ウィン・バロック 写真展「追想2025→1975」

　写大ギャラリーで、ウィン・バロックによる写真展「追想2025→1975」が開催されている。

　本展は、ギャラリーの設立50周年を記念して、1975年に同廊のこけら落としの展覧会として個展を開催した、ウィン・バロック（1902〜1975）の作品を展示。

　ウィン・バロックはアメリカ・シカゴ生まれ。高校卒業後、音楽の道に進むためニューヨークに移った。1920年代半ばにヨーロッパで声楽を学び、プロのテノ―ル歌手として活躍した。パリに滞在中、印象派とポスト印象派の作品に魅了され、その後、マン・レイ（1890〜1976）やモホイ・ナジ（1895〜1946）の作品に出会い、写真を始める。

　1938年、36歳の時にロサンゼルスのアート・センター・スクールで写真を学び、卒業後は商業写真家として活動する傍ら、ソラリゼーションなどの実験写真を制作した。1948年にエドワード・ウェストン（1886〜1958）に出会い、その影響を強く受け、ストレートな写真に傾倒。8、10インチの大型カメラを使って、自宅近くの風景を舞台に撮影を行い、諧調豊かなモノクロプリントを制作したことで知られている。1955年にニューヨーク近代美術館の開館25周年を記念した展覧会「ザ・ファミリー・オブ・マン」では、世界から選抜された503枚の写真作品の1枚目としてウィン・バロックの《森の子ども》が展示された。

　本展では、写大ギャラリー・コレクションと、清里フォトアートミュージアムの協力のもと、1975年に同廊で展示された35点に新たに作品を加えた約50点を展示。没後50年経つ現在でも、世界各国で展覧会が開催されているウィン・バロックのオリジナルプリントを見ることができる。