景より

 東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで、「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」が開幕した。会期は9月17日まで。

 本展は、フィンランド・ヘルシンキ市立美術館(HAM)の全面的な協力のもと、「ムーミン」小説の出版80周年を記念して企画されたもの。原画やスケッチ、油彩画、愛用品など約300点を通して、「ムーミン」の生みの親であり、多彩な芸術家でもあったトーベ・ヤンソン(1914〜2001)の創作の軌跡と、その豊かな世界観をたどる構成となっている。会場レポートはこちら

会期:2025年7月16日~9月17日
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(金土・祝前日〜20:00)※入館は閉館30分前まで
休館日:会期中無休
料金:平日:一般、大学・専門学生 2300円 / 高校・中学生 1500円 / 小学生 800円
土日祝:一般、大学・専門学生 2500円 / 高校・中学生 1600円 / 小学生 900円
※土日祝、8月12日~8月15日、9月16日~9月17日は日時指定予約制
※いずれも未就学児は無料

「大どろぼうの家」(PLAY! MUSEUM

「大どろぼうの家」ティザービジュアル ©Maiko Dake

 東京・立川にあるPLAY! MUSEUMで、夏休みの期間にあわせて、来場者が「大どろぼう」の家に忍び込むという設定で展開される「大どろぼうの家」展がスタートした。会期は9月28日まで。

 本展は、最後の盗みに出て留守中の、有名な「⼤どろぼう」の家に、来場者が忍び込むという没⼊体験型の企画となっている。展示室は、回廊、応接室、隠し部屋など8つの部屋に分けられ、古今東西で描かれてきた「どろぼう」を多角的に紐解く構成となる。

会期:2025年7⽉16⽇〜9⽉28⽇
会場:PLAY! MUSEUM
住所:東京都⽴川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟 2F
電話番号:042-518-9625 
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで 
休館日:会期中無休 
料金:⼀般1800円 / ⼤学⽣1200円 / ⾼校⽣1000円 / 中学⽣600円 / ⼩学⽣600円

特別展「江戸☆大奥」(東京国立博物館

『千代田の大奥』より「千代田大奥 御花見」 楊洲周延筆 明治27年(1894) 東京国立博物館蔵 ※会期中、展示替えあり

 東京・上野の東京国立博物館 平成館で、江戸時代に築かれた「大奥」を紐解く特別展「江戸☆大奥」が開催される。会期は7月19日~9月21日。

 本展は全4章構成となる。NHKドラマ10「大奥」で用いられた衣装や「御鈴廊下」のセットを再現するいっぽう、実際にあった江戸時代における大奥の見取り図を表す絵図、武家女性の衣装なども展示され、ドラマや映画の世界と実際の大奥を比較しながら理解を深められる機会となる。

会期:2025年7月19日~9月21日
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:9:30~17:00(金土、7月20日、8月10日、9月14日は~20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、7月21日、8月11日、9月15日は開館)、7月22日
料金:一般 2100円 / 大学生 1300円 / 高校生 900円 / 中学生以下、障がい者とその介護者1名は無料

「野口哲哉 鎧を着て見る夢 –ARMOURED DREAMER–」(彫刻の森美術館

floating man ミクストメディア 2025 Photo:⻑橋睦

 神奈川・箱根の彫刻の森美術館で、現代の新しい創作表現を紹介するシリーズの第9回として「野口哲哉 鎧を着て見る夢 –ARMOURED DREAMER–」が開催される。会期は7月19日~2026年1月12日。

 本展では、野口の3年ぶりの大型個展となり、新作を含む初期からの代表作など約75点が公開される。1969年の開館当初の姿をとどめる「彫刻の森美術館 本館ギャラリー」の特性を生かした展示となり、全3つの展示室を回遊する展示構成となる。また同館ならではの野外に広がる森と連動するような構成も見どころのひとつとなるだろう。

会期:2025年7月19日~2026年1月12日
会場:彫刻の森美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
電話番号:0460-82-1161 
開館時間:9:00〜17:00 ※⼊館は閉館の30分前まで
休館日:年中無休
料金:大人 2000円 / 大学・高校生 1600円 / 中学生・小学生 800円 / 未就学児 無料

ギャラリー展「戦後80年-戦争とハンセン病」(国立ハンセン病資料館1階ギャラリー)

本展のチラシ 掲載は「義足」 年代不明 国立ハンセン病資料館

 東京・東村山にある国立ハンセン病資料館で、ギャラリー展「戦後80年-戦争とハンセン病」が開催される。会期は7月19日~8月31日。担当学芸員は吉國元(国立ハンセン病資料館 事業部事業課)。

 同館において初めて「戦争」というテーマを取り上げる本展では、「戦時下のハンセン病療養所」「日本植民地下の療養所」「沖縄戦」などに関連する資料を展示。展覧会を通じて、戦争がハンセン病患者の隔離を強化し、戦争が隔離下の被害をより深刻にしたという事実を浮き彫りにすることを試みるものとなる。加えて、従軍中にハンセン病を発症し、ハンセン病療養所への入所を余儀なくされたハンセン病回復者が、戦争と隔離というふたつの苦難を生き抜いてきた経験もたどっていくという。

会期:2025年7月19日~8月31日
会場:国立ハンセン病資料館1階ギャラリー 
住所:東京都東村山市青葉町4-1-13 
開館時間:9:30〜16:30 ※入場は16:00まで 
休館日:月(ただし、月が祝日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始、館内整理日
料金:無料

「日比野克彦 ひとり橋の上に立ってから、だれかと舟で繰り出すまで」(水戸芸術館現代美術ギャラリー

種は船・明後日丸 2007/2025 制作現場 2025 撮影:仲川あい

  茨城・水戸にある水戸芸術館現代美術ギャラリーで、60年以上の日比野克彦による活動の変遷をたどる「日比野克彦 ひとり橋の上に立ってから、だれかと舟で繰り出すまで」展が7月19日~10月5日の会期で開催される。

 本展では、幼い頃に遊んだ積み木の「色」、橋の上で実感した「ひとり」、自分らしい表現が開花した小中学生時代など、具体的な幼少期のエピソードを通じて日比野の創作の原点を知ることができるとともに、「手つき」や「振る舞い」という切り口から多様な活動を深堀り、通底する日比野の特性を浮かび上がらせる展示構成となる。

会期:2025年7月19日~10月5日
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
電話番号:029-227-8111
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで 
休館日:月(ただし、7月21日、8月11日、9月15日は開館)、7月22日、8月12日、9月16日
料金:一般 900 円 / 高校生以下・70歳以上・障害者手帳などをお持ちの方と付き添いの方1名 無料

「山本理顕展 コミュニティーと建築」(横須賀美術館

 神奈川・横須賀の横須賀美術館で「山本理顕展 コミュニティーと建築」が開催される。

 本展は開催館である横須賀美術館を手がけた建築家・山本理顕(1945〜)の50年にわたる設計活動を、およそ60点の模型や図面、スケッチ、ドローイングを通して紹介するものだ。

 山本理顕は、建築におけるパブリックとプライベートの境界を「閾(しきい)」と呼び、地域社会とのつながりを生む空間として重要視している。こうした思想を体現した建築は、そこに住む人々だけでなく、周辺のコミュニティー全体を豊かにできるものとして世界的な評価をあつめ、2024年には、建築界でもっとも栄誉あるプリツカー賞を受賞した。代表作のひとつである横須賀美術館を会場として行われる本展は、山本理顕の設計思想を総合的に紹介する、過去最大規模の展覧会となる。

会期:2025年7月19日〜11月3日
会場:横須賀美術館
住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1
電話番号:046-822-4000 
開館時間:10:00〜18:00 
休館日:8月4日、9月1日、10月6日
料金:一般 2000円 / 大学生・65歳以上 1000円 / 高校生 500円 / 中学生以下、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と付添者1名 無料 ※11月3日は無料

「上田義彦 いつも世界は遠く、」(神奈川県立近代美術館 葉山

上田義彦 at Home ・ Morie and Karen ・ Hayama 1996 ⒸYoshihiko Ueda

 写真家・上田義彦の公立美術館で約20年ぶりの展覧会「上田義彦 いつも世界は遠く、」が、神奈川県立近代美術館 葉山で開催される。会期は7月19日〜11月3日。

 上田はその活動の初期から、自然や都市の風景、著名人のポートレイト、広告写真など幅広い分野で活躍を続けてきた写真家だ。瞬間をとらえる感性と卓越した技術で、時代とともに変化する作風でありながら一貫して普遍的な美を作品に込め、国内外で高い評価を得てきた。

 公立美術館で約20年ぶりの展覧会となる本展では、代表作や未発表の初期作品から最新作まで、自ら現像とプリントを手がけた約500点を通じ、その40年の軌跡をたどる。

会期:2025年7月19日〜11月3日
会場:神奈川県立近代美術館 葉山
住所:神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
電話番号:046-875-2800
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで 
休館日:月(ただし、7月21日、8月11日、9月15日、10月13日、11月3日は開館) 
料金:一般 1200円 / 20歳未満・学生 1050円 / 65歳以上 600円 / 高校生 100円