2025.10.23

水戸市泉町に新たな文化施設「テツ・アートプラザ」がオープン 。来年2月には新たに「クヴェレ美術館」も開館

茨城県水戸市泉町に、ホール、美術館、カフェからなる文化施設「テツ・アートプラザ」が、2025年11月21日にプレオープンする。新設される「クヴェレ美術館」は、2026年2月14日に開館予定だ。

テツ・アートプラザ ©MOON LIGHT小沼渉写真事務所
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 茨城県水戸市泉町に、ホール、美術館、カフェからなる文化施設「テツ・アートプラザ」が、2025年11月21日にプレオープンする。

 哲文化創造公益財団法人によって新設される「テツ・アートプラザ」の構想は、明治1909年に建設された、歴史的に貴重な洋風建築である旧川崎銀行を活かし、水戸に賑わいを創出したいという思いからスタートした。旧銀行棟は、無料で一般開放される「クヴェレホール」となり、外観はほぼそのままながら、国産のケヤキ材を贅沢に用いた空間づくりが特徴となる。

クヴェレホール ©MOON LIGHT小沼渉写真事務所

 この銀行棟を中心に美術館とカフェが新設され、3つの施設は屋内でつながる構造となる。新設される美術館は「クヴェレ美術館」と名付けられ、2026年2月14日に開館予定だ。コレクションの中心は、哲文化創造公益財団法人の理事長・福田三千男が収集した日本近現代の絵画と工芸作品、吉田石油前顧問の故・吉田光男より寄贈されたシルクロードの仏教美術や陶磁器、故・瀬川竹生寄贈の伊万里染付大皿など約630点となる。所蔵品を中心とした企画展を年3~4回開催し、水戸の街なかで気軽に美術品に触れられる機会を創出する。

 館内には、1階と2階あわせて約400平方メートルの展示室が設けられる。1階展示室には、吉田コレクションを中心とした工芸作品を展示され、2階展示室には、主に絵画作品や近現代の工芸作品が展示される予定だ。展示室1には、収納式の展示パネルや奥行きを可変できる壁面ケースが備えられ、様々な作品に対応できる本格的な展示空間となっている。

クヴェレ美術館 ©MOON LIGHT小沼渉写真事務所

 同館オープンを記念して、同館コレクションから3期にわたって選りすぐりの名品たちが紹介される展覧会が開催される。第1期となる「クヴェレ美術館 開館記念展 Ⅰ Meet 美の交差点 近代日本画と東洋陶磁」では、近代日本画と東洋陶磁を中心とした作品が展示される。茨城県ゆかりの横山大観や小川芋銭のほか、上村松園竹内栖鳳などの作品と、インド、地中海、中国、朝鮮半島、そして日本と幅広い地域から集められた工芸作品も紹介される。会期は2026年2月14日〜7月5日。

 また併設されるカフェには、「niko and ... COFFEE」(株式会社アダストリア)が県内初出店される。定番商品に加えて、シーズナルメニューや、水戸TAP店限定のメニューも用意される予定だ。

カフェ「niko and ... COFFEE」 ©MOON LIGHT小沼渉写真事務所
ニコパン