2026.2.20

今週末に見たい展覧会ベスト10。保良雄からジェフ・クーンズ、ARTISTS’ FAIR KYOTO 2026まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

保良雄「TOTEM ORGA(H)/トーテムオルガ」展の展示風景より。中央管理棟の玄関ホールに展示された、エベレストでの保良のリサーチを記録した写真を使ったインスタレーション Photo by Akihiro Itagaki (Nacasa & Partners)
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もうすぐ閉幕

「大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション」(CREATIVE MUSEUM TOKYO

ROUND1「カプコン ゲームクロニクル」展示風景より、ポスターやメインアートの展示

 CREATIVE MUSEUM TOKYOで「大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション」が2月22日まで開催されている。レポート記事はこちら

 本展は、家庭用ゲーム機の登場から約半世紀にわたり発展してきたビデオゲームの表現に注目するもの。ドット絵から始まったゲームの映像表現は、現在では映画に並ぶ高精細な世界を生み出す領域へと進化し、テクノロジーと美術表現の双方を横断する文化として広く浸透している。 

 カプコンは1983年に大阪で創業し、「ストリートファイター」シリーズ、「バイオハザード」シリーズ、「モンスターハンター」シリーズなど、多様なタイトルを開発してきた。今回の展示では、企画書や原画、ポスター、パッケージなどのグラフィックワークを通じ、ゲーム制作のプロセスに関わる開発者の創造力と制作過程にフォーカスする。

会期:2025年12月20日~2026年2月22日
会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO
住所:東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 6階
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル) 
開館時間:10:00〜18:00(12月21日、2月22日、金土祝前日は〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 2900円 / 高大生 2000円 / 小中生 1000円

「上原沙也加 たとえすべての瓦礫が跡形もなくきれいに片付けられたとしても」(横浜市民ギャラリーあざみ野

展示風景より、上原沙也加《台湾 台南》(2024)「緑の日々」より Archival pigment print 59.4×84.1cm

 横浜市民ギャラリーあざみ野で「上原沙也加 たとえすべての瓦礫が跡形もなくきれいに片付けられたとしても」が2月22日に終了する。レポート記事はこちら

 上原沙也加は、1993年沖縄県生まれの写真家。主な受賞に、第36回写真の町東川賞新人作家賞(2020)、「VOCA展 2024 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」VOCA奨励賞、大原美術館賞(2024)がある。風景のなかに立ち現れる記憶や傷跡、場所やものが保持している時間の層を捉える実践として、写真作品を制作している。

 本展は、横浜市民ギャラリーあざみ野のシリーズ展「あざみ野フォト・アニュアル」の一環として開催する。2016年から2022年にかけて沖縄島で撮影されたカラーのシリーズ「眠る木」、最新作「前の浜」、2023年から取り組みを始めた台湾を取材したモノクロのシリーズ「緑の部屋」およびカラーのシリーズ「緑の日々」を展示。既作と最新作からなる全4シリーズを通して、上原の約10年にわたる写真制作の取り組みを展覧する。

会期:2026年1月24日〜2月22日
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野
住所:横浜市青葉区あざみ野南1-17-3
電話番号:045-910-5656 
開館時間:11:00〜18:00 
料金:一般 500円 / 20歳未満および学生・65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方と介護者1名は無料(ミライロID可)

保良雄「TOTEM ORGA(H)/トーテムオルガ」(港北水再生センター)

沈砂池の「HUMAN POO 88%」と刻印されたレンガ Photo by Akihiro Itagaki (Nacasa & Partners)

 港北水再生センターで、保良雄の個展「TOTEM ORGA(H)/トーテムオルガ」が2月22日まで行われている。レポート記事はこちら

 本展は、BankART1929が約20年にわたる施設運営契約を終えたあと、都市の内部へと活動の軸足を移す新たなフェーズにおける自主事業の第一弾として企画されたもの。稼働中の都市基盤施設を会場とし、アーティストと伴走しながら、都市や社会における既存の制度や不可視化された構造を批評的に捉え直す試みとなっている。

 会場となる港北水再生センターは、横浜市の下水処理施設であり、雨水排水や汚水処理を通じて公共衛生の維持、水環境の保全、資源循環を支える都市インフラだ。本展では、保良の身体経験を起点に、存在の配置そのものを組み替える実践を展開する。汚泥や再生水、微生物といった都市の内奥で機能する要素をトーテムの一部として再配置し、それらの関係性全体を通して作動する構造を示している。

企画:BankART1929
会期:2026年2月13日〜15日、20日〜22日
会場:港北水再生センター
住所:神奈川県横浜市港北区大倉山7-40-1
開館時間:事前申込のツアー形式(申し込みサイトは2026年1月30日公開)
料金:600円

今週開幕

「トワイライト、新版画―小林清親から川瀬巴水まで」(三菱一号館美術館

 三菱一号館美術館で「トワイライト、新版画―小林清親から川瀬巴水まで」展がスタートした。

 本展は、明治9年に小林清親が開始した『東京名所図』を起点に、明治から昭和初期にかけて展開した風景版画の系譜を紹介するもの。清親が確立した光と陰影を特徴とする表現や、明治末期に浮世絵復興を志向した新版画の動向に注目する。

 展示では、小林清親から吉田博、川瀬巴水に至るまでの風景版画を、スミソニアン国立アジア美術館のミュラー・コレクションを通して紹介。新版画が継承した技術や情趣を軸に、新たな日本の風景表現の展開をたどる。

会期:2026年2月19日~5月24日
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(祝除く金、第2水、会期最終週平日~20:00)(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月(祝日・振替休日を除く)(4月6日、2月23日、3月30日、4月27日、5月18日は開館)
料金:一般 2300円 / 大学生 1300円 / 高校生 1000円

アンドリウス・アルチュニアン「Obol」(銀座メゾンエルメス ル・フォーラム

Andrius Arutiunian Synthetic Exercises 2023 Courtesy of the artist Photo by Jonas Balsevicius

 銀座メゾンエルメス ル・フォーラムで、アンドリウス・アルチュニアンの個展「Obol」が2月20日に始まっている。

 アンドリウスは「聴く」ことのハイブリッドな形式やヴァナキュラーな知識、現代的な宇宙論を扱い、時間性や共鳴、オルタナティヴな世界の秩序をテーマにリサーチと制作を行っている。第59回ヴェネチア・ビエンナーレ(2022)ではアルメニア・パビリオン代表として参加し、第14回上海ビエンナーレ、第15回光州ビエンナーレ、第17回リヨン・ビエンナーレにも参加している。

 本展は、エルメス財団がThe 5th Floorのディレクター岩田智哉をゲスト・キュレーターに迎え、日本で初めて開催するアンドリウスの個展となる。展示は新作によって構成され、制作には、かつて聖性を付与されながら現代では世俗的用途に転用されている物質である瀝青が用いられる。展示空間には音像、銀貨オボル、蛇、神話的図像などが配置され、アルチュニアンの作品世界を紹介する。

会期:2026年2月20日~5月31日
会場:銀座メゾンエルメス ル・フォーラム
住所:東京都中央区銀座5-4-1
電話番号:03-3569-3300
開館時間:11:00~19:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:無休
料金:無料

ジェフ・クーンズ「PAINTINGS AND BANALITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」(エスパス ルイ・ヴィトン大阪

Jeff Koons Monkey Train(Birds) 2007 ©Jeff Koons Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris

 エスパス ルイ・ヴィトン大阪で、ジェフ・クーンズの展覧会「PAINTINGS AND BANALITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」が2月20日から開催されている。

 ジェフ・クーンズは、1980年代以降、現代アートの分野で活動を続けるアメリカ人アーティスト。彫刻や絵画を中心に制作を行い、国際的な展覧会や美術館で作品が発表されてきた。

 本展では、フォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションから、クーンズのキャリアを象徴するシリーズより厳選された彫刻作品および絵画作品7点を展示。本展覧会は、フォンダシオン ルイ・ヴィトンが所蔵作品を世界各地のエスパス ルイ・ヴィトンで公開する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として開催される。

会期:2026年2月20日~7月5日
会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-8-16(ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋 5F)
電話番号:0120-00-1854
開館時間:12:00~20:00
休館日:ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準ずる
料金:無料

「生誕1200年 歌仙 在原業平と伊勢物語」(三井記念美術館

 三井記念美術館で、開館20周年特別展「生誕1200年 歌仙 在原業平と伊勢物語」が2月21日から開催される。 

 在原業平(825~80)は、平安時代前期に活躍した歌人であり、天皇の孫として生まれ、和歌に優れた貴公子として知られる。その人物像は、「歌仙」および「恋多き歌人」としての側面が、『伊勢物語』の主人公に仮託されることで広く知られるようになった。

 本展は、三井記念美術館の開館20周年を記念して開催される特別展のひとつであり、在原業平生誕1200年にあたる年にあわせて企画された。根津美術館と協力して開催される展覧会の一環として、三井記念美術館では『伊勢物語』を題材に生み出された絵画、工芸、茶道具などの作品を展示し、そのイメージの広がりと造形の多様性を紹介。また、『古今和歌集』や、近世における版本・絵入本などの典籍を通じて、『伊勢物語』の成立と普及の過程に関する資料も展示する。

会期:2026年2月21日~4月5日
会場:三井記念美術館
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:2月22日、3月16日
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下 無料

「福田尚代 あわいのほとり」(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館

 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館で「福田尚代 あわいのほとり」展が2月21日に開幕する。

 本展は、言葉と造形の両面から独自の制作を展開してきた美術家・福田尚代の思索と実践をたどる個展である。福田は「世界は言葉でできている」という認識のもと、言葉を最小単位の「粒子」として捉え、分解や再構成を通じて意味の生成と消滅の過程を探ってきた。回文を中心とする言葉の表現と並行し、本や手紙、栞ひもなど、言葉の記憶を宿す素材に彫刻的な操作を施す造形作品を制作している。

 本展では、初期作から近年作までの主要作品に加え、空間全体を用いたインスタレーションを通じて、生と死、存在と不在の「あわい」に光を当てる福田の創作世界を紹介する。

会期:2026年2月21日〜5月17日
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1
電話番号:0467-22-5000
開館時間:09:30~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月(2月23日、5月4日を除く)
料金:一般 700円 / 20歳未満・学生550円 / 65歳以上 350円 / 高校生 100円

「キュンチョメ 100万年の子守唄」(滋賀県高島市大溝地域の3つの家)

 滋賀県立美術館が琵琶湖の北側地域(湖北)で始める新たなプロジェクト「ASK」の第1弾として、「キュンチョメ 100万年の子守唄」展が2月21日から行われる。

 本展は、琵琶湖西岸に位置する高島市大溝地区を舞台に、アートユニット、キュンチョメ(ホンマエリ+ナブチ)の表現世界を紹介する個展である。映像を中心に、社会や自然、災害と向き合ってきた彼らは、悠久の時を刻み、人や生き物を見守り続けてきた琵琶湖の存在を「100万年の子守唄」になぞらえた。

 本展では、この地に着想を得た新作4点を含む映像、立体、平面作品計8点を、歴史ある民家3軒に展開する。水とともに生きてきた町の記憶と作品が交差する空間は、自然と人間の関係を静かに問いかけるだろう。滋賀県立美術館による新プロジェクト「ASK」の第一弾として開催される。

会期:2026年2月21日~4月19日
会場:滋賀県高島市大溝地域の3つの家
住所:旧福井盛弘堂(高島市勝野1340[宝・北本町])、中田家住宅旧米蔵(高島市勝野1350[宝・紺屋町])、林家住宅旧米蔵(高島市勝野1256[中町])
開館時間:10:30~16:30
休館日:月〜木(2月23日を除く)
料金:無料

「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2026」(京都国立博物館ほか)

 京都国立博物館 明治古都館ほかで「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2026」が開催される。会期は2月21日~23日。

 ARTISTS’ FAIR KYOTOは、歴史的・文化的価値を有する会場を用い、現代美術における多様な表現を紹介する取り組みとして継続的に開催されてきた。

 本フェアは、京都国立博物館 明治古都館および臨済宗大本山 東福寺を主会場とし、ペインティングやインスタレーションなど多様な表現を展示。また、サテライトイベントとして、京都市内の企業、ギャラリー、商業施設、ホテルなど6会場で「ARTISTS’ FAIR KYOTO:SATELLITE 2026」を開催し、AFKに所縁のあるアーティストの作品を紹介する。会期中には、臨済宗大本山 東福寺において、多様な領域で活動するクリエイターを招いたトークプログラムを実施するほか、過去出品作家による特別展、受賞作家の個展、制作現場を公開するプログラムなど、複数の関連企画を展開する。

会期:[メイン会場]2026年2月21日~2月23日、[AFK Resonance Exhibi]2026年2月21日~3月1日
会場:京都国立博物館ほか
住所:京都府京都市東山区茶屋町527
電話番号:075-525-2473
開館時間:メイン会場 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで) AFK Resonance Exhibition会場 9:00~16:00(入館は閉館の30分前まで)
料金:2000円