2026.10.5

帝国ホテルプラザ 東京跡地に「NOT A MUSEUM」が誕生へ。NOT A CITYが約4年間限定で展開、SKWATと協働

帝国ホテル 東京・タワー館の建て替えまでの期間を活用したカルチャーの複合空間「NOT A MUSEUM」が誕生する。NOT A CITYとSKWATが企画・プロデュース・運営を手がけ、2027年夏から2031年3月までの約4年間、アートやブック、音楽、ファッション、シネマなどが交わる場を展開する。

NOT A MUSEUM(イメージ)

 NOT A HOTELを展開するNOTA株式会社グループのNOT A CITY株式会社(代表取締役CEO:大森みどり)が、帝国ホテル 東京における暫定利用プロジェクトとして、カルチャーの複合空間「NOT A MUSEUM」を始動する。2027年夏の開業を予定している。 

コンセプトは「CULTURE, IN THE MAKING.」

 舞台となるのは、建て替えに伴い解体を控える帝国ホテル 東京に隣接する「帝国ホテル 東京 タワー館」。2024年3月に営業を終了した帝国ホテル直営の商業施設「帝国ホテルプラザ 東京」の跡地を中心に、タワー館1階(一部店舗を除く)から4階までの約2000坪を利用する。事業期間は2031年3月までの約4年間だ。 

 掲げるコンセプトは「CULTURE, IN THE MAKING.」。アート、ブック、ミュージック、ファッション、シネマなど異なる領域のカルチャーが混ざり、試され、変化していく場所として、完成した作品や文化を見せるだけではなく、それらが生まれるプロセスそのものを体験できる空間を目指す。

 企画・プロデュース・運営をNOT A CITYとともに手がけるのはSKWAT。設計事務所DAIKEI MILLSの中村圭佑を中心に2019年に始動したSKWATは、都市に残された遊休施設や社会的な隙間を「VOID」ととらえ、それらを時限的に占有して一般に開放する活動を国内外で展開してきた。展示や出版、物販、レクチャーなど様々な手法を用いながら、使われなくなった場所や不完全な状態に新たな価値を見出してきたプロジェクトだ。

 空間設計はDAIKEI MILLSとNOT A HOTEL ARCHITECTSが担当。中村はこのプロジェクトにおいて、建物が積み重ねてきた「時間」そのものを重要な資産と位置づけており、約40年の歴史を持つ場所をまっさらにつくり直すのではなく、その時間を読み替えながら新たな文化へと接続していく考えを示している。

 帝国ホテルプラザ 東京は1983年、ラグジュアリーブランドが集まる商業施設として開業した。帝国ホテル側も、各時代のファッションや文化を発信してきた同所の歴史を継承しつつ、「NOT A MUSEUM」として新たなカルチャーを発信する場所となることへの期待を示している。 

 今回のプロジェクトを担うNOT A CITYは2025年設立。都市や地方の余白、役割を終えた建物、未活用の空間などに新たな使い方や目的を与え、「場所の可能性」をひらくことを掲げている。代表取締役CEOの大森みどりは記者会見で、今回の取り組みについて、「都市にとっての本質が文化。それが街に根差し、育っていくようなものを目指したい」と語った。

 NOT A CITYでは、単独の建築や施設をつくるだけでなく、NOT A HOTELやNOT A HOUSEによる滞在・居住拠点を、モビリティ事業のNOT A GARAGEなどによってつなぎ、宿泊、商業、飲食、エンターテインメント、移動を一体化した街づくりを構想している。

 そのもうひとつの具体例が、三菱地所とともに有楽町駅前で進めている「JAPA VALLEY TOKYO」だ。2027年春の開業を予定し、ファレル・ウィリアムスとNIGO®が手がけるアート・商業・ホスピタリティの複合空間として、日本酒を軸に食やファッションなどを横断する新たな観光拠点を目指している。 

 130年以上の歴史を持つ帝国ホテルの一角で、建て替えまでに生じる約4年間の「空白」を文化のための時間へと転換する「NOT A MUSEUM」。恒久的なミュージアムではなく、終わりがあらかじめ定められた場所だからこそ、どのような文化が生まれ、都市へと根を張っていくのか。NOT A CITYが掲げる新たな街づくりを占うプロジェクトとなりそうだ。