「HIKE!HIKETA -東かがわ国際芸術祭-」で何があったのか。参加を辞退したアーティストに聞く経緯と問題点
香川県東かがわ市で開催が予定されていた「HIKE!HIKETA -東かがわ国際芸術祭-」。本祭期間に入っても準備が完了しておらず、ウェブサイトには参加アーティストや後援団体の虚偽記載も発覚した。作品返還を求めるアーティストも出ているなど、大きな問題となっている本芸術祭。実際に直前まで参加準備を行い、その後辞退を決めた出展予定作家のひとりに、現地での状況や問題点、今後の行動について話を聞いた。

「HIKE!HIKETA -東かがわ国際芸術祭-」とは何か
今年8月1日〜31日を本祭期間として、香川県東かがわ市で開催が予定されていた「HIKE!HIKETA -東かがわ国際芸術祭-」。同芸術祭が、本祭の開催日になっても会場、ウェブサイト、現地スタッフや作品展示といった、全般にわたる準備が履行されていないことが問題になっている。加えて、ウェブサイトに記載されていた、東かがわ市教育委員会をはじめとする連携・後援の企業や団体も事実と異なることや、ウェブサイトに辞退を申し出たアーティストが掲載されたままであることが判明した(現在は削除)。本芸術祭への参加を試みたアーティストはどのような問題を感じ、いかなる経験をしたのか。今後の対応や思いも含めて、すでに参加を辞退したアーティスト・郁川舞(ふみかわ・まい)氏に話を聞いた。
まずは「HIKE!HIKETA -東かがわ国際芸術祭-」について確認したい。ウェブサイトの開催概要によれば、同芸術祭は、瀬戸内国際芸術祭2025の夏会期の開催に併せて、同祭が初開催となる東かがわ市引田エリアで開催される芸術祭とされている。瀬戸内国際芸術祭2025と関連づけられているものの、主催は無関係である。

プレ展示期間が24年10月1日〜25年3月3日、前祭が4月1日〜7月30日、本祭が8月1日〜31日、そして後祭が9月1日〜12月21日(暫定)と、全体会期は長期にわたって設定されている。前祭およびプレ展示期間中は「参加作家たちが入れ替わり立ち替わり当地に滞在し、リサーチや制作活動を行いながら、訪れる方々や地域の皆さまと交流を深めます」としており、そのほか「アートを体感いただけるワークショップ」「ライブイベント」「グッズ販売」「展示」なども開催される旨が記されている。そして主催は「HIKE!HIKETA東かがわ国際芸術祭実行委員会」、その代表は奥廣岳という人物であることがウェブサイトには記されている。
