隈研吾の新建築「荻外荘公園 展示棟」がオープン。荻窪の歴史・文化を伝える、人々の憩いの場所に
東京・荻窪駅から徒歩約15分にある荻外荘公園に、建築家・隈研吾による新たな施設「荻外荘公園 展示棟」が7月16日オープンした。

東京・荻窪の荻外荘公園に、建築家・隈研吾による新たな施設「荻外荘公園 展示棟」が7月16日オープンした。
荻外荘とは、1927年に大正天皇の侍医・入澤達吉の別邸として建築家・伊東忠太によって設計され、その後本邸として利用された。37年には入澤より譲り受けた政治家・近衞文麿が移り住み、「荻窪会談」など様々な政治の舞台ともなった場所だ。展示棟の設立は、2016年に荻外荘が国の史跡として指定されたことがきっかけとなっている。


建築的な特徴といえば、多角形の屋根だろう。同施設の完成後、隈は設計コンセプトについて次のように語っている。
屋根の形に特徴があります。なぜかというと、これは住宅のイメージで設計したものだからです。家の屋根は、その下に住む人の暮らしや文化とつながっている。荻外荘は平屋だけれど、屋根が高いですよね。(中略)
屋根は家の個性、さらに思想を表すものだと考えています。(中略)荻外荘「展示棟」は、敷地に合う形を考えたら自然に多角形の屋根になりました。
(「荻外荘公園 展示棟内覧会 配布資料」より一部抜粋)

2階の展示スペースでは、荻外荘や近衞文麿に関する資料のほか、実業家や政治家、文化人など様々な著名人が過ごした荻窪の文化についても紹介。こけら落としとして開催されているのは、特別展「近衞家 荻窪でのくらし」(7月16日~11月3日)と常設展「荻窪 実業家、政治家、芸術家たちがすごしたまち」だ。どちらも入場無料のため、ふらりと立ち寄るのもおすすめしたい。

