平井武人「Hannah's Memory」

　YYARTSで、平井武人による個展「Hannah's Memory」が開催されている。

　平井武人は1990年に東京藝術大学美術研究科を修了。兵藤忠明とアートユニット・H et H（アッシュ・エ・アッシュ）を結成。以降、個人とグループワークを並行して行っている。

　本展で平井は、生成系AIを用いて創出された、存在しない架空の映画のポスターを展示。そこに描かれるのは、誰も見たことがないがどこか懐かしさを覚える未来の断片。アーティストが幼少期に触れた1970年代SFの世界、小学校の図書館で出会った全集の記憶、そしてキューブリック映画の一場面だ。様々なイメージが交錯し、ポスターという一枚のビジュアルに凝縮されている。

　今回の展示では、生成系AIがもたらす表現の可能性が、記憶や時間、物語のあり方に問いを投げかける。