EXHIBITIONS

「時代に生きよ、時代を超えよ」── 川口黎爾の直視

2025.06.09 - 07.05, 2025.07.09 - 08.08

提供:慶應義塾大学アート・センター 撮影:村松桂(株式会社カロワークス)

 慶應義塾大学アート・センターで「『時代に生きよ、時代を超えよ』── 川口黎爾の直視」が開催されてる。

 希代のコレクター・川口黎爾は「まなざし」を「直視」と記した。川口の作品を見つめる「まなざし」は作品に対峙し、深くそのなかに入り込んでいくようであったという。そのコレクションはまさに「直視」を通して集められた作品の数々だ。その直視の先に佇んでいた藤牧義夫は「時代に生きよ、時代を超えよ」と言及。時代に生き、時代を超える作品に川口は感応し、川口の「直視」に耐えた作品だけが選び抜かれていった。

 本展は、藤牧義夫、谷中安規など戦前の日本作品を展示する前期(6月9日〜7月5日)と、ブリンキー・パレルモ、アナ・メンディエタなど海外の現代美術作品を展示する後期(7月9日〜8月8日)の2部で構成。

 前期では、とくに川口の心をとらえた藤牧の版画を紹介。あわせて谷中安規らの版画作品、さらには林倭衛の身に迫る肖像画、長谷川利行のドローイングなども展示する。後期では、初期にコレクションされたアントニ・タピエスに始まり、ブリンキー・パレルモ、アナ・メンディエタ、スタンリー・ブラウン、ハンネ・ダルボーフェンなど、自らの生と向きあいながら、深く問いを投げかけた作家たちの作品を展覧する。