2025.11.21

三連休に見たい展覧会ベスト18。笹本晃、岡山芸術交流、千葉国際芸術祭にミナ・ペルホネンまで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

開館30周年記念展「日常のコレオ」(東京都現代美術館)展示風景より、FAMEME《THORNITURE》(2025)
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「笹本晃 ラボラトリー」(東京都現代美術館

展示風景より、《スピリッツの3乗》(2020)

 東京・清澄白河の東京都現代美術館で2000 年代半ばより、パフォーマンス、ダンス、インスタレーション、映像など、自身のアイディアを伝えるのに必要なメディアを横断的にもちいた作品を手がけてきた笹本晃の個展「笹本晃 ラボラトリー」が11月24日まで開催されている。会場レポートはこちら

 本展タイトルの「ラボラトリー」は、実験、演習あるいは研究のための空間を指す。鑑賞者が、美術館のホワイトキューブ内で笹本とその作品の生態を観察し検証する機会という意味あいとともに、この世界で起きる大小さまざまな現象について、注意深く観察し、分析しようと試みる、笹本の視点を示唆している。

 本展では初期のパフォーマンス/インスタレーションの代表作から、造形物自体のキネティックな要素が強まる最新作まで、独自の実践をかさねてきた笹本の異才とその作品を、動的に検証している。

会期:2025年8月23日~11月24日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話:03-5245-4111
開館時間:10:00~18:00(8・9月の金は〜21:00) (展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月(11月24日は開館)
観覧料:一般 1500円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 1000円 / 中高生 600円 / 小学生以下 無料

開館30周年記念展「日常のコレオ」(東京都現代美術館

展示風景より、FAMEME《THORNITURE》(2025)

 東京都現代美術館で「開館30周年記念展 日常のコレオ」が開催されている。会期は11月24日まで。会場レポートはこちら

 本展は、アーティスト、鑑賞者とともに、現代美術を通してこれからの社会を多角的に思考するプラットフォームの構築を目指し、作品展示のみならず、鑑賞者の参加と対話を伴うパフォーマンスやワークショップも数多く展開する。

 本展では、ジェンダー規範にもとづく家庭から美術館のような制度的空間、ムンバイや沖縄などの都市空間に至るまで、異なる場所における人々の営みや身振りに着目し、変容をもたらす主体性の現れを探求。本展覧会は、人々の日常を織りなす場所に内在する文化的、政治的、経済的諸力の相互作用を掘り下げながら、しばしば社会構造に組み込まれた見えない暴力や抑圧の力学を可視化し、その影響を浮き彫りする。同時に、そこに生きる人々の経験、記憶、切望に光をあて、従属を拒み逸脱する抵抗の身振りと、それを生み出す創造性やユーモアについての洞察を与えるだろう。

会期:2025年8月23日~11月24日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話:03-5245-4111
開館時間:10:00~18:00(8月、9月の金は〜21:00) (展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月(11月24日は開館)
観覧料:一般 2100円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 1100円 / 中高生 500円 / 小学生以下 無料

「岡山芸術交流 2025 The Parks of Aomame 青豆の公園」

展示風景より、フィリップ・パレーノ 石田ゆり子《メンブレン》

 岡山城・岡山後楽園周辺エリアの様々な歴史文化施設で「岡山芸術交流 2025 The Parks of Aomame 青豆の公園」が11月24日まで開催されている。会場レポートはこちら

 アーティスティック・ディレクターのフィリップ・パレーノにより提唱されたタイトル「The Parks of Aomame 青豆の公園」は、村上春樹『1Q84』の登場人物・青豆にインスピレーションをうけたもの。

 世界11ヶ国から選ばれた30組のアーティスト、建築家、音楽家、思想家たちによる「ギルド」が、歴史と都市景観を編集し、街そのものをアートとして再定義する。それにより、今年の岡山芸術交流は屋外だけでなく屋内会場も含めすべて無料となり、誰もが気軽に体験できる開かれた芸術祭となっている。

会期:2025年9月26日~11月24日
会場:岡山城・岡山後楽園周辺エリア 各会場
開館時間:9:00~17:00 ※詳細は公式ウェブサイトを要確認
観覧料:無料

千葉国際芸術祭2025

展示風景より、藤浩志《33年後のかえる》

 千葉市内各所で、「千葉国際芸術祭2025」が開催されている。会期は11月24日まで。会場レポートはこちら

 初回となる今回は、アーティストであり東京藝術大学美術学部教授の中村政人を総合ディレクターに迎え、「ちから、ひらく。」をコンセプトに展開。国内外から選ばれた32組のアーティストが参加し、地域の多様な主体による単独プロジェクト5本を含め、全37本のアートプロジェクトが実施されている。これらのプロジェクトは、作品発表にとどまらず、地域住民との協働によって実現される「市民参加型アートプロジェクト」であることが大きな特徴となっている。

 芸術祭の目的は、観光振興にとどまらず、市民一人ひとりの創造性を育み、地域における持続的な文化の土壌を築くこと。芸術祭が地域における持続的な文化創造の礎となり、千葉市の「人づくり」「まちづくり」「未来づくり」に寄与することを目指した。

会期:2025年9月19日~11月24日
会場:千葉市内各所
住所:千葉県千葉市内各所
観覧料:無料

「小出楢󠄀重 新しき油絵」(大阪中之島美術館

小出楢󠄀重 卓上静物 1928 京都国立近代美術館

 大阪中之島美術館で「小出楢󠄀重 新しき油絵」が11月24日まで開催されている。

 小出楢󠄀重(1887〜1931)は大阪生まれ。東京美術学校を卒業後、二科展に《Nの家族》を出品し画壇にデビューした楢󠄀重は、43歳で急逝するまで日本人としての油彩画を追求し続け、静物画や裸婦像において数々の傑作を残した。「裸婦の楢󠄀重」と呼ばれるように裸婦像の名手として知られ、とくに1926年の芦屋への転居後約5年のうちに制作された作品群では、大胆なデフォルメと艶やかな色彩により日本人女性の裸体を独自の造形美へと高めている。

 本展では、初期から晩年までの画業を各時代の代表作とともにたどり、楢󠄀重の油彩画の魅力に改めて迫る。また、素描、ガラス絵、装幀、挿絵、随筆なども紹介している。

会期:2025年9月13日~11月24日
会場:大阪中之島美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
電話:06-4301-7285
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉場の30分前まで
休館日:月(11月24日は開館)
観覧料:一般 1700円 / 高大生 1200円 / 中学生以下 無料

「没後50年 堂本印象 自在なる創造」(京都国立近代美術館

展示風景より

 京都国立近代美術館で「没後50年 堂本印象 自在なる創造」が11月24日まで開催されている。会期は11月24日まで。会場レポートはこちら

 堂本印象(1891〜1975)は、1918年に京都市立絵画専門学校に入学し、20年には西山翠嶂が主宰する画塾「青甲社」に入門。第1回帝展に《深草》を出品して初入選、第3回帝展では《調鞠図》で特選を、第6回帝展では《華厳》で帝国美術院賞を受賞するなど、官展を中心に活躍した。細密な具象画を得意としたが、60歳を過ぎて渡欧して以降は抽象的な作風に転じ、筆のストロークを活かした躍動感あふれる抽象画を展開した。

 本展では、官展に出品された代表作をはじめとする作品群によって、具象から抽象へと至る創造の軌跡をたどり、その画業の全貌に迫る。京都画壇にとどまらず、全国的に知られた堂本印象の多様な表現の変遷を紹介している。

会期:2025年10月7日~11月24日
会場:京都国立近代美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町
電話番号:075-761-4111 
開館時間:10:00~18:00(金〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 1500円 / 大学生 700円 / 高校生以下・18歳未満 無料

「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」(大阪市立東洋陶磁美術館

国宝 飛青磁花生 元・14世紀/龍泉窯 大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真=六田知弘

 大阪市立東洋陶磁美術館で、特別展「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」が開催されている。会期は11月24日まで。

 青磁とは、微量な鉄分を含んだ釉薬をかけ、高温で焼くことで青緑色に発色させた陶磁器だ。青磁には長いの歴史があり、2世紀の中国で誕生し、その後発展を遂げながら朝鮮半島や日本をはじめ世界各地へと広まった。

 本展では、大阪市立東洋陶磁美術館のコレクションのなかから、中国や韓国の名品を展示するとともに、日本や近現代の青磁作品も紹介。なお、本展とともに同館コレクションの代表的作品を鑑賞できる「特別展示」と「コレクション展」、さらに大阪・関西万博開催記念の企画として「大阪の宝―MOCOの宝20選」に選定された作品も同時に展覧している。

会期:2025年4月19日~11月24日
会場:大阪市立東洋陶磁美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島1-1-26
電話:06-6223-0055
開館時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:一般 2000円 / 高校生・大学生 800円 / 中学生以下 無料

「円山応挙―革新者から巨匠へ」(三井記念美術館

展示風景より、円山応挙《遊虎図襖(東面)》(1787・天明7)部分 香川・金刀比羅宮

 三井記念美術館で、開館20周年特別展「円山応挙―革新者から巨匠へ」が開催されている。会期は11月24日まで。会場レポートはこちら

 写生にもとづく応挙の絵は、当時の鑑賞者に、まるで眼前に実物が存在するかのような臨場感を与え、それまでの絵画表現とは一線を画すリアリティを提示した。その革新的な画風は瞬く間に京都画壇を席巻し、のちに円山四条派を形成した。

 本展では、応挙が「革新者」から「巨匠」になっていくさまを、重要な作品を通して紹介している。

会期:2025年9月26日~11月24日
会場:三井記念美術館
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月、10月27日
観覧料:一般 1800円 / 大学・高校生 1300円 / 中学生以下 無料

オトボン・ンカンガ シェイプド・バイ・メニー(金沢21世紀美術館

オトボン・ンカンガ Tied to the Other Side 2021 金沢21世紀美術館蔵 photo: Wim van Dongen

 石川・金沢の金沢21世紀美術館で「オトボン・ンカンガ シェイプド・バイ・メニー」が11月24日まで開催されている。

 オトボン・ンカンガは1974年ナイジェリア・カノ生まれ。現在はベルギー・アントワープを拠点に活動している。ナイジェリアのオバフェミ・アウォロウォ大学、パリ国立高等美術学校、アムステルダムのDasArtsで学び、舞台芸術の修士号を取得。自然環境と人間との関係性に着目し、物語や政治性を含むテーマを多様な表現で探究している。

 本展では、金沢21世紀美術館が昨年度に収蔵したタペストリー作品とともに、作家が石川県に滞在してリサーチを行い、地域のつくり手たちとのコラボレーションによって生まれた新作《シェイプド・バイ・メニー》を初公開。輪島塗、山中漆器、珠洲焼、能登上布といった県内の多様な素材や伝統技術が融合されており、杖(スティック)状のかたちで表現されている。

会期:2025年9月27日~11月24日
会場:金沢21世紀美術館
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話:076-220-2800
開館時間:10:00~18:00(金土~20:00)
休館日:月(11月24日は開場)
観覧料:無料

「ルーシー・リー展 ―東西をつなぐ優美のうつわ―」(国立工芸館

展示風景より、ルーシー・リー《ブロンズ釉花器》(1980)

 石川・金沢の国立工芸館で、企画展「移転開館5周年記念 ルーシー・リー展 ―東西をつなぐ優美のうつわ―」が11月24日まで開催されている。会場レポートはこちら

 本展では、20世紀を代表するイギリスの陶芸家ルーシー・リー(1902〜95)の作品を、国立工芸館に寄託された井内コレクションを中心に約120点紹介。
リーはオーストリア・ウィーン生まれ。ウィーン工芸美術学校で轆轤(ろくろ)に出合い、陶芸の道へと進む。作家としての地位を確立しながらも、1938年に亡命を余儀なくされると、作陶の場をイギリス・ロンドンへ移した。ウィーン、ロンドン、当時の美術のエッセンスを吸収して昇華し、しなやかながら芯を感じさせる優美な形、色彩がリーの作品の特徴となっている。

 本展では、リーが出会った人、もの、場所、そして時代背景を交えながらその作品を紐解く。

会期:2025年9月9日~11月24日
会場:国立工芸館
住所:石川県金沢市出羽町3-2
電話:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:30(入館は閉館30分前まで)
観覧料:一般 1200円 / 大学生 800円 / 高校生 500円 / 中学生以下無料

「生誕100年 山下清展-百年目の大回想」(山梨県立美術館

山下清 長岡の花火 1950 山下清作品管理事務所蔵 ©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2025

 山梨・甲府の山梨県立美術館で「生誕100年 山下清展-百年目の大回想」が開催されている。会期は11月24日まで。

 山下清は「放浪の天才画家」として、旅先で見た風景を記憶にとどめ、帰宅後に細部まで忠実に再現する制作方法で知られる。山下は色紙を無数にちぎり、緻密に貼りかさねることで旅先の風景を表現していた。また、水彩画やペン画、陶磁器の絵付けにも取り組み、その表現は多岐にわたる。

 本展は、山下の生誕100年を記念し、その画業と人生を回顧するもの。展示作品は、代表的な貼絵に加え、水彩画、ペン画、陶磁器の絵付けなど約190点に及ぶ。さらに、愛用のリュックサックや浴衣といった関連資料も紹介され、山下の人物像や生き様にも迫っている。

会期:2025年9月20日~11月24日
会場:山梨県立美術館
住所:山梨県甲府市貢川1-4-27
電話:055-228-3322
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
観覧料:一般 1000円 / 大学生 500円 / 高校生以下 無料

もうすぐ開幕

「つぐ minä perhonen」(世田谷美術館

 世田谷美術館で「つぐ minä perhonen」展が開催される。会期は11月22日~2026年2月1日。

 ファッション・テキスタイルブランド「ミナ ペルホネン」は、デザイナーの皆川明によって1995年に設立。ブランド名はフィンランド語で「minä」は「私」、「perhonen 」は「ちょうちょ」を意味し、ファッションを中心に、インテリアや陶器など多分野へと展開し、日常の中に長く寄り添うデザインを提案してきた。

 本展は、創設30周年を迎えた節目に開催されるものである。“つぐ”という言葉をテーマに、これまでの活動が生み出してきたつながりや継承のかたちを探る。皆川によるデザインの発想から、職人たちの手技によるテキスタイル、さらに共鳴する人々との協働まで、その広がりを多角的に紹介する。

会期:2025年11月22日~2026年2月1日
会場:世田谷美術館
住所:東京都世田谷区砧公園1-2
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(11月24日、2026年1月12日は開館)、11月25日、年末年始(2025年12月29日~2026年1月3日)、2026年1月13日
観覧料:一般 1700円 / 65歳以上 1400円 / 大高生 800円 / 中小生 500円 / 未就学児 無料

「FUJI TEXTILE WEEK 2025」

メインビジュアル

 山梨県富士吉田市下吉田本町通り周辺地域で、布の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK 2025」が開催される。

 FUJI TEXTILE WEEKは、織物の街・富士吉田市を舞台に、テキスタイルを軸としてアートとデザイン、そして地域文化を結びつける芸術祭だ。今年のテーマは「織り目に流れるもの」。織物の表層の下に流れる音や手のリズム、記憶、土地の気配といった目に見えない力に注目し、織物の文化的・歴史的背景を探る試みとして開催される。

 これまでのFUJI TEXTILE WEEKでは、大巻伸嗣、落合陽一、清川あさみなど、国内外で活躍するアーティストが参加し、繊維産業の歴史をもつ街の空間を活かした展示が行われてきた。2025年の開催でも、繊維工場や問屋建物などの地域資源を展示会場として活用し、アーティストの作品を通して新たな創造的視点を提示する。

会期:2025年11月22日~12月14日
会場」⼭梨県富士吉田市下吉田本町通り周辺地域
住所:山梨県富士吉田市下吉田本町
開館時間:10:00~17:00
休館日:11月25日、12月1日、12月8日
観覧料:一般 2500円 / 学生 2000円 / 高校生以下および18歳未満 無料

「NEGORO 根来 - 赤と黒のうるし」(サントリー美術館

重要文化財 瓶子 1346年銘 一対二口のうち一口 惣社水分神社
写真提供:宇陀市教育委員会事務局 文化財課 【通期展示(入替あり)】

 サントリー美術館で「NEGORO 根来 - 赤と黒のうるし」が開催される。会期は11月22日~2026年1月12日。

 本展は、和歌山県の根來寺で制作された朱漆器「根来塗」に焦点をあて、その美と技の歴史をたどるもの。中世に大寺院として栄華を極めた根來寺で作られた高品質の朱漆器は、堅牢な下地に黒漆の中塗と朱漆をかさねた漆器として知られ、江戸時代以降「根来」の名で呼ばれるようになった。これらは寺院や神社などの宗教施設だけでなく、民衆の生活のなかでも用いられていた。

 本展では、根來寺が繁栄した中世の漆工品を中心に、その前後の時代に制作された年紀を有する品や、伝来が確かな名品、名宝を紹介する。

会期:11月22日~2026年1月12日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
電話:03-3479-8600
開館時間:10:00~18:00(金、1月10日は〜20:00) (入館は閉館の30分前まで)
休館日:火、12月30日〜1月1日(1月6日は〜18:00)
観覧料:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 高校生 1000円

「デザインの先生」(21_21 DESIGN SIGHT

 東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで、企画展「デザインの先生」が開催される。会期は11月21日~2026年3月8日。

 本展は、ブルーノ・ムナーリ、マックス・ビル、アキッレ・カスティリオーニ、オトル・アイヒャー、エンツォ・マーリ、ディーター・ラムスに注目し、「デザインの先生」としてその活動を紹介するものである。展覧会ディレクターには、川上典李子と田代かおるを迎える。各々の代表作やプロセスに加え、写真・映像・記録・言葉などを通じてその思考や人間性を伝える構成となっている。展示には、武蔵野美術大学基礎デザイン学科の協力のもと、菱川勢一による映像インスタレーションも含まれ、オトル・アイヒャーに関する未公開映像も紹介される。

 また、6名の活動に関連するプロダクトや組織として、ムナーリ、カスティリオーニ、マーリが関わったイタリアのインテリアブランド「DANESE」や、ビル、アイヒャーの拠点であったドイツ・ウルム造形大学も取り上げられる。さらに、ウルム造形大学に留学し、日本におけるデザイン学の礎を築いた向井周太郎の功績にも注目する。

会期:2025年11月21日~2026年3月8日
会場:21_21 DESIGN SIGHT
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
電話:03-3475-2121
開館時間:10:00~19:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:火、年末年始(12月27日〜1月3日)
観覧料:一般 1600円 / 大学生 800円 / 高校生 500円 / 中学生以下 無料

「小林徳三郎」(東京ステーションギャラリー

小林徳三郎 金魚を見る子供 1928 東京国立近代美術館

 東京駅の東京ステーションギャラリーで「小林徳三郎」展が開催される。会期は11月22日~2026年1月18日。

 小林徳三郎(1884〜1949)は、1909年に東京美術学校を卒業後、若手による先鋭的な絵画運動として知られるフュウザン会に参加し、雑誌『奇蹟』の準同人として出版活動にも携わった。また、劇団「芸術座」の舞台装飾も担当。洋画家としては院展や円鳥会展に出品し、23年からは春陽展を中心に活動を展開した。40代半ば以降は子供たちをモデルにした作品を多く手がけ、明るい色調の静物などにも取り組んだ。晩年は江の浦(沼津市)などの自然風景を描き、死の直前まで制作を続けた。

 本展では、小林徳三郎の初の大回顧展として、約300点の作品と資料を通してその画業を紹介する。初期には妻となる政子をモデルにしたスケッチや、港や岸辺の風景、見世物など多様な題材を描いた。東京美術学校時代やフュウザン会で出会った仲間たちとともに、油彩・水彩に加え木版やエッチングにも挑戦し、画風を深化させていった。本展では、親交のあった眞田久吉、萬鐵五郎、木村荘八、硲伊之助らの作品もあわせて展示する。

会期:11月22日~2026年1月18日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
電話:03-3212-2485
開館時間:10:00~18:00(金は〜20:00)※入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし11月24日、1月12日は開館)、11月25日、年末年始(12月29日〜1月2日)
観覧料:一般 1300円 / 高校・大学生 1100円 / 中学生以下 無料

「人々を援け寄り添う神と仏-道釈人物画の世界-」(大倉集古館

尾形光琳絵付、尾形乾山作 銹絵寿老図六角皿 18世紀 大倉集古館蔵 重要文化財

 大倉集古館で、企画展「人々を援(たす)け寄り添う神と仏-道釈人物画の世界-」が開催される。会期は11月22日~2026年1月18日。

 本展では、七福神や鍾馗など、古くから人々の暮らしに寄り添ってきた神や仏の姿を紹介する。お正月や端午の節句などの年中行事に登場するこれらの神仏は、寺院や神社の奥深くではなく、生活のなかに溶け込みながら信仰されてきた。江戸時代から昭和初期にかけては、掛軸、節句人形、瓦人形などに多く表現され、人々の願いに応えてきた存在である。

 本展では、民間信仰の神として広く親しまれた七福神や鍾馗に加え、仏教における普賢菩薩、文殊菩薩、禅宗で祀られた布袋、異国的な風貌をもつ羅漢など、道教や仏教に由来する神仏や人物を描いた「道釈人物画」を取り上げる。これらの作品を通して、人々の身近に寄り添い、災厄を払い、願いを叶え、ときには生きる姿勢を示してきた神や仏の姿を紹介する。

会期:[前期]2025年11月22日~12月21日、[後期]2025年12月23日~2026年1月18日
会場:大倉集古館
住所:東京都港区虎ノ門2-10-3
電話:03-5575-5711
開館時間:10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月、12月29日〜12月31日、1月13日(1月12日は開館)
観覧料:一般 1000円 / 大学生・高校生 800円 / 中学生以下 無料

沖縄戦後80年・ベトナム戦争終結50年祈念「ベトナム、記憶の風景」(沖縄県立博物館・美術館

チュオン・タン 平和の母 2009年 福岡アジア美術館蔵

 沖縄県立博物館・美術館で、企画展「沖縄戦後80年・ベトナム戦争終結50年祈念『ベトナム、記憶の風景』」が開催される。会期は11月22日~2026年1月18日。

 本展は、沖縄戦の終結から80年、ベトナム戦争の終結から50年というふたつの節目を迎える年にあわせ、芸術を通して過去と未来を静かに見つめ直す試みである。本展覧会では、ベトナムにルーツを持つ、あるいはベトナムと深く関わるアーティストによる近代以降の作品を紹介するとともに、沖縄県立博物館・美術館の収蔵品からベトナムに関連する作品を展示する。

 また、三谷文化芸術保護情報発信事業財団が進める「グエン・ファン・チャン絵画保存修復プロジェクト」にも焦点をあて、芸術遺産の保存という観点から展覧会の意義を広げる。芸術による記憶の継承と平和への願いをテーマに、沖縄とベトナムの記憶を未来へとつなぐ内容となっている。

会期:2025年11月22日~2026年1月18日
会場:沖縄県立博物館・美術館
住所:沖縄県那覇市おもろまち3-1-1
電話:098-941-8200
開館時間:9:00~18:00(金土~20:00)(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月、11月25日、12月29日〜1月3日、1月13日(11月24日、1月12日は開館)
観覧料:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学・小学生 500円 / 未就学児 無料