EXHIBITIONS

長沢楓「残丘」

長沢楓 唐草 2026 キャンバスに油彩 180.3 × 120.2 cm ©Fu Nagasawa / 撮影:髙橋健治

 タカ・イシイギャラリー 前橋で、長沢楓による個展「残丘」が開催されている。

 長沢楓は1999年高知県生まれ。京都府在住。2022年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し、25年に京都芸術大学大学院修士課程芸術専攻油画領域を修了している。

 本展は、同廊で初めての個展となっている。展示室では、新作のペインティング約10点、新たな試みとなるセラミックタイル作品8点を展示。

 長沢は、京都のスタジオ近くで開催される蚤の市に通い、民藝品に描かれるモチーフを参照する絵画を制作してきた。動植物の図像や模様、書などの記号的・抽象的形態に注目し、古代メソポタミアやエジプトに起源を発し中国から日本へと伝来した唐草模様を作品に取り入れている。蔓が這うように画面を占める形態と、抽象的形態としての線描との関係を示す。

 制作過程においては、筆を進めながら画面と向き合う姿勢を通して地と図の関係性を捉え直す。新作では、少量の絵具による小さなストロークを重ねて大きな画面を構成する方法をとっており、都度の混色による色彩の差異や滲み、掠れを画面に表出させている。あわせて展示している小型のセラミックタイル作品は、韓国で採取された土を素地として使用している。