海に浮かぶ唯一無二の宿「guntû」。極上の船旅を約束するこだわりとは?
「せとうちの海に浮かぶ、ちいさな宿」をコンセプトにした、17の客室を持つ泊まれる客船「guntû(ガンツウ)」。穏やかな瀬戸内海を周遊しながら、船内で思いのままに過ごすことのできるこの客船が、今年8月に初の大阪航路を運航する。その船内の様子をレポートする。

瀬戸内国際芸術祭 2025、岡山芸術交流 2025、そして新たに誕生したひろしま国際建築祭 2025が開催されるなど、今瀬戸内エリアは大注目を集めている。そんな瀬戸内海を周遊しながら、洗練され落ち着いた船内に宿泊することができる宿がある。「guntû(ガンツウ)」だ。

「guntû」は「せとうちの海に浮かぶ、ちいさな宿」というコンセプトをもとに、建築家・堀部安嗣の設計デザインによってつくられた泊まれる客船。2017年10月の就航以来、広島県尾道市のベラビスタマリーナを母港とし、西は山口県上関沖から東は香川県小豆島沖までを2泊または3泊で周遊する。出港後は一度もほかの港に着岸せず、夜は錨を下ろして島の沖合や湾で一夜を過すという、海の上での穏やかな時間を過ごすための体験設計が徹底されている。
設計を担当した堀部は、1967年神奈川県横浜市生まれ。筑波大学芸術専門学群環境デザインコースを卒業後、1994年に堀部安嗣建築設計事務所を設立した。その後「牛久のギャラリー」で第18回吉岡賞、「竹林寺納骨堂」で日本建築学会賞(作品)を受賞。今年10月に初開催となる「ひろしま国際建築祭2025」にも参加が決定している。
そんな堀部により設計されたguntûは、瀬戸内でとれる青色の小さなイシガニの愛称が名前の由来となっており、備後地方の方言が用いられている。このイシガニのように永く愛される存在になるように、また瀬戸内の伝統、文化、自然を豊かな滋味として味わってもらえるようにという思いが込められている。