2025.7.9

東京都、26年に新たな国際美術展を開催へ。見直しとなった「東京お台場トリエンナーレ」の下積み活用

東京都は2026年に新たな文化芸術祭を開催することを明らかにした。そのうちのプログラムとして、26年10月から12月にかけて臨海部で国際的な美術展が開催される。

東京都庁 (C)PhotoAC

 東京都は2026年より、都市を舞台とする新たな文化芸術祭を始動すると発表した。

 都によると、この文化芸術祭は「アート、演劇、エンターテインメント、イルミネーションなど都内各地で繰り広げられる多彩な催しを、地域の個性や息づく文化、アーティストやクリエーターの創造力によって新たに結び合わせ、ひとつひとつの輝きを都市全体の魅力として描き出す取組」だという。

 この文化芸術祭の2026年プログラムのひとつとして、来年10月から12月にかけて臨海部で開催されるのが、国際的な美術展だ。

 そもそも東京都は、フジテレビなどとともに実行委員会形式で今秋「東京お台場トリエンナーレ2025」を開催予定だった。しかし、中居正広氏による性加害とそれに端を発するフジテレビの一連の問題によって同トリエンナーレの開催は見直しとなった経緯がある。

 この新たな国際美術展は、同トリエンナーレの準備として積み上げたものを活用。都が主導する新体制のもと、東京都歴史文化財団が新たに参画し、世界的なアーティストに加え、 これまで都が支援してきた若手作家の実践や美術展を支える多様な仕事・役割に光を当てる場として展開するという。

 会場はお台場エリアに加え、青海南ふ頭公園、天王洲エリアのWHAT MUSEUMも追加。臨海部ならではの特性を活かし、来訪者にこれまでにない体験を提供しながら、東京のアートシーンを世界に発信するとしている。

 また、芸術文化による共生社会の実現などをテーマとする国際会議も開催。国際的な対話の場を東京に開き、アートの持つ力や都市と文化の未来像を共有・発信することで、世界の都市との連携を深め、東京の存在感を高める狙いだ。