• HOME
  • MAGAZINE
  • NEWS
  • REPORT
  • 万博イタリア館に新たな美術品。ラファエロの師・ペルジーノ《…
2025.8.31

万博イタリア館に新たな美術品。ラファエロの師・ペルジーノ《正義の旗》が日本初公開

10月13日の会期終了が近づく大阪・関西万博。このタイミングで、イタリア館が新たな美術作品として、ピエトロ・ペルジーノの傑作《正義の旗》を公開した。

文・撮影=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

イタリア国外では初の展示となったピエトロ・ペルジーノ《正義の旗》(1496)
前へ
次へ

 大阪・関西万博も会期末(10月13日)が迫ってきたこのタイミングで、イタリア館が新たな美術作品としてピエトロ・ペルジーノの傑作《正義の旗》を公開した。イタリア国外での展示は今回が初。

 ルネサンスを代表する画家のひとりであるピエトロ・ペルジーノ(1450頃〜1523)は、若きラファエロの師匠としても知られる人物。本作《正義の旗》は、ペルジーノ成熟期の1496年に制作された大作だ。

 本作画面は上下2段で構成されており、上部にはセラフィムと踊る天使たちに囲まれた聖母子が、下部には祈りを捧げる聖フランチェスコと聖ベルナルディーノ・ダ・シエナ、そして頭巾を被った信者を含む群衆が描かれている。背景に描かれるのは、当時のウンブリア州ペルージャの街並みだ。

 ウンブリア国立美術館(ペルージャ)が所蔵する本作はもともと聖ベルナルディーノ信徒会が行列用の旗(ゴンファローネ)として依頼したものであり、そのため地域的なアイデンティティが強く込められている。

ピエトロ・ペルジーノ《正義の旗》(1496)の部分
ピエトロ・ペルジーノ《正義の旗》(1496)の部分

 イタリア館は本作について、「この穏やかで調和に満ちた場面は、当時ペルジーノが到達していた表現の洗練さを示すものであり、柔らかく優美な人物描写、透明感ある色彩、空間的に開かれた完璧な構図が特徴」とコメント。

 またウンブリア国立美術館のティツィアーノ・ダッキッレ館長は「人物と自然の調和、神秘主義と現実の対話が感じられ、人々の日常の中に宗教的で聖なるものが有形化されている、見事な作品」との言葉を寄せている。

 イタリア館は開幕当初からナポリ国立考古学博物館が所蔵する紀元2世紀の彫刻《ファルネーゼ・アトラス》や、日本で二度目の展示となるカラヴァッジョの絵画《キリストの埋葬》、レオナルド・ダ・ヴィンチの素描など、そうそうたる美術品を展示。また5月にはミケランジェロによる彫刻《キリストの復活》の展示を開始し、大きな話題を集めてきた。会期末を控えた作品追加で、さらなる行列を呼びそうだ。

イタリア館の展示風景より、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《キリストの埋葬》