2026.5.15

弘法大師生誕1250年を記念した特別展「空海と真言の名宝」が東京国立博物館で7月に開催。音声ガイドは大塚明夫

東京・上野の国立博物館で、弘法大師生誕1250年を記念した特別展「空海と真言の名宝」が開催される。会期は7月14日〜9月6日。

秘仏《弘法大師坐像》(江戸時代・17世紀) 和歌山・金剛峯寺 通期展示
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 東京・上野の東京国立博物館で、弘法大師生誕1250年を記念した特別展「空海と真言の名宝」が開催される。会期は7月14日~9月6日。なお本展は、文化庁、宮内庁、読売新聞社が共同で進める、皇室ゆかりの優品や国宝・重要文化財を国内外へと広く伝える取り組み「紡ぐプロジェクト」の一環として開催される。

 弘法大師空海(774~835)によって開かれた真言宗は、様々に分派した歴史を持つ。そのなかで中心的な役割を果たし、今日に続く「後七日御修法(ごしちにちみしほ)」(*1)を支えているのが、真言宗各派総大本山会(各山会)所属の十八本山(*2)だ。この十八本山が揃って出展を行うのは、今回が初の試みとなる。

 2023年に迎えた空海の生誕1250年を記念した本展では、十八本山と関係寺院の貴重な名宝を一堂に展示。全88件の品々を通じ、空海と真言密教、そして弘法大師信仰の歴史と広がりを体感できる構成となっている。

*1──空海が創始した真言宗最高の法会。1月8日〜14日までの7日間、京都・教王護国寺(東寺)灌頂院で鎮護国家、五穀豊穣、玉体安穏などを願い、各山会各派の山主らによって営まれる。1月7日まで神事が行われた後の7日間の修法であるため「後七日」の名が付けられており、一般公開されていない。

*2──真言宗の主要な16派の総本山・大本山である18の寺院。長谷寺、智積院、大覚寺、中山寺、教王護国寺(東寺)、善通寺、仁和寺、朝護孫子寺、醍醐寺、金剛峯寺、清荒神清澄寺、須磨寺、寶山寺、勧修寺、根來寺、西大寺、泉涌寺、随心院。

空海ゆかりの名宝から、そのレガシーを読み解く

 展示は全4章で構成される。第1章「空海と真言密教」では、空海ゆかりの名宝に加え、空海が日本に広めた真言密教の世界を体感できる美しい造形や豊かな図像が、「空海ゆかりの名宝」「密教美術の精華」「密教図像の世界」といった3つのセクションで紹介される。

国宝《金銅錫杖頭》(中国・唐時代・8世紀) 香川・善通寺 通期展示

 ここでは、高野山・金剛峯寺本坊に創建寺から安置されていたとされる秘仏《弘法大師坐像》をはじめ、空海が中国から持ち帰った国宝《金銅錫杖頭》、空海が密教経典や梵字を書き写した留学中のノートである国宝《三十帖冊子  第二十二帖》などが紹介される。

国宝《五大尊像》(鎌倉時代・12~13世紀) 京都・醍醐寺 前期展示:7月14日〜8月9日(不動明王、降三世明王)、後期展示:8月11日〜9月6日(軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王)
国宝《三十帖冊子 第二十二帖》空海ほか筆(平安時代・9世紀) 京都・仁和寺 後期展示:8月11日〜9月6日

 第2章「後七日御修法の世界」では、空海が創始した真言宗最高の法会「後七日御修法」の世界を、ゆかりの仏像や図像を通じて紹介する。とくに、教王護国寺(東寺)の秘仏で、重要文化財の《聖観音菩薩・梵天・帝釈天立像(二間観音)》の細部に見られる卓越した技巧は大きな見どころだ。

秘仏 重要文化財《聖観音菩薩・梵天・帝釈天立像(二間観音)》(鎌倉時代・13世紀) 京都・教王護国寺(東寺) 通期展示 写真提供:便利堂

貴重な「秘仏」11件を特別公開

 本展は各山会所属の十八本山すべてが集結する初の機会となるが、その名宝の数々は第3章「真言宗各派の名宝」にて取り上げられる。日本四大絵巻のひとつである《信貴山縁起絵巻》や、美しい料紙に綴られた筆跡が際立つ《泉涌寺勧縁疏》といった国宝が目白押しだ。

国宝《信貴山縁起絵巻 飛倉巻》(部分、平安時代・12世紀) 奈良・朝護孫子寺 前期展示:7月14日〜8月9日 写真提供:奈良国立博物館

 第4章「真言宗各派の彫刻と秘仏」では、真言宗各派に受け継がれる仏像の名品の数々を紹介。奈良時代に遡る古仏の数々から、初期密教彫刻の魅力を伝える傑作までが一堂に会する。とくに本展の目玉となるのは、普段は見ることのできない貴重な「秘仏」の特別公開だ。会期中、前後期にわたって全11件もの秘仏が上野の地に集結する、またとない機会となる。

 さらに、会期中には秘仏の一部が会場内に用意されたフォトスポットに登場。個人利用の範囲で撮影も楽しめるという。

国宝《五智如来坐像》(平安時代・9世紀) 京都・安祥寺蔵 通期展示
重要文化財《愛染明王坐像》(平安時代・12世紀) 山梨・放光寺 通期展示 写真提供:山梨県立博物館

展覧会ナビゲーターにMISIA、音声ガイドには大塚明夫が就任

 なお、本展ナビゲーターにはシンガーソングライターのMISIAが、音声ガイドには声優の大塚明夫が就任した。巡回なしの貴重な機会となるため、音声ガイドとともにじっくりと鑑賞するのもいいだろう。

本展の音声ガイドにてナレーションを務める声優・大塚明夫。大塚イチオシの秘仏は重要文化財《愛染明王坐像》とのこと 撮影:編集部