2026.10.5

安藤忠雄、ヘルツォーク&ド・ムーロン、ジャン・ヌーヴェル。NOT A HOTELが巨匠建築家との新プロジェクトを発表

NOT A HOTELが、安藤忠雄とヘルツォーク&ド・ムーロンによる新たなプロジェクトを発表した。安藤は近畿地方の海沿いに5棟のヴィラを、ヘルツォーク&ド・ムーロンは沖縄に1棟のヴィラを計画。あわせて、ジャン・ヌーヴェル率いるAteliers Jean Nouvelが手がける「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」の最新ビジュアルも公開された。

Next NOT A HOTEL designed by 安藤忠雄(完成予想図)
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 NOT A HOTELを展開するNOTAが、世界的建築家との新たなプロジェクトを発表した。今回明らかになったのは、安藤忠雄とスイス・バーゼルを拠点とするヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)による新規プロジェクト。さらに、すでに発表されていたジャン・ヌーヴェル率いるAteliers Jean Nouvelによる「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」の最新ビジュアルも公開された。

安藤忠雄、近畿の半島に5棟のヴィラ

 安藤忠雄建築研究所が手がけるのは、近畿地方の海沿いに計画されるヴィラだ。円形屋根や有機的な形状の水盤を特徴とし、安藤が長年追求してきたコンクリートを用いながら、直線と曲線を重ね合わせた幾何学的な空間をつくり出す。

 計画では、豊かな自然に包まれた半島の斜面に沿って5棟のヴィラを配置。厳格なグリッドを基調としながらも、地形に応じて高さを変化させ、森や海の風景へと建築を溶け込ませる。湾を挟んだ半島の先端に位置するヴィラには円形のフォルムを採用し、その中心には空へと開かれたヴォイドを設けるという。

 安藤は今回の計画について「美しく、そして激しい、半島の風景。その力に負けない建築を、どうつくるか。何とも難しい。けれど、心高ぶる挑戦です」とコメントしている。

Next NOT A HOTEL designed by 安藤忠雄(完成予想図)
Next NOT A HOTEL designed by 安藤忠雄(完成予想図)
Next NOT A HOTEL designed by 安藤忠雄(完成予想図)
Next NOT A HOTEL designed by 安藤忠雄(完成予想図)

ヘルツォーク&ド・ムーロンは沖縄に1棟のヴィラ

 いっぽう、プリツカー賞受賞建築家ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンによるヘルツォーク&ド・ムーロンは、沖縄を舞台に1棟のヴィラを設計する。

Next NOT A HOTEL designed by ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)(完成予想図)
Next NOT A HOTEL designed by ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)(完成予想図)

 特徴となるのは、崖から海へ向かって張り出す2枚の水平スラブだ。水平線への眺望を最大限に引き出すとともに、3枚目のスラブにはインフィニティプールを設置し、テラスとしても機能させる。建築そのものをランドスケープと競わせるのではなく、周囲の自然をより強く体験させることを目指している。 

 内部では、天井高を生かした開放的なリビング空間を中心に、オーク材によるスクリーン状の壁や、ベッドルーム、バスルーム、キッチンなどを彫刻的なオブジェクトとして組み込む。ミニマルな外観に対して、内部ではスケールやプロポーションの異なる空間が連続する構成となる。プロジェクトは、沖縄で開発実績を持つASAKAとの共同開発として進められる。

 ジャック・ヘルツォークはこのプロジェクトについて、以下のようなコメントを寄せている。「この建築が立つ敷地は、信じられないほど壮観であると同時に、繊細で傷つきやすい自然の一部でもあります。この特別な場所のための私たちの建築には、その自然に対する敬意と、そこから受ける高揚の両方が反映されています。目で見て、手で触れることのできる多様な素材を用い、スケールやプロポーションが変化していく空間の連なりを展開することで、ここを訪れる人々の感覚的な体験をより豊かなものにしていきます」。

Next NOT A HOTEL designed by ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)(完成予想図)
Next NOT A HOTEL designed by ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)(完成予想図)

ジャン・ヌーヴェルによる屋久島の建築も最新ビジュアルを公開

 さらに今回、ジャン・ヌーヴェル率いるAteliers Jean Nouvelが手がける「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」の最新ビジュアルも公開された。

 舞台は、豊かな生態系と太古の自然が残る屋久島。建築は大地から隆起するかのように岩とガラスによって構成され、雨の影や水の響き、森の気配を空間のなかへと取り込む。

NOT A HOTEL YAKUSHIMA designed by Jean Nouvel(完成予想図)

 ヌーヴェルが掲げるコンセプトの根底にあるのは、建築を単独のオブジェとして置くのではなく、石や庭、雨、水、風景と一体の体験としてとらえる考え方だ。ガラスなどのシンプルな素材を用いることで、屋久島特有の雨や水の存在をより強く知覚できる空間を目指す。

 ヌーヴェルはこれまで、パリのカルティエ現代美術財団やルーヴル・アブダビなどを手がけてきた建築家。今回の「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」でも、土地固有の環境を読み込みながら建築へと昇華させるアプローチが示されている。 

NOT A HOTEL YAKUSHIMA designed by Jean Nouvel(完成予想図)
NOT A HOTEL YAKUSHIMA designed by Jean Nouvel(完成予想図)
NOT A HOTEL YAKUSHIMA designed by Jean Nouvel(完成予想図)
NOT A HOTEL YAKUSHIMA designed by Jean Nouvel(完成予想図)

 安藤忠雄、ヘルツォーク&ド・ムーロン、ジャン・ヌーヴェル。それぞれ異なる建築思想を持つ3組が、日本の海や森、地形といった自然環境にどう応答するのか。宿泊施設という枠を超え、建築そのものを目的地として提示してきたNOT A HOTELの新たな展開として注目される。