2025.6.2

徳川美術館で「時をかける名刀」展開催。家康、信長、秀吉ら名将とともにあった名刀も公開

徳川美術館で、同館所蔵の日本刀コレクションを中心に公開する展覧会「時をかける名刀」が開催される。会期は6月14日~9月7日。

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 名古屋の徳川美術館で、同館が所蔵する日本刀コレクションを公開する「時をかける名刀」が開催される。会期は6月14日~9月7日。

 徳川美術館は尾張徳川家伝来の日本刀を約700振所蔵しており、美術館が所蔵する刀剣数としては最大を誇る。国宝10振、重要文化財19振、重要美術品23振、名物刀剣(固有名称を付けられた刀剣)23振が含まれている。

重要文化財 刀 銘 本作長義天正十八年庚寅五月三日二九州日向住国広銘打 長尾新五郎平朝臣顕長所持 天正十四年七月廿一日 小田原参府之時従 屋形様被下置也 徳川美術館蔵

 刀剣は武家社会において重要な贈答品であり、将軍家に次ぐ格式を誇った尾張徳川家には自然と当時の最高級品が集まった。また、尾張徳川家は徳川家康の遺品を多く相続したため、織田信長や豊臣秀吉といった歴代の為政者や戦国武将ゆかりの名刀もその来歴とともに継承しており、歴史をいまに伝える重要な文化財となっている。

重要文化財 刀 銘 九州日向住国広作 天正十八年庚寅貳月吉日平顕長(号 山姥切国広) 公益財団法人足利市民文化財団蔵 ※前期(6月14日~7月27日)公開

 前期日程では《刀 銘 本作長義(略)》と《刀 銘 九州日向住国広作(略)(号 山姥切国広)》を同時公開。姿が非常に近しいことから、本歌(本作長義)と写し(山姥切国広)であるとされており、双方が重要文化財に指定されている。前期日程(6月14日〜7月27日)では「伯仲燦然」と銘打ち、この2振を同時公開する。

 後期日程では天下五剣のなかでもっとも美しいと評される東京国立博物館蔵の《三日月宗近》や、名工正宗の最高傑作と名高い三井記念美術館蔵の《日向正宗》など、刀剣史に輝く名品が紹介される。

国宝 太刀 銘 三条 名物 三日月宗近 東京国立博物館蔵 ※後期(7月29日~9月7日)公開
国宝 短刀 無銘正宗 名物日向正宗 三井記念美術館蔵 ※7月29日~8月11日公開

 また、拵(こしらえ)や鐔(つば)などの刀装に注目し、名刀を彩った上質な刀装の数々も併せて紹介する。

重要文化財 朱漆塗雲龍蒔絵鞘大小拵 尾山神社蔵 ※8月12日~9月7日公開
葵紋散螺鈿黄金造太刀拵 徳川美術館蔵

 なお、本展はゲーム「刀剣乱舞ONLINE」とのコラボレーションも実施。キャラクターの描き下ろしイラストや等身大パネル、コラボレーショングッズの販売なども行われる。

時をかける名刀×刀剣乱舞ONLINE