2025年版|大阪で行くべきアートスポットベスト15
大阪・関西万博が開催中の大阪。万博にあわせて訪れたい大阪のアートスポットをまとめてお届けする。

美術館
大阪中之島美術館

2022年、大阪の中核として再開発された中之島に開館した大阪中之島美術館。実業家・山本發次郎の収集品を軸に、佐伯祐三をはじめとした大阪が育んだ作家の作品を含め、そのコレクションは6000点を超える。
同館のアイコンとなっているのが、ヤノベケンジによる《SHIP’S CAT(Muse)》(2021)であることからもわかるように、現代美術の展覧会も数多く行われている。吉原治良を中心に結成され、いまや世界的に高い評価を受ける具体美術協会(具体)も、かつて中之島に展示施設「具体ピナコテカ」を所有しており、同館は吉原治良、今井俊満らもコレクション。加えて、デザインのコレクションも充実している。倉俣史郎のイスをはじめとしたプロダクトデザインにおける名品の数々や、「サントリーミュージアム[天保山]」の休館を受けて預かった1万8000点を誇るサントリーポスターコレクションなども保管している。
多彩な企画展も開催される同館では、現在「大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション」が開催中。大阪に本社を持つゲームメーカー・カプコンのゲームクリエイションに注目し、その原点から最新技術まで、総合的に紹介する初の展覧会だ。また、伊藤若冲と円山応挙が初めて合作したとされる新発見の屏風が展示される「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!」が6月22日から、ルイ・ヴィトンの歴史や日本との関係に焦点を当てた没入型展覧会「ビジョナリー・ジャーニー」が7月15日から開催される。
住所:大阪市北区中之島4-3-1
国立国際美術館

国立国際美術館は1970年の日本万国博覧会開催に際して建設された万国博美術館を活用するかたちで開館。以来、国内の現代美術の発展のための活動を継続してきた。
2004年には大阪・中之島西部地区に完全地下型の美術館として新築、移転。建物の外観デザインは、竹の生命力と現代美術の発展・成長をイメージしたもの。現代美術を発信する美術館として、国内外美術の動向を幅広く紹介し、歴史と文化を継承する中之島の新たな文化の拠点となっている。
同館では6月28日より、常設展とともに特別展「非常の常」が開催される。本展は理不尽な攻撃や突然のクーデター、地震、洪水、山火事などの自然災害、新型コロナウイルスのような病原菌、AIをはじめとする高度な情報化社会など、常態化した非常事態ともいえる現代をとらえる作家を紹介するものだ。
住所:大阪市北区中之島4-2-55
国立民族学博物館

大阪の万博記念公園にある、文化人類学と民族学をテーマにした世界最大級の民族学博物館が国立民族学博物館だ。研究者が世界各地で収集した生活用具や民族衣装など、約34万5000点を所蔵し、そのうちの約1万2000点を展示している。展示場はオセアニアから日本までの9つのエリアに分かれた地域展示と、音楽・言語を取り扱う通文化展示に分かれた展示構成となっている。
本館には約60名の研究者が在籍し、フィールドワークにもとづいて世界の民族、社会や文化などを研究している。常設展のみならず、各研究員の研究テーマにもとづいた企画展も同館の大きな魅力だ。
同館では6月17日まで、20~21世紀におけるアラビア書道の変容と再生の軌跡をたどり、その伝統と革新のダイナミズムを提示する企画展示「点と線の美学——アラビア書道の軌跡」が開催中だ。
住所:大阪府吹田市千里万博公園10-1