2025.12.22

札幌国際芸術祭2027が第1弾参加アーティスト、主要会場、新たなキュレーターを発表

2027年1月~2月に開催される札幌国際芸術祭(SIAF)2027が、第1弾参加アーティスト、主要会場、新たなキュレーターを発表した。

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 2014年の初回より、3年に1度開催されてきた「札幌国際芸術祭」(Sapporo International Art Festival、略称SIAF)。次回となるSIAF2027の第1弾参加アーティスト、主要会場、新たなキュレーターが発表された。

 SIAF2027のテーマは「PLANET SNOW(プラネット・スノー)ーupas mintar(ウパㇱ ミンタㇻ)/upas nociw(ウパㇱ ノチウ)」。これは、札幌をひとつの星「プラネット・スノー」に見立て、そこに暮らす人類の営みや歴史、文化、未来のあり方など、その星に広がりうる世界を探求するというコンセプトを反映したものだ。また、「ウパㇱ ミンタㇻ/ウパㇱ ノチウ」とは日本の先住民族として独自の文化を育んできたアイヌの言葉であり、ウパㇱは雪、ミンタㇻは庭、ノチウは星を意味する。芸術祭が多様な人々が集い共創する「雪の庭」「雪の星」となり、過去から未来へとつながる希望の道しるべとなるとの思いが込められている。

 SIAF2027では、過去開催から会場構成を大きく転換。中心となるのは札幌市民ギャラリーであり、これまでも会場となってきたモエレ沼公園、札幌市資料館(旧札幌控訴院庁舎)、札幌文化芸術交流センター SCARTS、さっぽろ雪まつり大通会場に、新たに札幌市青少年科学館、北海道博物館、中央区複合庁舎を加えた8会場が舞台となる。

札幌市民ギャラリー Photo by KUSUMI Erika 提供=札幌国際芸術祭実行委員会
モエレ沼公園 Photo by TAKUMA Noriko 提供=札幌国際芸術祭実行委員会
札幌市青少年科学館 Photo by KUSUMI Erika 提供=札幌国際芸術祭実行委員会
北海道博物館 提供=札幌国際芸術祭実行委員会
中央区複合庁舎 提供=札幌国際芸術祭実行委員会

 第1弾となる参加作家は10組。石狩の厳しい自然のなかで、地球の時間=ディープタイムを見つめながら鉄と向き合う彫刻家・川上りえ、漂流物や拾得物を組み合わせ、不思議な生き物たちを召喚する津別のシゲチャンランド(大西重成)、ときに身体ごと使用する驚異的な版画技術でこの世をユーモラスに描出する若木くるみが、北海道出身/在住アーティストとして作品を展示する。

川上りえ Landscape Will 2019 2019 Photo by MAEZAWA Yoshiaki SIAF2027参加アーティスト参考作品 提供=札幌国際芸術祭実行委員会
若木くるみ ぽっぴんを吹け娘 2020 SIAF2027参加アーティスト参考作品 提供=札幌国際芸術祭実行委員会

 北海道博物館には、いのちの在り方を問いかけた大阪・関西万博シグネチャーパビリオン「いのちの未来」を継承する、石黒浩/いのちの未来研究所によるアンドロイドが登場。ファッションデザイナー・中里唯馬は、氷河に覆われた極寒地のフィールドワークをへて生み出された新作シリーズGLACIERを場に即した特別な展示にする。

 スイスのメディアアート・コレクティブ Fragmentinは札幌でのリサーチを生かした作品を、フランスのアニメーション作家 Boris LABBÉは新作を発表予定。檜皮一彦は自身のメディアとして車椅子を用いSIAF2024をリサーチ。その成果を会場づくりに反映させるという。

石黒 浩/いのちの未来研究所 ヤマトロイド ©︎FUTURE OF LIFE SIAF2027参加アーティスト出展予定作品 提供=札幌国際芸術祭実行委員会
中里唯馬 Photo by NAKAZATO Yuima SIAF2027参加アーティスト参考画像 提供=札幌国際芸術祭実行委員会
Fragmentin GLOBAL WIRING 2023 SIAF2027参加アーティスト参考作品 提供=札幌国際芸術祭実行委員会
檜皮一彦 walkingpractice feat.HIWADROME 2023 SIAF2027参加アーティスト参考作品 提供=札幌国際芸術祭実行委員会

 雪まつり会場には、オーストラリアのアート&テクノロジースタジオ ENESSが国際的なデザイン賞を受賞した最新作とともに再登場。光と音が彩る巨大な岩のようなバルーンインスタレーション作品を披露する。札幌を拠点とする二人組のニューウェーブ・テクノポップバンド LAUSBUBがSIAF2024に続きテーマソングを手がける。

ENESS Iwagumi Air Scape Photo by Finbarr FALLON SIAF2027参加アーティスト出展予定作品 提供=札幌国際芸術祭実行委員会
LAUSBUB SIAF2027参加アーティスト参考画像 提供=札幌国際芸術祭実行委員会

 なお同芸術祭のクリエイティブ・ディレクターは前回同様に小川秀明が務め、フェスティバル・ディレクターに細川麻沙美、スクール・ディレクターに漆崇博、 スタジオ・ディレクターに丸田知明が名を連ねる。また、金澤韻がドラマトゥルクとして芸術祭全体のストーリーを監修するほか、キュレーターとしてメイン会場となる札幌市民ギャラリーの展示企画を担当。西翼が札幌市青少年科学館の展示企画を担当する。