「時をかける名刀」(徳川美術館)開幕レポート。前期展は《本作長義》《山姥切国広》の同時公開も
徳川美術館で、同館所蔵の日本刀コレクションを中心に公開する展覧会「時をかける名刀」がスタート。その前期展(~7月27日)の様子をレポートする。

名古屋にある徳川美術館で、同館が所蔵する日本刀コレクションを公開する夏季特別展「時をかける名刀」がスタートした。会期は9月7日まで。担当学芸員は安藤香織(徳川美術館 学芸員)。
徳川美術館は尾張徳川家伝来の日本刀を約700振所蔵しており、美術館が所蔵する刀剣数としては最大を誇る。うち、国宝10振、重要文化財19振、重要美術品23振、名物刀剣(固有名称を付けられた刀剣)23振が含まれている。
刀剣といえば武家社会において重要な贈答品でもあり、将軍家に次ぐ格式を誇った尾張徳川家には自然と当時の最高級品が集まった。また、同家は徳川家康の遺品を多く相続したこともあり、織田信長や豊臣秀吉といった歴代の為政者や戦国武将ゆかりの名刀も継承、今日においてその歴史を伝える重要な文化財となっている。
