「直島新美術館」がついにオープン。「世界に誇れる美術館」目指す
5月31日、直島に新たな美術館「直島新美術館」が開館する。館長は三木あき子。建築設計は安藤忠雄。

5月31日、直島に新たな美術館「直島新美術館」が開館する。館長は三木あき子。建築設計は安藤忠雄。
1980年代後半から直島を拠点に活動を行ってきた「ベネッセアートサイト直島」は、自然・建築・アートの共生、地域との協働によるコミュニティの発展などを念頭に、複数の美術館やアート施設群を離島に展開してきた。およそ35年を経て新たに開館するこの美術館は、アイデンティティとしての「直島」、そして「新」の名を冠しており、いつの時代にも新しい価値観や気づきを与える空間としたいという理由が込められているという。

ロゴデザインを手掛けたのはデザイナーの祖父江慎。祖父江は、ベネッセアートサイト直島の主要美術館である地中美術館や豊島美術館のロゴも手掛けてきた
まずは建築についてのポイントをいくつか紹介したい。直島の集落のなかに佇むこの建物は、地上1階、地下2階の3階建て。丘のうえに位置しており、その稜線を緩やかにつなぐ大きな屋根が建築的な特徴とも言えるだろう。

この直島新美術館は、ベネッセアートサイト直島における安藤忠雄設計の10番目の施設でもある
トップライトから自然光が差し込む階段は地上から地下まで直線状に続いており、階段の両側には4つのギャラリーが配置されている。また、地上フロアの北側にはカフェを併設。テラスからは瀬戸内海を一望することができ、豊島や漁船の往来など、自然と人の営みも垣間見ることができる。
ベネッセアートサイト直島を長年牽引してきた名誉理事長・福武總一郎より今回のプロジェクトの依頼があったという安藤。オープンに際し、当時のやり取りや心境について次のように語っている。「福武さんから世界に誇れる美術館にしたいと要望を受けた。作品と建築がぶつかり合いながら調和してゆく空間になることを期待している」。


