カタール、湾岸地域最大の美術品保管・物流ハブをドーハに新設へ
カタールの物流大手GWCと文化経済分野を手がけるQC+が、ドーハのフリーゾーンにおいて、湾岸地域で最大規模となる美術品保管・物流ハブを開発すると発表した。

カタールの物流大手GWC(Gulf Warehousing Company Q.P.S.C.)と、文化経済や観光分野の戦略開発を手がけるQC+が、ドーハのフリーゾーンにおいて湾岸地域最大規模となる美術品保管・物流拠点を開発する計画を発表した。本施設は、急速に成長する湾岸地域のアートマーケットに対応し、コレクター、ギャラリー、文化機関、アートイベント運営者などに向けた包括的なサービスを提供する。
新拠点は、博物館水準の保存環境を備えた安全な保管施設として設計され、作品や文化財の保存・管理を支援する。館内には修復ラボ、プライベートおよびシェア型の保管スペース、閲覧室、通関区域などが整備される予定で、ハマド国際空港に近接する立地を活かし、国際輸送の利便性も確保される。また、現地の専門人材育成を目的とした学習・交流ゾーンも併設される見込みだ。
GWCのアークティック・グループCEOマシュー・カーンは、「当社は15年以上にわたり美術品物流の実績を持ち、ICEFAT(国際美術品輸送協会)の認定を受けた中東初の企業です。本プロジェクトは、カタールの文化的・経済的多様化のビジョンと融合し、地域における新たなアート・インフラの基準を示すものです」とコメントした。
また、QC+のカースティン・マーンズCEOは、「湾岸地域はもはや新興市場ではなく、アート・バーゼル・カタールの発表が象徴するように、世界的な文化の中心地となりつつあります。GWCとの協働により、美術品物流の分野で革新的なソリューションを提供し、カタールを創造性と商業基盤の両面で世界のハブにすることを目指します」と述べている。
このプロジェクトは、カタールで2026年2月に開催される「アート・バーゼル・カタール」など、国際的な文化イベントを見据えた国家戦略の一環として位置づけられており、同国の「カタール・ナショナル・ビジョン2030」に沿った文化・創造産業の発展を後押しすることになる。