2026.1.23

今週末に見たい展覧会ベスト8。アルフレド・ジャーからCURATION⇄FAIR Tokyo、向井山朋子まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「アルフレド・ジャー あなたと私、そして世界のすべての人たち」展の展示風景より、《エウロパ》(1994)
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もうすぐ閉幕

「アール・デコとモード」(三菱一号館美術館

展示風景より

 三菱一号館美術館で、「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に」展が1月25日まで開催されている。レポート記事はこちら

 本展は、1925年にパリで開催された装飾芸術の博覧会、いわゆるアール・デコ博覧会から100年を迎えることを記念して開催されるもの。1920年代を中心に隆盛したアール・デコ様式と、当時の「モード(流行の服飾)」との関係を多角的に紐解く内容となっている。京都服飾文化研究財団(KCI)所蔵のドレスや服飾資料約200点に加え、同時代の絵画、版画、工芸作品なども展示され、合計約310点が紹介されている。

 なお、都市文化の発展に伴い変化した女性の装い、すなわち1920年代の「現代モードの萌芽」に焦点を当て、続いてアール・デコ博覧会におけるファッションの役割と最新スタイルが取り上げられるのも、本展の見どころだ。

会期:2025年10月11日~2026年1月25日
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(1月2日を除く金、第2水、会期最終週平日は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 2300円 / 大学・専門学校生 1300円 / 高校生 1000円 / 中学生以下無料(毎月第2水曜日17:00以降はマジックアワーとして一般 1600円)

「プリピクテ Storm/嵐」(東京都写真美術館

アルフレド・ジャー The End (GSL_a) 2025

 東京都写真美術館で「プリピクテ Storm/嵐」が1月25日に終了する。

 Prix Pictet(以下プリピクテ)は、2008年にピクテ・グループによって創設された国際写真賞であり、写真の力を通して地球規模のサステナビリティの課題への関心をうながすことを目的としている。東京都写真美術館での開催は4回目となり、本展はロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館およびドバイのイシャラ・アート・ファウンデーションでの展示に続く巡回展である。

 本展では、第11回プリピクテの最終候補に選ばれた12名の写真家の作品が紹介。新井卓、マリア・カネーヴェ、トム・フェヒト、バラージュ・ガールディ、ロベルト・ワルカヤ、アルフレド・ジャー、ベラル・ハレド、ハンナ・モディグ、ボードワン・ムワンダ、カミール・シーマン、レティシア・ヴァンソン、パトリツィア・ゼラノが参加している。

会期:2025年12月12日~2026年1月25日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内A
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00(1月2日を除く木金は〜20:00)※入館は各閉館30分前まで
料金:無料

「磯崎新:群島としての建築」(水戸芸術館現代美術ギャラリー

磯崎新 水戸芸術館 1988 シルクスクリーン・プリント

 2022年末に逝去した建築家・磯崎新の没後、国内初となる大規模回顧展「磯崎新:群島としての建築」が、1月25日まで水戸芸術館現代美術ギャラリーで行われている。

 水戸芸術館の設計者でもある磯崎は、20世紀を代表する建築家のひとりと知られ、2019年に建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞した。建築プロジェクトや都市計画にとどまらず、著作活動、芸術家や知識人とのコラボレーション、さらにはキュレトリアル・ワークを通じ、60年以上にわたり思想、美術、文化論や批評分野においても卓越した地位を確立している。

 「群島としての建築」と題した本展では、こうした単一の領域にとどまらない磯崎の活動を「群島」の様に構成。「都市」「建築」「建築物」「フラックス・ストラクチャー」「テンタティブ・フォーム」「建築外(美術)」をキーワードに、建築模型、図面、スケッチ、インスタレーション、映像、版画、水彩画などの様々なメディアを通じて、磯崎の軌跡をたどるとともに、自身が設計した水戸芸術館を舞台に、建築の枠を超えた磯崎の活動を総覧できる機会となっている。

会期:2025年11月1日~ 2026年1月25日
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8 水戸芸術館 1F
電話番号:029-227-8111
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 900円 / 高校生以下、70歳以上 無料

今週開幕

「中村宏展 アナクロニズム(時代錯誤)のその先へ」(静岡県立美術館

展示風景より、中村宏《4半面の反復(1)~(3)(5)(6)(8)~(12)》(2019)静岡県立美術館蔵

 静岡県立美術館で、今年1月に逝去した美術家・中村宏の回顧展「中村宏展 アナクロニズム(時代錯誤)のその先へ」が開幕した。レポート記事はこちら

 中村宏は1932年生まれ、浜松市出身の画家で、日本の戦後美術を代表する作家のひとり。1950年代半ばのルポルタージュ絵画以降、70年以上にわたり描くことに取り組み、絵画やイラストレーションなど幅広い表現を行ってきた。

 本展では、1950年代半ばのルポルタージュ絵画、1960~70年代に制作されたセーラー服姿の女学生や機関車をモチーフとする作品など、代表的な作品を展示。また、映画や漫画からの影響、同時代の芸術家との交流といった視点を示しつつ、1970年代以降の絵画表現についても紹介し、その画業を振り返るものとなっている。

会期:2026年1月20日~3月15日
会場:静岡県立美術館
住所:静岡県静岡市駿河区谷田53-2
電話番号:054-263-5755
開館時間:10:00~17:30(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月(祝日の場合は翌平日)
料金:一般 1400円 / 70歳以上 700円 / 大学生以下 無料

「アルフレド・ジャー あなたと私、そして世界のすべての人たち」(東京オペラシティ アートギャラリー

展示室Eの風景より、《明日は明日の陽が昇る》(2025)

 東京・初台にある東京オペラシティ アートギャラリーで、アルフレド・ジャーの個展「アルフレド・ジャー あなたと私、そして世界のすべての人たち」が開幕した。レポート記事はこちら

 アルフレド・ジャーは、1956年チリのサンティアゴ生まれ。建築と映像制作を学んだのち、1982年に渡米。以後ニューヨークを拠点として国際的に活躍する作家である。1980年代にニューヨークの都市空間へ介入する作品《Rushes》(1986)や《アメリカのためのロゴ》(1987)に よって注目を集め、1986年のヴェネチア・ビエンナーレ、1987年のドクメンタ両方に招待された初のラテンアメリカ出身の作家となった。社会の不均衡や世界各地で起きる地政学的な出来事に対する繊細な視点と真摯な調査にもとづく作品で知られており、写真、映像、建築的なスケールの立体作品といった多様なメディアにわたる身体的体験をともなうインスタレーションが特徴だ。

 本展では、広島での展覧会のために依嘱された大型作品をはじめ、1970年代の初期作品から作家活動を代表する作品、そして本展のために制作された新作までが一堂に紹介されている。

会期:2026年1月21日〜3月29日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー ギャラリー1、2
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:11:00〜19:00 ※入場は閉館の30分前まで 
休館日:月(ただし、2月23日は開館)、2月8日、2月24日
料金:一般 1600円 / 大・高生 1000円 / 中学生以下無料・障害者手帳等をお持ちの方および付添1名無料

「CURATION⇄FAIR Tokyo」(kudan house)

メインビジュアル

 東京・九段の登録有形文化財・kudan houseで、キュレーターによる展覧会とアートフェアの二部構成で構成されるCURATION⇄FAIR Tokyoが今年も開催される。展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」が1月23日にスタートする。

 キュレーター・遠藤水城による展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」は、2024年、25年に続き、今回が3回目の開催。川端康成と大江健三郎によるノーベル文学賞受賞講演を起点に、日本の近現代史と美術の関係を多層的に読み解く試みとなっている本展は、2024年から続いてきたシリーズの最終章となる。 

 展覧会は李朝白磁、明治・戦後美術、現代作家による新作など、時代やジャンルを横断する複数のパートで構成。関東大震災の教訓から生まれ、戦火を免れた建築であるkudan houseの歴史的文脈を背景に、近代化や戦争、自然災害とともにあった日本美術の姿を浮かび上がらせる。

会期:2026年1月23日〜2月8日
会場:kudan house
住所:東京都千代田区九段北1-15-9
開場時間:平日 11:00〜19:15(1月23日 16:00〜) / 土日 10:00〜19:15 ※最終入場は18:30

「向井山朋子 Act of Fire」(アーツ前橋

メインビジュアル

 群馬・前橋にあるアーツ前橋で、「向井山朋子 Act of Fire」展が1月24日から開催される。

 向井山朋子は1963年和歌山県新宮生まれ、現在はアムステルダム在住。音楽、映像、パフォーマンス、インスタレーションなど多領域を越境する表現者として知られ、その活動は一貫して、アート表現の拡張とタブーへの挑戦であり、観る者、体験する者に深い内省や感情の揺らぎをもたらす作品を発表してきた。

 向井山にとって初の大規模な美術館個展となる本展は、アーツ前橋の6つギャラリーを地下劇場に見立てた回廊型インスタレーション。シルクドレスの迷宮《wasted》(2009)、3.11の津波で破壊されたグランドピアノを用いた《nocturne》(2011)、映像詩《ここから》(2025年)など、新旧のアートワークが再構築され、観る者を「私」と「世界」との関係性を問う思索の旅へと誘う。

会期:2026年1月24日〜3月22日
会場:アーツ前橋
住所:群馬県前橋市千代田町5-1-16
電話番号:027-230-1144 
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:水 
料金:一般 1000円 / 学生・65歳以上 800円 / 高校生以下 無料

「上原沙也加 たとえすべての瓦礫が跡形もなくきれいに片付けられたとしても」(横浜市民ギャラリーあざみ野

上原沙也加 眠る木

 横浜市民ギャラリーあざみ野で「上原沙也加 たとえすべての瓦礫が跡形もなくきれいに片付けられたとしても」が1月24日に始まる。

 上原沙也加は、1990年沖縄生まれの写真家。生活と地続きにある風景や、そこに残された痕跡を主題に制作を行っている。

 本展は、横浜市民ギャラリーあざみ野のシリーズ展「あざみ野フォト・アニュアル」の一環として開催するもの。2016年から2022年にかけて沖縄島で撮影されたカラーのシリーズ「眠る木」、最新作「前の浜」、2023年から取り組みを始めた台湾を取材したモノクロのシリーズ「緑の部屋」およびカラーのシリーズ「緑の日々」を展示。既作と最新作からなる全4シリーズを通して、上原の約10年にわたる写真制作の取り組みを紹介する。

会期:2026年1月24日~2月22日
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野
住所:神奈川県横浜市青葉区あざみ野南1-17-3 アートフォーラムあざみ野内
電話番号:045-910-5656
開館時間:11:00~18:00
休館日:1月26日
料金:一般 500円 / 20歳未満・65歳以上 無料