2025.10.23

東京都美術館で「アンドリュー・ワイエス展」が開催へ。没後、日本初となる回顧展

アンドリュー・ワイエスの没後日本初となる回顧展「東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」が2026年4月28日~7月5日に開催される。

 アンドリュー・ワイエス(1917〜2009)の没後日本初となる回顧展「東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」が2026年4月28日~7月5日に開催される。

 ワイエスは、20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家だ。二次世界大戦後に脚光を浴びたアメリカ抽象表現主義、ネオ・ダダ、ポップアートといった動向から距離を置き、ひたすら自分の身近な人々と風景を描き続けた。その作品は眼前にある情景の単なる再現描写にとどまるものではなく、作家自身の精神世界が反映されたものとなっている。その作品には、窓やドアなど、ある種の境界を示すモチーフが数多く描かれている。それらが示す「境界」は、西洋絵画史のなかで古くから取り上げられてきたテーマであるいっぽうで、ワイエスにとってはより私的な世界とのつながり、あるいは境目として機能していると言えるだろう。

 同展は、その「境界」の表現に着目して、ワイエスが描いた世界を見つめることを試みるものとなる。ホイットニー美術館(ニューヨーク)の《冬の野》(1942)、フィラデルフィア美術館の《冷却小屋》(1953)、フィルブルック美術館(オクラホマ)の《乗船の一行》(1984)をはじめ、10点以上が日本初公開。あらためてワイエスの魅力に触れる機会となるだろう。