今週末に見たい展覧会ベスト12。《天空のアトラス》からオルセー美術館、正倉院、柚木沙弥郎まで
今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

もうすぐ閉幕
「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2025」

© Stephen Shore. Courtesy 303 Gallery, New York.
東京・八重洲、日本橋、京橋、銀座エリアを会場とした「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2025」は10月27日まで。2025年度のテーマは「庭 / Garden」。ジル・クレマンが唱えた「動いている庭」の思想にならい、都市空間に写真を介して生命の流動性や共存を可視化する試みがなされる。
都市に点在する複数会場で行われる企画展では、「City as Garden」と題し、スティーブン・ショアやメリッサ・シュリークらが個展形式で出展。また、新進作家の育成プログラム「T3 NEW TALENT」から選出された5名のアーティストによるグループ展、MEP(パリ)との国際共同キュレーション「STUDIO+拡張する現代写真」、さらに1950年代以降の日本の女性写真家に焦点を当てた展覧会「I’m So Happy You Are Here」などが展開されている。
また、同時開催の「T3 PHOTO ASIA」は、アジアの写真文化に焦点を当てるアートフェアであり、2025年は台湾をゲスト国に迎える。伝説的作家ラン・ジンシャンのヴィンテージ作品を紹介する「Masters展」や、「The Shape of Asian Landscapes: Then and Now」をテーマに、アジア各地の新進・ベテラン作家の表現を通してアジア的視点を掘り下げるキュレーション展示も行われている。
会期:2025年10月4日~10月27日
会場:東京・八重洲、日本橋、京橋、銀座エリアの屋内・屋外会場
観覧料:無料
詳細は公式サイトを確認
「新収蔵&特別公開|コレクションにみる日韓」(東京国立近代美術館)

東京国立近代美術館で、コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|コレクションにみる日韓」が10月26日まで開催されている。
2025年、日本と韓国は国交正常化60周年を迎える。1910年の日韓併合から日本の植民地支配を受けた後、朝鮮半島は45年に解放された。しかし、冷戦下で南北の対立が激化し、すぐに朝鮮戦争が始まる。その後も、韓国は軍事独裁政権による厳しい統制や民主化運動を経験している。これは日本が朝鮮戦争による特需を受け、「戦後」の復興を進めた歴史と対照をなしている。
同館は今年、朴栖甫(パク・ソボ)とソン・ヌンギョンという韓国現代美術を代表する2作家の作品が収集した。本展では、同館のコレクションを通して日韓の歴史を振り返るとともに、両国の理解を深めるきっかけとして、それぞれの美術表現を紹介している。
会期:2025年7月15日~10月26日
会場:東京国立近代美術館
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00(金土〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
観覧料:一般 500円 / 大学生 250円 / 高校生以下および18歳未満、65歳以上 無料
「東松照明と土門拳-語りつぐ写真-」(土門拳写真美術館)

山形・酒田市の土門拳写真美術館で、戦後80年を記念した特別展「東松照明と土門拳-語りつぐ写真-」が10月26日まで開催されている。
ともに20世紀の日本写真界を牽引した東松照明と土門拳。戦前に報道写真家として出発した土門と戦後に活動を始めた東松は、やや世代が異なるものの接点を持っていた。
本展は、戦争や原爆をはじめとする日本の社会状況を見つめながら新たな表現を開拓し、写真界に大きな足跡を残した両者の作品を展覧する初の2人展だ。戦後80年という節目に、20世紀の写真がたどってきた道程を振り返るとともに、写真を通していまなお止まない戦火について考え語り継ぐ機会となることを目指すものとなっている。
会期:2025年7月11日~10月26日
会場:土門拳写真美術館
住所:山形県酒田市飯森山2-13(飯森山公園内)
電話:0234-31-0028
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:9月25日
観覧料:一般 1300円 / 高校生 650円 / 中学生以下 無料(10月1日は開館記念日のため無料開放)





















