2026.9.25

京都に新アートスペース「タイム堂ギャラリー」が11月開館。オープニングは森万里子、2027年には杉本博司展も

京都御所の西南に、新たなアートスペース「タイム堂ギャラリー」が11月にオープンする。開館展は森万里子の個展「Shrine II ─ 内なる光のトポロジー」。2027年には杉本博司展や、草野絵美がキュレーションするグループ展も予定されている。

森万里子《Shrine II》のイメージ
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 京都御所の西南に、タイム堂ギャラリーが11月にオープンする。運営するのは、2026年8月に京都で設立された一般財団法人未来文化創造財団(代表理事:堀内貞良)。芸術や工芸、学術研究、地域文化、伝統技術などを対象に、創造・記録・保存・研究・発信・継承をつなぐ活動を行うという。

オープニングは森万里子展

 そのオープニングを飾るのが、森万里子の個展「Shrine II ─ 内なる光のトポロジー」だ。会期は11月6日〜2027年3月31日。キュレーションは飯田高誉が手がける。なお森は、10月31日から東京・六本木の森美術館でも個展「森万里子:燦燦」を開催する。

 森万里子は、先端技術と古代的な象徴を融合させながら、人間と自然、宇宙の関係を問い続けてきたアーティスト。2003年の《Wave UFO》をはじめ、ポンピドゥー・センター、東京都現代美術館、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツなど国内外で作品を発表してきた。2025年の大阪・関西万博では《Cycloid III》と《Peace Crystal》を公開した。

 同展の中心となるのは、立体インスタレーション《Shrine II》。春日大社摂社・水谷神社の床下に鎮座する磐座へのオマージュとして制作され、幾重にも配された几帳の中心にクリスタル製の磐座が据えられる。古代から霊地として崇められてきた場の記憶と、クリスタルが反射・屈折させる光を重ねながら、森が長年探求してきた精神性や宇宙とのつながりを示す作品となる。

 あわせて会場には8点の掛軸を展示。森自身が体験した「光の記憶」を、平安古筆を思わせる筆致による詞書として表現したもので、文字の意味だけでなく、筆跡や墨の濃淡、時間とともに変化する自然光を通じて鑑賞者の知覚に働きかける構成だという。立体作品と平面作品を組み合わせ、ギャラリー全体をひとつの「知覚の装置」として構成するとしている。

大正期の町家2棟をギャラリーへ

 タイム堂ギャラリーの建築にも注目したい。同施設は、京都御所の南西角にある大正期建築の町家2棟を改修したもの。戦前から続いた時計店「タイム堂」と、喫茶「アスカ」だった建物をつなぎ、ひとつのギャラリーとして再生した。設計は丹青社の万井純が担当。北棟約116平方メートル、南棟約83平方メートルからなる。

タイム堂外観イメージ

 同館は今後、作家や工芸家、研究者、市民が出会い、展示や対話、共同制作、記録を通じて新たな文化的価値を育てる場を目指すとしている。

 森万里子展に続き、2027年春には企画展、6月頃には杉本博司展を開催。夏の企画展を経て、11月頃には草野絵美のキュレーションによるグループ展も予定されている。