EXHIBITIONS

フランシス・メルホップ「Visible Mending」

AIR motomoto
2025.05.31 - 07.07

フランシス・メルホップ

 熊本県荒尾市のレジデンス施設AIR motomotoで、フランシス・メルホップによる個展「Visible Mending」が開催される。

 フランシス・メルホップはニュージーランド・クライストチャーチ生まれ。ビジュアル・アーティスト、キュレーター、ギャラリーディレクター。現在は、アメリカ・ネバダ州レイクタホを拠点に活動。ドローイング、写真、版画、手刺繍、彫刻、油彩などの触覚的なメディアを用いて、人々が世界を体験する仮想的な方法と物理的な方法とのあいだにある緊張関係を探求してきた。

 世界各地で個展およびグループ展に参加しており、受賞歴には、2025年にネバダ芸術協会フェローシップ、19年にネバダ大学リノ校優秀芸術家賞、14年にNNDAイノベーター賞、09年と10年にリューザーズ・アーカイブ・ワールド・ベスト・フォトグラファーなど。20年、ネバダ州レイクタホにMelhop Gallery°7077を開設し、国内外の12名のアーティストを代表している。優れたアーティストを招いて、テーマに沿ったグループ展のキュレーションも行う。ネバダ大学リノ校で、写真および美術史の学士号とインターディシプリナリー・アートの修士号、チューリッヒ芸術大学でキュレーション実践の卒業後資格(CAS)を取得。

 本展に際して、メルホップは次のように述べている。

「ストーリー、ステッチ、涙、修復。人間味や痕跡、存在と不在の相互関係は、私の作品に繰り返し現れるテーマです。写真やスクリーン、デジタル・プラットフォームの時代において、感覚的な触れ合いがどう変化したのか、そして私たちがいま、身体的体験とスクリーン越しの現実のどちらを『本物』と感じているのかを問いかけています。制作は女性の視点を通して、写真、刺繍、版画、油彩、インスタレーションなどを用い、速度を落とし、深くつくることに向きあいます。作品は、現代のスピード社会への静かな抵抗として触れることのできるアーティファクト(物証)となります。

 現在の作品は、28年間にわたるファッション業界で、女性と少女のためにイメージをつくり続けてきたエディトリアル・フォトグラファーとしての経験を経て生まれたものです。その活動は、インターネット以前の時代から、雑誌業界の衰退を経て、私たちが自分のイメージや物語を自分で発信できるいまの時代までの、大きな文化的変化をまたぐものです。

 今回のVisible Mendingは、過去5年間にわたって制作された3つのシリーズのなかから選ばれたステッチ・ドローイングの作品集です」(展覧会ウェブサイトより)。