2025.4.25

東京オペラシティ アートギャラリーで難波田龍起の回顧展が開催。画業の全貌を四半世紀ぶりに紹介

東京オペラシティ アートギャラリーで、戦後日本の抽象絵画における代表的作家のひとり、難波田龍起の大規模回顧展が開催される。会期は7月11日〜10月2日。

難波田龍起 たたかいの日々 1963 世田谷美術館
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 東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーで、難波田龍起(なんばだ・たつおき、1905〜1997)の大規模回顧展が開催される。会期は7月11日〜10月2日。

難波田龍起 原初的風景A 1987 東京国立近代美術館 撮影=大谷一郎

 難波田は、大正末期に詩と哲学に関心をもつ青年として高村光太郎と出会い、その薫陶を受けるなかで画家を志した。当初は身近な風景や古い時代への憧れを描いていたが、戦後になると抽象へと制作をシフトさせる。海外から流入する最新の動向を咀嚼しながらも、特定の運動に属することもなく、独自の道を歩んだことで知られており、戦後日本における抽象絵画の代表的な作家のひとりといえる。

難波田龍起 群像 1970 東京オペラシティアートギャラリー 撮影=斉藤新
難波田龍起 色彩によるデッサン 1951 東京オペラシティアートギャラリー 撮影=斉藤新

 東京オペラシティ アートギャラリーの収蔵品を寄贈した寺田小太郎は、難波田を本格的な蒐集したコレクターだった。同館の収集コンセプトである「東洋的抽象」も、難波田の作品との出会いによって生まれており、難波田は寺田コレクションの中心作家となっている。

難波田龍起 ヴィナスと少年 1936 板橋区立美術館

 本展は難波田龍起の生誕120年を機に、同館収蔵品のほか、国内美術館の所蔵品、個人蔵の作品などもまじえ、大作から水彩、版画、ドローイングや習作、スケッチブックまでの作品、資料など100点余りを展覧。難波田の画業の全貌を四半世紀ぶりに紹介し、今日的な視点から検証するものとなる。

難波田龍起 街 1951 世田谷美術館
難波田龍起 昇天 1976 東京国立近代美術館 撮影=大谷一郎