東京藝術大学大学美術館 取手収蔵棟に「魅せる収蔵庫」が誕生。ガイドツアー形式で一般公開も
東京藝術大学大学美術館 取手館に、収蔵品の保管と見学の機能を兼ね備えた取手収蔵棟が昨年3月に竣工。今年4月からは「魅せる収蔵庫」として、スタッフによるガイド形式で一般公開されている。

需要が高まる「収蔵庫の見せる化」
東京藝術大学大学美術館 取手館(以下、取手館)に、収蔵品の保管と見学の機能を兼ね備えた取手収蔵棟(以下、収蔵棟)が昨年3月に竣工。今年4月からは「魅せる収蔵庫」として、大学美術館の教員・スタッフによるガイド形式で一般公開もされている。
ミュージアムの収蔵庫は、元来作品の保存・管理に特化した施設だ。しかし昨今では、世界中でそのひっ迫問題が叫ばれており、収蔵品の活用方法についても議論が及んでいる状況だ。
そのような事態の好転を図るかのように、「見せる収蔵庫」の需要が高まっている。国内では、宮城県立美術館が今年度のリニューアルオープンにあわせて、「見える収蔵庫」の導入を発表しているほか、愛知県では、同県が運営する愛知県美術館、愛知県陶磁美術館、愛知県立芸術大学で共同収蔵庫を整備。その収蔵環境の一部に公開する機能を付与することを予定している。海外でも、ロッテルダムの「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンヘン」や、ロンドンの大英博物館、「V&A イースト・ストアハウス」といった、美術館の舞台裏として収蔵庫を見せることに特化した施設が次々とオープンしている。
はたして、新設された藝大の収蔵棟はどのようなものか? 現地に赴き、取材を行った。

写真提供=東京藝術大学大学美術館