2026.9.3

アート、デザイン、クラフトを横断する新たな国際イベント「Kyōto YouMe Triennale」が京都で10月に開催

東本願寺・渉成園および重信会館ほか京都各所で、アート、デザイン、クラフトを横断する新たな国際イベント「Kyōto YouMe Triennale」が開催される。会期は10月9日〜18日。

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 アート、デザイン、クラフトを横断する国際イベント「Kyōto YouMe Triennale(キョウト ユメ トリエンナーレ)」が、東本願寺・渉成園および重信会館をはじめとする京都各所で初開催される。会期は10月9日〜18日。

現代における「つくる」価値を探求するトリエンナーレ

 同イベントでは、アート、デザイン、クラフト=「つくる」を、人間にとって根源的な活動として位置づける。3年ごとにアーティスト、デザイナー、職人、キュレーター、公的機関、教育機関、企業が一堂に会し、知識・アイデンティティ・革新の表現としての「つくる」がもつ現代的価値の探求を試みる。

 第0回「MANIFESTO Edition」として開催される今回は、領域を横断する多様なつくり手たちが参加。日本の新世代作家10組をはじめ、イタリアの現代作家、カタールやアラブ首長国連邦を拠点とするデザイナー、イギリスのグラフィックデザイナー/アーティストであるハリー・ピアース、アフガニスタンのProject Blueなど、「つくる(making)」をめぐる多様な実践者が京都に集結する。

工芸の現在地から思考する手まで、多様なテーマで展開

 まず、渉成園を会場とするのは「Adaptive Radiation(適応放散)」(キュレーター:金澤韻)だ。ここでは、工芸や伝統的技術をルーツにもつ日本の新世代作家による作品を展示。旧式と思われているものや、日常に埋もれてしまったものを鮮やかに蘇らせる実践の数々に光をあてる。

 参加作家は、彌永ゆり子、國政サトシ、桝本佳子、宇野湧、宮田彩加、宮崎啓太、野田版画工房、坂本森海、横山修、品川亮。

宮田彩加による作品
彌永ゆり子による作品

 「Le Mani Pensano(考える手)」(キュレーター:マリア・ヴィットリア・バラヴェッリ)は、「手は考えることができるのか?」という問いから出発する展示となる。「制作」を瞑想的な行為として捉える4名のイタリア人アーティストを取り上げ、掲げた問いに対するそれぞれのアプローチを俯瞰する。

 参加作家は、ジュリア・ビリンデッリ、アンドレア・キアラヴァッリ、ピエル・パオロ・マッジーニ、エレナ・リッチ。

ジュリア・ビリンデッリによる作品

 カタールやアラブ首長国連邦のアーティストによる「Design As Memory」(キュレーター:シェイカ・アル・スライティ)では、あらゆる建築物やオブジェ、テキスタイルを、特定の時点における社会の状況・技術的習慣・内面的価値観をコード化した「能動的かつ永続的な文化記録」として再定義。大量生産と使い捨て文化のサイクルを拒み、意図・文脈・責任をもって「つくる」ことを提起するデザイン方法論に基づいた展示となる。

 参加作家は、ガダ・アル・カター(カタール)、マリアム・アル・ホメイド(カタール)、アブドゥルラフマン・アル・ムフタ(カタール)、アガタ・クルゼラ(アラブ首長国連邦)。

「Design As Memory」での展示作品

血液を用いたインスタレーションやアフガニスタンの写真展示も

 イギリスのグラフィックデザイナー/アーティスト、ハリー・ピアースは、インスタレーション作品《It's All Our Blood》を展開する。ピアースのステートメントは次のとおり。

「血は、私たちすべてにとって欠かせないものです。このインスタレーションは、私自身の血によってつくられています。人間に共通するこの生命の力を用いることで、一人になされたことは私たち全員になされたことなのだと、あらためて思い起こしたいと考えました。私たちは皆、無限につながり合っているのです。」

ハリー・ピアース
ハリー・ピアース《It's All Our Blood》

 芸術の力を活用してアフガニスタンの文化遺産保護に資金を提供するプロジェクト「Project Blue」は、写真家サイモン・バクストンの展示を重信会館で実施する。アフガニスタンがウルトラマリンの原料であるラピスラズリの最初の採掘地であることに着目し、バクストンはProject Blueとともにバダフシャーン州の高山にある人里離れたラピスラズリ鉱山サール・エ・サンを訪問。本展では、アフガニスタンとそこに暮らす人々の姿を捉えた作品群を展示する。

 さらに同イベントでは、京都のものづくりの現場をその自然的背景とともに体験するジャーニー型プログラム「YouMe Journey」も実施予定。日本文化を新しい視点から体感する機会が提供されるという。

 なお、同イベントの参加作家などに関する追加情報については続報を待ちたい。