2025.10.23

寺田倉庫G3-6Fで「ノスタルジアの未来」が開催。サウジアラビアの古代都市・アルウラでの滞在制作プログラムに参加した21名の作家が集結

東京・天王洲にある寺田倉庫G3-6Fで、サウジアラビアの古代都市・アルウラでの滞在制作(レジデンス)プログラムに参加した21名の作家による展覧会「ノスタルジアの未来」が開催される。会期は11月5日〜16日。

Sarah Brahim, There will be soft rain (2025) © Sarah Brahim. Courtesy of the artist and Laurence Hills

 東京・天王洲にある寺田倉庫G3-6Fで、サウジアラビアの古代都市・アルウラでの滞在制作(レジデンス)プログラムに参加した21名の作家による展覧会「ノスタルジアの未来」が開催される。会期は、アートウィーク東京の期間中である11月5日〜16日。

 本展は、サウジアラビア北西部に位置するアルウラの保護と開発を目的とした「アルウラ王立委員会」に設立されたアーツアルウラ(Arts AlUla)と、アルウラ王立委員会を支援する目的でパリに設立されたフランス・アルウラ開発庁(AFALULA)が主催するもの。この2つの団体により、2021年に設立されたのが、「アルウラ・アーティスト・イン・レジデンス・プログラム」である。

 「アルウラ・アーティスト・イン・レジデンス・プログラム」は、アルウラという歴史ある土地を舞台に、地域のアーティストだけでなく国際色豊かなアーティストが、創作の探求と実験を行うためのプラットフォームだ。プログラムに参加するアーティストたちは、ヤシの木立のなかにある施設「マビティ・アルウラ」と、新たに開設されたアルジャディダ地区のアーティスト宿泊施設に滞在し制作を行う。設立当初は視覚芸術に特化していたが、2023年からはデザイン分野のプログラムも加わり、現在では設立以来50名を超えるアーティストやデザイナーを受け入れている。

 本展は、そんな「アルウラ・アーティスト・イン・レジデンス・プログラム」に参加する、サウジアラビアやフランスをはじめ、世界各地10ヶ国から集った21名の作家によるもの。作家の多くは日本における展示が初となる。絵画、彫刻、インスタレーション、写真、映像など35点の作品で構成され、そのうち7点は本展のために制作された新作となっている。

 参加作家は次の通り。

 メイサ・アブダラ、ヤスミナ・ベンアブデラフム 、ビアンカ・ボンディ、サラ・ブラヒム、ザロメ・シャトリオ、ムハンマド・アルファラジ 、サラ・ファヴリオ、ムハンマド・キリト、アグニェシュカ・クラント、ハン・メンギュン、テオ・メルシエ、アブデサマド・エル=モンタシール、ルイ=シプリアン・リアル、ダニア・アルサレー、アンハー・サレーム、ウーゴ・スキアヴィ、ユーゴ・セルヴァニン、ソフィアン・シ=メラベ、イッタ・ヨダ、アイマン・ゼダーニ。

 アルウラ王立委員会 芸術・創造産業ディレクターであるハマド・アル・ホミダンは、次のようにコメントする。

 「アルウラを拠点として今日行われている創造活動はまったく孤立したものではありません。それはサウジアラビア国内をはじめ世界中の文化的生産をつなぐ広いネットワークのなかにあります。フランス・アルウラ開発庁(AFALULA)の支援をうけて展開されるアーティスト・イン・レジデンス、展覧会、そして様々な公的プログラムは、こうした国際的な交流を後押しし、アルウラをインスピレーションの源であると同時に、国際的な協働の舞台として意義づけるものです。本展は、文化をつなぐ架け橋を築き、想像力を変革の力として称え、アルウラの創造的産業が現代美術をめぐる世界的な対話に確かな存在感を示すという、アルウラ王立委員会(RCU)のビジョンを体現しているのです」。