ゴッホ美術館が閉館の危機? 国の支援不足訴え
オランダ・アムステルダムのゴッホ美術館が、政府からの支援が不足しているために改修が計画通り実施できず、将来的な存続の危機にあると発表した。

オランダ・アムステルダムのゴッホ美術館が、政府からの支援が不足しているために改修が計画通り実施できず、将来的な存続の危機にあると発表した。
ゴッホ美術館はフィンセント・ファン・ゴッホの没後、家族のもとに残されたゴッホの作品が寄託されている。1950年代、甥であるエンジニアのフィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホとオランダ政府は、コレクションの散逸を防ぐために取り決めを締結。200点以上の絵画、500点に及ぶ素描、900点に及ぶ手紙、さらにゴッホと同時代の作家の作品を含むコレクション一式を「フィンセント・ファン・ゴッホ財団」に寄託した。このとき、政府は見返りとして、新たな美術館の建設および維持に必要な資金を提供することを約束し、1962年に合意を締結していた。
1973年に開館したゴッホ美術館は、開館以降5700万人近くの来場者が訪れ、運営収入の約85パーセントを自館で賄い、経済的にも自立してきた。しかしながら建物の設計はこれほどの来館者数に対応することを想定しておらず、持続可能性、安全性、温度管理といった点で現代の基準を満たせていないという。建物は老朽化が進み、技術設備は老朽化。部品調達が困難な箇所も出てきており、今後の維持管理が困難な状況となっている。
こうした課題の解決にむけて、同館は大規模修繕と持続可能性のための改修の計画「Masterplan 2028」を策定。工事は2028年に開始予定で、約3年間続く見込みとなっている。費用は総額1億400万ユーロ。改修期間中に予想される収入減(約5000万ユーロ)を自らの資金で補填する。
いっぽうで、年間1100万ユーロ以上の国からの支援が必要とされているが、現在の支援額は年間850万ユーロにとどまっており、250万ユーロの不足が生じている。同館はこのまま政府の財政支援が不足すれば、修繕資金が確保できず、最終的には美術館の閉館も避けられない事態になるとしている。美術館側とゴッホ財団は、当時の取り決めを守り、政府による支援額の引き上げを求めている。