渋谷区の公共トイレで森山大道の写真展。「THE TOKYO TOILET / SHIBUYA」が開催へ
渋谷区で、「THE TOKYO TOILET」によって整備された全17ヶ所のトイレのうち11ヶ所の公共トイレを会場に、写真家・森山大道による作品を展示するアートプロジェクト「THE TOKYO TOILET / SHIBUYA」が開催される。

東京・渋谷区で、「THE TOKYO TOILET」(以下、TTT)によって整備された全17ヶ所のトイレのうち11ヶ所の公共トイレを会場に、写真家・森山大道(1938〜)による作品を展示するアートプロジェクト「THE TOKYO TOILET / SHIBUYA」が開催される。会期は7月19日〜9月23日。
TTTは、2018年に柳井康治(株式会社ファーストリテイリング取締役)の発案・資金提供により発足。渋谷区内17ヶ所の公共トイレを世界で活動する16人のクリエイターたちがリデザインし、性別・年齢・障がいを問わず、誰もが快適に利用できる空間を提案してきた。維持管理は、渋谷区全面協力のもと日本財団により実施され、24年4月1日以降、渋谷区に完全移管されている。
渋谷区内での同プロジェクトは、2022年に「ミラノサローネ国際家具見本市」で発表した「THE TOKYO TOILET / MILANO」、23年に国際的写真フェア「パリ・フォト」で展開した「THE TOKYO TOILET / PARIS」に続く第3弾となる。各トイレの個性を生かしたインスタレーション展示に加え、森山の写真がプリントされた特製トイレットペーパーも設置。訪れる人々に新たな体験を提供するという。
誰もが公共トイレを大事に使っていく、関心を持っていただけるように、THE TOKYO TOILETの写真展を開催することになりました。
多くの皆さまに「トイレをきれいに使おう」という意識が生まれるとともに、トイレがデザインやクリエイティブの世界において美しい場所として認知・評価されることで、その意識が高まるのではないかと考えています。本展によって、THE TOKYO TOILETをより多くの方に知っていただき、公共トイレの使い方やあり方について考えるきっかけになればと思います。
渋谷区長・長谷部健 コメント(プレスリリースより一部抜粋)
用を足すという、生理現象を処理するための場所だった公共トイレは、いわば都会に潜むものとしてあった。しかし、このプロジェクトのそれぞれのトイレは、実に明るい印象を与えている。一種の憩いの場として陽が当たっている。トイレの存在そのものを変えたとさえ思う。街の片隅にひっそりと潜む場所であった公園も、存在そのものが明るみを持って中心になっている。日常の中で一瞬、誰にとっても安心できる場所になったということが、THE TOKYO TOILET の最大の成果だと思っている。
渋谷区でぼくが撮った TTTの写真が、それらの公共トイレそのものに展開されることは、いわば街で撮ったものを街に返す、ということだ。作者の手を離れ、形を変えて外側へと広がっていくにしたがって、人の記憶の中で姿を変えていく。どんどんアノニマスなものになっていく。それが写真の一番の力だというのが、ぼくの思いである。
写真家・森山大道 コメント(プレスリリースより抜粋)
