2025.11.6

「クィア・ゲーム」を実際にプレイできる展覧会「Under Commons」がArt Center NEWで開催。世界初のLGBTQゲームの本邦初展示も

新高島駅直結のArt Center NEWで「クィア・ゲーム」を実際にプレイできる展覧会「Under Commons」が開催されている。会期は11月16日まで。

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 みなとみらい線新高島駅直結のArt Center NEWで、「クィア・ゲーム」を実際にプレイできる展覧会「Under Commons」が開催されている。会期は11月16日まで。

 「クィアゲーム」とは、性的・ジェンダー的規範や社会的規範に対して異議申し立てを行い、プレイ、デザイン、物語、あるいは世界の構築そのものを通じて、別様の関係性や存在のかたちを提示するゲームのこと。本展は、近藤銀河、高島鈴をゲストキュレーターに迎え、そんなカテゴリに当てはまる5つのビデオゲームを、会場でプレイできる形式でとなっている。ここで紹介されるビデオゲームは、個人や小規模チームによって制作され、個々に具体的なテーマが表現されている。この背景には、ゲームエンジン(制作環境)の発達により、個人や小規模チームでもゲーム制作が可能になったという状況がある。さらに配信プラットフォームの整備が行われたことで、多様な作品が生み出されるようになった。

 「具体的なテーマを表現したゲーム」と言ってもそのありようは様々であり、本展では、各ゲームが提示する問題設定やテーマの具体性、そしてそこから立ち現れる洞察を核として構成されている。

 また「Under Commons」という本展のタイトルは、Fred MotenとStefano Harneyの同名のマニフェスト、そしてそれを引用したJack Halberstamの論集『失敗のクィアアート』から着想を得たもの。公的な組織に抑圧された者たちによる「知識生産」の実現に関する問いに対し、ビデオゲームの機能を紐づける内容となっている。

 なお、会場の無料スペースでは、世界初のLGBTQゲーム『Caper in the castro』(1989 CM Ralph )の本邦初展示も同時開催されている。

『ファミレスを享受せよ』(2023 月刊湿地帯)
『Sephonie』(2022 MelosHan-Tani,MarinaKittaka)
『Milky Way Prince-The Vampire Star』(2020 EyeGuys,Lorenzo Redaelli,”Published by Santa Ragione”)
『VA-11 Hall-A:Cyberpunk Bartender Action』(2016 Sukeban Games)
『A HERO AND A GARDEN』(2022 npckc)