1万6000平方米の「見せる収蔵庫」。「V&A East Storehouse」の全貌に迫る
ロンドンにあるヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)の「V&A イースト・ストアハウス」(V&A East Storehouse)が待望のオープン。新たな時代の博物館を象徴する、その全貌とは?

すべての人に開かれた、芸術品の宝庫
5月31日、ロンドン東部に「V&A イースト・ストアハウス」(V&A East Storehouse)が開館。その名が示す通り博物館の所蔵品倉庫であり、ここが一般公開されることとなった。施設内は4つのフロアで構成されており、総面積はバスケットボールのコート30面分よりさらに大きい1万6000平方メートル。倉庫には、25万点の品、35万冊の書物、1000のアーカイヴが収められている。入館は無料で予約の必要はなく、ロンドン市民やイギリスに暮らす人々はもとより、世界中のすべての人に開かれた場所となる。

この施設が位置するのは、ロンドン東部にある、2012年に開催されたオリンピック村の跡地につくられたクイーン・エリザベス・オリンピック・パークの一角「イーストバンク」だ。元々オリンピックのメディア・ブロードキャスト・センターとして使用されていた場所でもあり、現在は「ヒア・イースト」と称されるこの建物を、世界的に知られる建築事務所ディラー・スコフィディオ+レンフロが改装した。構想には10年もの歳月がかけられ、さらにはV&Aイーストのターゲットでもある若者たちの関心を集めるために活動している「V&Aイースト ユース・コレクティブ」の意見も取り入れてのオープンとなった。