東京藝術大学はいまなぜ「ゲーム・インタラクティブアート専攻」を新設するのか? 芸術としての「ゲーム」追求へ
東京藝術大学が、大学院映像研究科修士課程の新たな専攻として「ゲーム・インタラクティブアート専攻」を2026年に開設する。藝大がいま「ゲーム」に注目する理由とは?

東京藝術大学が、大学院映像研究科修士課程の新たな専攻として「ゲーム・インタラクティブアート専攻」を2026年に開設する。
同大学では、美術や音楽、映像、プログラミングなどのデジタル技術など、様々な技術を組み合わせて構成されるゲームを「現代における新しい総合芸術」としてとらえ、2019年より映像研究科メディア映像専攻・アニメーション専攻内にゲームコースを新設。ゲームに関わる教育研究が展開されてきた。
今回修士課程としてゲーム・インタラクティブアート専攻が新設されることとなった背景には、遊びとしてのゲームのみならず、教育や医療、地域振興の現場など幅広く活用されるようになってきたことを受けたものでもあるという。従来のゲームコースでの実績を発展させ、芸術分野のアプローチによってゲームの多様性や可能性をさらに拡大させるべく、様々な角度から教育研究を展開させることが目的となっている。

同専攻の新設について、学長・日比野克彦は挨拶のなかで次のように述べた。「インタラクティブという行為は、絵画や彫刻を鑑賞するように、アートの素地としてあったものだ。ゲームの爆発的な普及を鑑みながらも、藝大がこの専攻をつくることで、アートの領域からゲームの在り方を広げていきたい」。さらに、自動車産業の時価総額をエンタメ産業が抜いたという昨今の状況も踏まえ、「今後日本が対外的に発信していくのに重要なのは芸術文化の姿である」と産業界とのつながりをも意識していく旨も語った。
