EXHIBITIONS

ジャン=リュック・ゴダール《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》

王城ビル
2025.07.04 - 08.31

ドイツ・ベルリンでの展示風景(2022)

 王城ビルで「ジャン=リュック・ゴダール《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》」が開催される。

 これまでにドイツ、スイスなどで展示が行われてきた本展が、今回日本で初めて東京で開催される運びとなった。

 本展では、映画監督ジャン=リュック・ゴダールの映像表現の革新性を紐解き、映画の新たな鑑賞体験を提示。『ゴダール・ソシアリスム』(2010)から撮影監督を務め、晩年のゴダールの右腕であったスイスの映画作家ファブリス・アラーニョがキュレーターを務め、ゴダールとのコラボレーションを経て企画設計したインスタレーションが展覧される。

 今回の展示は、ゴダールの最後の長編作品であり、カンヌ映画祭でパルム・ドールを超越する賞として、映画祭史上初の「スペシャル・パルムドール」を受賞した『イメージの本』(2018)を映像インスタレーションとして再構成。ゴダールの眼でその作品世界を見る内容となっている。

 映画『イメージの本』は、1世紀以上にわたる歴史、戦争、宗教、芸術などの変遷を、様々な映画の引用でコラージュし振り返る5章立ての作品だ。本展では、映画の各章をさらに断片化し、引用される映像の順序もつねに変化する。それらを会場内に多数設置されたスクリーンに投影、展示するという手法により、映画上映の時系列的な束縛を破り、視覚的、空間的にゴダールの世界を体感することができる。