2026.9.4

マリア・カラスからビョーク、レディー・ガガまで。V&A企画の「ディーヴァ」展が国立新美術館で開催決定

ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が企画し、世界各地を巡回してきた展覧会「ディーヴァ」が国立新美術館で開催される。会期は2027年3月24日〜7月19日。約100名の歌手やパフォーマーを通して、19世紀から現代まで約200年にわたる「ディーヴァ」の歴史をたどる。

V&A のディーヴァ展の展示風景 © Victoria and Albert Museum, London
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 ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が企画・制作した展覧会「ディーヴァ(DIVA)」が、東京・六本木の国立新美術館で開催される。会期は2027年3月24日〜7月19日。

アジア唯一で巡回展の最後を飾る

 本展は2023年にV&Aで開幕。その後、世界5ヶ国を巡回してきたもので、東京はアジア唯一、そして巡回展最後の開催地となる。日本展独自の展示作品も加えられる予定だ。

展覧会ロゴ

 テーマとなる「ディーヴァ」は、もともと19世紀のオペラ界で圧倒的な歌唱力や存在感を持つ女性歌手を指して使われてきた言葉だ。本展では、その意味が舞台や映画、ポピュラー・ミュージックへと広がりながら変化してきた約200年の歴史を、ファッションや社会、ジェンダーなどの観点から検証する。

衣装や資料、約280点を展示

 会場には、V&Aの所蔵品や個人蔵の資料など約280点が集結。マリア・カラス、マリリン・モンロー、アデル、レディー・ガガ、エルトン・ジョン、リアーナ、ビョークらが実際に着用した衣装約60点をはじめ、写真、映像、雑誌、ポスター、LP、版画作品などを通して、約100名の歌手やパフォーマーを紹介する。

 展覧会は大きく2部で構成。第1幕「ディーヴァの誕生」では、19世紀のオペラ歌手から黄金期のハリウッドスター、20世紀の歌姫へと至る歴史を追いながら、「ディーヴァ」という言葉やイメージがどのように形成されてきたのかをたどる。サラ・ベルナール、イサドラ・ダンカン、マレーネ・ディートリッヒ、ジョセフィン・ベイカー、ジュディ・ガーランド、マリア・カラス、マリリン・モンローらが登場する。

『椿姫』でヴィオレッタ役を演じるマリア・カラス(1958) Houston Rogers © Victoria and Albert Museum, London

 第2幕「ディーヴァの再生・復活」は、1960年代の第2波フェミニズムや公民権運動以降の社会状況に焦点を当てる。ビリー・ホリデイ、ニーナ・シモン、アレサ・フランクリンから、フレディ・マーキュリー、エルトン・ジョン、プリンス、マドンナ、ビョーク、ビヨンセ、レディー・ガガ、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュまでを紹介。女性やクィアの歌手・パフォーマーたちが、自らの表現によって既存のジェンダー規範や人種をめぐる偏見にいかに挑んできたのかを浮かび上がらせる。

ドルリー・レーン王立劇場(ロンドン)のステージに立つグレイス・ジョーンズ(1981年10月10日) Photograph © David Corio

 たんなる音楽史やスターの衣装展にとどまらない点も本展の特徴だ。「ディーヴァ」という存在が、創造性や自己表現を武器に社会の価値観を揺さぶり、ファッション、アート、デザイン、そしてジェンダーやアイデンティティをめぐる議論にどのような影響を与えてきたのかを、多角的に問い直すものとなる。

 また会場では、ディーヴァたちの音楽や映像とともに展示空間を巡る演出を展開。視覚資料だけではなく、その「声」そのものを通じて各時代の空気や表現のエネルギーを体感できる展示となる予定だ。