昭和の銀行建築をリノベーション。尾道に誕生した街と旅人をつなぐスモールホテル「Arbor Onomichi」
広島県尾道市に、中国銀行旧尾道支店をリノベーションしたスモールホテル「Arbor Onomichi」がオープンした。本ホテルを手がけたBackpackers’ Japanの取締役CBO・石崎嵩人と、デザインディレクションおよび空間デザインを担当した「根を這う」代表・須藤修のインタビューを交え、その様子をレポートする。※7月15日24時まで、すべての方に全文お読みいただけます。

広島県尾道市に、中国銀行旧尾道支店をリノベーションしたスモールホテル「Arbor Onomichi(アーバー オノミチ)」が、4月25日にオープンした。
同ホテルは、Backpackers’ Japanが企画・運営を行い、主に地方都市での展開を計画するスモールホテルブランド「Arbor」の1号店。客室数の拡充や館内体験の最大化を目指すのではなく、限られた規模のなかで宿泊客や地域との関係づくりに注力する。観光や食事は積極的に街中での回遊を案内し、「街とともに滞在を楽しむ」ホテルの姿を理想に掲げている。
新ブランド「Arbor」1号店が尾道に誕生した背景
ホテルの躯体となったのは、1966年に竣工した中国銀行旧尾道支店だ。駅から続く「尾道本通り商店街」と石見銀山街道が交わる交差点の角地で53年間営業し、2019年10月に移転統合のため閉業。その後、物件の買い手はついたものの、コロナ禍の影響もあり活用方法は定まらないままだった。ようやく状況が落ち着きはじめた2023年頃から活用方法の検討が再開され、2024年秋頃にBackpackers’ Japanへ宿泊スペースの企画運営の依頼が持ち込まれたという。
当時、同社では地方都市におけるスモールホテルの開発企画が進行していた。そのきっかけは、全国の地方都市の街中において、宿泊の主な選択肢がビジネスホテルばかりになっていることへの疑問だった。街から離れた場所には個性の光るホテルもあるが、それでは街中へアクセスしづらく、市街の店舗などを気軽に楽しむことが難しくなってしまう。「その街を楽しみ尽くして、心地よい余韻のまま戻る先のホテルにも、つくり手の意思が感じられる空間やホテルスタッフとの双方向のコミュニケーションがあればより良い体験になるのではないか」と、取締役CBOの石崎嵩人は自身の旅人としての視点を起点に考えていた。当初はもう少し規模の大きな都市での開業を想定していたが、この物件活用の案件と重なったことから、尾道でのプロジェクト始動が決定したという。

































