2025.11.7

椿昇の個展が十和田市現代美術館で来夏開催。巨大生命体をつくり続けるそのキャリアに迫る

青森・十和田市の十和田市現代美術館で、現代美術家・椿昇の個展「椿昇 フリーダム(仮称)」が開催される。会期は2026年6月6日〜11月8日。

椿昇 アッタ 2008 撮影=小山田邦哉
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 青森・十和田市の十和田市現代美術館で、現代美術家・椿昇(つばき・のぼる)の個展「椿昇 フリーダム(仮称)」が開催される。会期は2026年6月6日〜11月8日。

椿昇 メタポリス 1997 ©️椿昇

 椿は1953年京都府生まれ。京都市立芸術大学美術専攻科修了。主な個展に「Noboru Tsubaki」(サンディエゴ現代美術館、アメリカ、1992)、「国連少年」(水戸芸術館、茨城、2003)、「椿昇2004-2009: GOLD/WHITE/ BLACK」(京都国立近代美術館、京都、2009)、「PREHISTORIC_PH」(霧島 アートの森、鹿児島、2012)など。「醤の郷+坂手港プロジェクト」(瀬戸内 国際芸術祭2013、小豆島町、香川)、「AOMORIトリエンナーレ2017」(青森市)、「ARTISTS’ FAIR KYOTO」(京都市、2018-)などの芸術祭でディレクターを務めた。

椿昇 ©️椿昇

 椿は初期の代表作《カメレオンイーター》(1985)をはじめ、約40年にわたるキャリアのなかで、突然変異したかのような巨大生命体の造形を通して現代の資本主義社会への問題提起を続けてきた。1989年の巨大な黄色いモンスター《フレッシュガソリン》や、日本初の国際美術展「横浜トリエンナーレ2001」で室井尚と共同制作した巨大なバッタのバルーン《飛蝗(プロジェクト・インセクト・ワールド)》などが著名だ。また、十和田市現代美術館の外庭には真紅の巨大ロボットアリ《アッタ》(2008)が日本で唯一常設展示されており、来訪者に高い認知を誇る。

椿昇 カメレオンイーター 1985 ©️椿昇
椿昇 フレッシュガソリン 1989 ©️椿昇
椿昇 飛蝗(プロジェクト・インセ クト・ワールド) 2001 ©️椿昇

 本展では、初公開となる巨大生命体の最新作を中心に、異なる技法や様式を用いた作品群を紹介。国内の美術館で14年ぶり、東北では初となる個展。制作活動40年を超える椿昇の、多面的な表現を一望できる貴重な機会となりそうだ。

椿昇 マーマリアン 2012 撮影=顧剣亨