「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展」(大阪中之島美術館)開幕レポート
大阪中之島美術館で、「アール・デコと女性」をテーマとした展覧会「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展」がスタートした。会期は2026年1月4日まで。

「アール・デコ」とは、1925年のフランス・パリで開催された「現代産業装飾芸術国際博覧会」(通称:アール・デコ博覧会)に由来するもので、現在は装飾様式の名称としても知られている。いまからちょうど100年前に起こった、芸術史を語るうえでも外せないこの転換点にフォーカスした展覧会「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展」が大阪中之島美術館で始まった。担当学芸員は平井直子(大阪中之島美術館 主任学芸員)。
開幕に先立ち、平井は本展について次のように述べた。「この企画展は、同館のオープン前から構想があったものだ。アール・デコにおいてユニークなのは、“その様式を提唱したものがいない”。つまり、いつの間にか国際的に伝播したという稀有な事例であるという点にある。これは現代の情報の拡がり方と類似性があり、先駆けとも言えるだろう」。
つまり、アール・デコには決まった形式がないことを指しており、ヨーロッパを中心とした世界各地でこの様式を生かしたデザインが誕生したのだ。同展では、ある種とらえどころのないと言えるこの様式を「女性」というテーマから着目し、「アール・デコ博とデコ・スタイル」「スピードの時代と女性」「ヴィーナスたちのファッション」「ヴィーナスたちの仕事とレジャー」「最高のヴィーナス、それは私!」「ヴィーナスたちの憧れ!ジュエリーと摩天楼」といった6つの切り口から、その表象とデザイン諸相の一端を読み解くものとなっている。
































