2025.8.19

「アートサイト名古屋城2025」が開催。テーマは「結構のテクトニクス」

2023年よりスタートした、名古屋城を舞台にしたアートプロジェクト「アートサイト名古屋城」が、今年3回目の開催を迎える。

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 2023年よりスタートした、名古屋城を舞台にしたアートプロジェクト「アートサイト名古屋城」が、今年3回目の開催を迎える。キュレーターは服部浩之。

 アートサイト名古屋城では、名古屋城が取り組んでいる「保存・活用」に着目し企画を進めてきた。2023年には「保存」活動に着目し「想像の復元」というテーマのもと、名古屋城の復元作業に着想を得た作品群を展開。また24年には「活用」に力点を置き、旅の達人・宮本常一の「あるくみるきく」を出発点として、江戸時代から現代まで多彩なアーティストによる旅の表現を紹介した。

 3年目となる今回は再び「保存」に注目。「結構のテクトニクス」をテーマに、400年続く名古屋城を形成する素材、築城の技術、そして長年の継承から学ぶことで、新たな創造を導くことを提案するという。

 テクトニクスとは、素材・構造・技術の関係性を、美学・文化的側面からとらえる構造の表現。「結構のテクトニクス」と名付けられた本展では、最善を尽くして制作された芸術作品(=結構)の根本的な構造表現の美(=テクトニクス)を堪能できる場を創出する。参加アーティストは、フレスコ画を中心に古典から現代まで様々な描画技法を探求してきた川田知志。本丸御殿障壁画をモチーフに、大規模な屋外作品を展開する予定だ。

ゴールデンタイム 2024-25 漆喰、顔料 650×約5000cm
撮影=福永一夫 提供=東京都現代美術館
(c)Satoshi Kawata