重い線、軽やかなタッチ

　パティーナ大阪1階ギャラリースペースで「重い線、軽やかなタッチ」が開催されている。

　シンガポールを拠点とし、世界有数のラグジュアリーホテルを手がけるカペラホテルグループの日本第一号店として今年5月1日に開業したパティーナ大阪。シンガポール観光局およびシンガポールのNPOとタイアップしたアート展示イベントをパティーナ大阪1階のギャラリースペースで開催。本展では、知的障害がある日本人アーティストの岡元俊雄と、ダウン症があるシンガポールのアーティスト、フェーン・ウォンのふたりの作品を展示している。

　このコラボレーションは、障害のあるアーティストをはじめ、多様な背景を持つクリエイターたちに表現の場を提供するとともに、文化や国境を超えた交流を促進することを目的としている。アートを媒介に、互いの違いを理解し、尊重し合うきっかけを生み出すことで、インクルーシブで多様性を重んじる社会の実現を目指す。また本展は、パティーナ大阪が掲げる「トランスフォーマティブ・ラグジュアリー」の理念を体現するものであり、訪れる人々に新たな視点と感動をもたらす文化体験になるとのこと。

　今回の展示は、岡元とウォンによる共演であり、両者の独自の表現が「ジェスチャー」「リズム」「注意力」についての瞑想をもたらす。両作家の制作の根底にある感性に耳を傾け、一筆の線や一回の切り込みに見える行為が持つ表現力について考える機会を提供する。