2026.6.2

世田谷美術館で「ふたりのアフリカ、手仕事の宇宙」展が開催。人類学者・川田順造と陶芸作家・小川待子のコレクションに注目

東京・世田谷の世田谷美術館で、「ふたりのアフリカ、手仕事の宇宙――人類学者・川田順造と陶芸作家・小川待子のコレクション」が開催される。会期は7月11日〜9月6日。

川田順造・小川待子邸 撮影:渞忠之
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 東京・世田谷の世田谷美術館で、「ふたりのアフリカ、手仕事の宇宙――人類学者・川田順造と陶芸作家・小川待子のコレクション」が開催される。会期は7月11日〜9月6日。

《儀礼用仮面》ブルキナファソ 1970年代収集 川田順造・小川待子コレクション 撮影:渞忠之

 本展は、ヨーロッパ・西アフリカ・日本という3つの異なる視座から文化を見つめ、口頭伝承が豊かに息づく社会を調査するかたわら、人々の暮らしの道具からうかがえる世界観を洞察した人類学者・川田順造(1934〜2024)と、1970年代に夫である川田の調査助手として西アフリカのサバンナの国・ブルキナファソで3年半生活し、帰国後は独自の「うつわ」の制作により国内外で高く評価されてきた陶芸作家・小川待子(1946〜)によるコレクションを紹介するものとなる。1970年代の西アフリカでの調査と生活のなかで集められたこれらは、80年代にその一部が公開されて以来、長らく展観の機会に恵まれなかった貴重な手仕事のコレクションだ。

 本展では、エッセイの名手でもあった川田の『サバンナの博物誌』(1979、新潮社)などに記された言葉を手がかりに、600件をはるかに超える夫妻のユニークなコレクションから約350件を厳選して紹介する。

《動物型椅子》ブルキナファソ 1970年代収集 川田順造・小川待子コレクション 撮影:渞忠之
《男子成人儀礼用楽器》マリ 1970年代収集 川田順造・小川待子コレクション 撮影:渞忠之

1970年代の西アフリカで収集された手仕事のコレクション

 展覧会はイントロダクションと全4章で構成される。「イントロダクション:いろどる――赤、白、黒」では、サバンナの土や草木などによって彩られた草編みや革の小物、布などを紹介。第1章「アフリカとの出会い」では、1960年代の川田とアフリカとの出会いや、小川とともに訪れた北アフリカ・チュニジアを起点とする「マグレブ」への旅に着目。小川が旅先で描きとめ、のちに川田の雑誌連載「マグレブ紀行」の挿絵にもなったスケッチを初公開する。

《赤腰布》ブルキナファソ 1970年代収集 川田順造・小川待子コレクション 撮影:渞忠之

 第2章「サバンナに暮らす」では、「ひょうたんの器」「草を編む」「土器をつくる」「火の熱さ」の4つのセクションにわけ、大小様々なひょうたんの器、口頭伝承で重要な役割を果たす太鼓、草編みのかごやうちわ、素焼きの壺、真鍮のブレスレットなどを展示する。

《平底かご》ブルキナファソ 1970年代収集 川田順造・小川待子コレクション 撮影:渞忠之
《繕い入り鉢》ブルキナファソ 1970年代収集 川田順造・小川待子コレクション 撮影:渞忠之

 第3章「アフリカの色とかたち」は「布」「革」「ビーズ」のセクションから構成され、手織りの木綿帯を継ぎ合わせ、藍などで染めたブルキナファソの布、マリの泥染めなど、様々な表情を見せる西アフリカの染織のほか、クッションなどの革製品を紹介。また、ヨーロッパ人が奴隷貿易の際に使用したことに始まり、やがて西アフリカ現地でも生産されるようになったビーズも並ぶ。

《藍染め腰布継ぎ合わせ》ナイジェリア 1970-80年代収集 川田順造・小川待子コレクション 撮影:渞忠之

 第4章「海の見える家――ふたりのアフリカ」では、小川自身が空間ディレクションを務める。本章では、川田と小川の暮らしを彩ってきたコレクションを空間に配置して再構成。長い時間にわたって育まれてきたサバンナの手仕事が集結した空間が誕生するほか、小川の近作も2点展示される予定だ。

 なお会期中には、レクチャーやワークショップ、夜の美術館を巡るナイトツアーなど、様々な関連イベントが実施予定だ。プログラムの詳細に関しては公式ウェブサイトをチェックしてほしい。